遊行の門(ゆぎょうのもん)

  • 徳間書店 (2010年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198930936

感想・レビュー・書評

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  • 【いちぶん】
    花は咲き、そしてしぼむ。その移り変わるさまを一瞬の記憶にとどめておきたいというのは、ばかげた思いだろうか。時代はうつろう、この世は「虚仮」である。だからこそ、移りゆく時代の流れとともに遊ぶ生き方もあるのではないか。ウツの中で折れずに生きていくために、時分の遊びに身をまかせるという道を選びたい、とひそかに思ったりもするのである。

  • 人生の晩年を生きようとする人達への言葉が述べてある。楽観視するのではなく、老いる現実を受け入れよ。仏教の教えるとおり、すべては変わる。老いは自然だし、ポジティブ志向や健康志向は必要ない。老いることを受け入れ、老いることを楽しめと説いている。しかし、日本の現状に対して末期的で、ウツ状態であることを説くのは少し重苦しかった。▼「格差社会が崩壊する日」の章は、最近のテロや中東やアフリカでの内戦の社会変動を顧みて深刻に感じた。仏教は、すべては変わると教える。そして格差社会が崩壊するのは、格差がダイナミックに開き、極端に開きすぎた格差が弦を切った弓のように壊れるときだと五木氏は説いている。今、そんな恐い時代を迎えているのかもしれない。

  • 友達の本棚にあって借りてみました。

    自伝部分が多いように感じましたが、なるほどと改めて思わされることもありました。
    ・自殺者が増える=自分の命をかけがえのない大事なものと感じないということは、当然のことながら他人の生命の重さも感じられないということだ。
    ・明るさと暗さ両方あることで成立する。人は鬱とともに生きるのだ。
    ・現代の医療は病人を作ることにはげんでいる傾向があるのでは、気分が落ち込んだら鬱、など
    ・とりあえず「いま」を生きたいように生きる。
    ・人は、いつか死ぬということを思い知らなければ、生きているということを実感することもできない。(ドイツ哲学者ハイデッガー)
    ・老いて楽になることもまた決して少なくない。
    ・アンチエイジングよりエンジョイエイジング
    ・人は階段を踏み外しても死ぬのである。絶対的に安全な道などどこにもありはしない。

  • 古代インドには、人生を4つに分ける思想があったそうだ。
    「学生期」「家住期」「林住期」「遊行期」
    私は「家住期」にあたるかと思っていたら、60歳がめどとなっているそうなので、もうすぐ「林住期」に入るわけだわ。
    中国の発想によれば
    「青春」「朱赤」「白秋」「玄冬」となるらしい。

    人はみんないずれ死を迎えるわけだが、老いていくことはどうしても切ないと考えてしまう。
    親の老いていく姿を見ても、寂しいと思うし、自分の老いも悲しい。
    誰もが通る道だけれど、どこかで拒否している部分がある。

    老いていくのは子供に帰ることだと、老いを恥じることはない、人の世話になることを恥じることはないとは言うけれど、やはり誰かの手を借りてまで生きていくのは辛いな。

    読んでいるうちはなんとなく「そうかな」という気持ちにもなるけれど、現実に戻った時、やはり親の老い、自分の老いに大いに不安になる。
    まして今の世の中、そしておかれた環境を考えれば、どうしても長生きしたくはないと思ってしまう。

    もう少し年を重ねたら、もっと違う著者のような考え方ができるのかしら。

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著者プロフィール

1932年、福岡県生まれ。作家。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引き揚げる。52年に上京し、早稲田大学文学部ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞受賞。ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『百寺巡礼』『生きるヒント』『折れない言葉』などがある。2022年より日本藝術院会員。

「2023年 『新・地図のない旅 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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