沙門空海唐の国にて鬼と宴す〈巻ノ1〉 (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
3.99
  • (39)
  • (51)
  • (28)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 423
感想 : 30
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198931193

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『空海の風景』と『餓狼伝』は我が偏愛の書。司馬遼太郎は終生、格闘小説を書かなかったが、夢枕獏は空海を描いた。司馬遼とはまったく異なった書き手である夢獏が空海という日本史における突然変異とも言える孤高の天才をどう描くが興味を持って読む。空海の前半生を省略して物語はいきなり唐の国にて幕を開ける。スーパーバイオレンス伝奇の巨匠が描いたにも関わらず空海が爽やかな青年なのが少し意外。『風景』の空海はもっといかがわしさに満ちていた。脇役が自己増殖して収拾がつかなくなるのが夢獏。はてさて空海は唐の都でどうなることやら。

  • 陰陽師の読者はマンネリ化を感じるかも。
    登場人物と場所が変わっただけ?
    でも、この人の”語り”は何処か心地よく読みやすいのは確か。

  • 空海の飄々とした感じが素敵。

  • 読み始めて思うのは、「唐が舞台の『陰陽師』」。
    この本の空海と橘逸勢の関係が、『陰陽師』の安倍晴明と源博雅の関係にそっくりなのである。

    しかし、橘逸勢は才能もプライドも人並み以上にある人物なので(ただ、空海が常識を逸した才能を持っているので、彼に比べると逸勢の才能がかすんでしまうのである)、そんな彼が空海に説明を求める際に「俺を騙すなよ」と念を押すのが面白い。
    確かに空海の言うことは突飛すぎて(奇抜というわけではなく、物の考え方が「日常」を超越しているのだ)、聞いていると全く違う価値観に戸惑ってしまう。その面食らう感覚を「騙す」という逸勢の気持ちはよくわかる。
    この逸勢の人物造詣がよくて、彼が空海と会話することによって、空海の物事のとらえ方を上手く説明しており、物語がテンポよく進んでいく。

    1巻の時点では、まだまだ物語は序章というところ。
    この二人に楊貴妃はいったいどう絡んでくるのかな?

  • 空海と橘逸勢は、陰陽師シリーズの清明と博雅みたいな立ち位置。
    1巻目は陰陽師でよく見るような展開。
    はじめは唐の都会っぷりにはしゃぐ逸勢がかわいい。ほほえましい。
    まだ無邪気に空海スゴイスゴイ!ってノリが軽くて、それがまた…
    とりあえず、多方面で起きる一連の怪事件に共通点があるらしい、ってとこで次巻へ。

  • カバー絵が好きでジャケ買い。少々陰陽師と空海&橘がかぶるところがありますが・・そこを省けば文句なしの傑作。

  • 読み進みながら掻き立てられた想いがあまりに多すぎていまや語る言葉も語る気力もない。何故これだけの傑作がもっとメジャーな評価を受けないのか。

  • 空海が遣唐使として中国(唐)に留学した時代のお話。妖怪がウジャウジャはびこっていたが、空海はバッサバッサと妖怪退治というか真相解明、若き天才として中国人からも注目されることになる。空海の狙いは密教を盗むことであった。。。

    まさに伝奇小説という雰囲気が堪能できる一品。夢枕さんの発想は、いつも凄いなぁ。。。と感心してしまう。

    (2010/4/5)

  • 「陰陽師」の夢枕獏が空海を描く。安倍清明が空海に変わっただけという感もしないでもないが、とにかく面白い。
    マホメットも出てきたので、期待したが、あまり個性的ではない。次巻に期待しよう。
    500頁を超える分量だが、あっという間に読了した。

著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

夢枕獏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×