空色勾玉 (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
4.03
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本棚登録 : 2444
レビュー : 284
  • Amazon.co.jp ・本 (541ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198931667

作品紹介・あらすじ

輝の大御神の双子の御子と闇の氏族とが烈しく争う戦乱の世に、闇の巫女姫と生まれながら、光を愛する少女狭也。輝の宮の神殿に縛められ、地底の女神の夢を見ていた、"大蛇の剣"の主、稚羽矢との出会いが、狭也を不思議な運命へと導く…。神々が地上を歩いていた古代の日本"豊葦原"を舞台に絢爛豪華に織り上げられた、日本のファンタジー最大の話題作。

感想・レビュー・書評

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  • 王道和風ファンタジー。これでもか、と言わんばかりのてんこ盛り状態。敵味方が入れ替わったり、仲間の死であったり、甦りもあり、魔法とは言わないが神の力があり、当然恋の話もあり。あらゆる要素が詰まっています。さすが日本の女性ファンタジー作家三羽鴉のお一人。

    元々気にはなっていたのですが、読書メーター仲間さんのおすすめもあり、やっと読めました。確かに人に薦めたくなる1冊です。

    RDGが比較的ゆっくりと進んでいるのに対して、こちらは次から次へとイベント発生で、一気にラストまで駆け抜ける感じ。

    三部作ということで、1冊目では完結しないと思っていたら、一応完結していますよね、これ。第二部はどんなつながり方をしているのかな?
    いきなり狭也が切られてビックリ。そこから先は稚羽矢の活躍や狭也の想い、鎮めの説得にうるうる涙目で最後。感動のまとめでした。

    強いて言えば、イザナギ・イザナミのネタ話があるせいか、ちょっと心に残りにくいところはあったかな。

    • のんさん
      感動でしたよね~!日本神話知っているとより話に引き込まれるというか(私の勝手な思い込みですがw)。話を追うごとに稚羽矢がたくましくなっていっ...
      感動でしたよね~!日本神話知っているとより話に引き込まれるというか(私の勝手な思い込みですがw)。話を追うごとに稚羽矢がたくましくなっていって。最後には・・・・!って感じで感動的でした。
      2018/02/28
  • 上橋菜穂子から辿り着いた『空色勾玉』。

    古事記と日本書紀をベースにしたファンタジー。
    文庫なのにかなりの厚み。でも、その厚みをものともしない面白さ。

    永遠の命を持つ輝の者と、死を尊重する闇の者。変わらない美しさに憧れる少女と、変化があるからこそ生を見出す少年。
    どちらの気持ちも、よく分かる。

    最初、歌を贈り合って男女が結ばれるという祭のシーンがあまりに艶やかで、思わずドキっとするところで物語に引き込まれ。

    輝と闇がイザナギとイザナミを祀りながら戦い、その果てに何が待つのかを期待しながら見届けたクライマックスが、ものすごい!
    それまで、ぽーっとした印象であった稚羽矢が、序盤は采女達をメロメロにさせていた美青年の月代王なんてメじゃないくらい格好良くてたまらない成長を遂げるのだ。

    古事記も日本書紀もしんどいよ、という古典嫌いの人にも是非読んで欲しい。きっと、原典に立ち返りたくなるほどの魅力があるから。

    とりあえず、稚羽矢かっこよすぎ。

    • のんさん
      うんうん!稚羽矢かっこよすぎですよね!!その気持ちわかります!その後の話も気になってしまいますよね~。

      上橋菜穂子さんという方の小説は...
      うんうん!稚羽矢かっこよすぎですよね!!その気持ちわかります!その後の話も気になってしまいますよね~。

      上橋菜穂子さんという方の小説はまだ読んだことが無いので気になります。
      2018/02/28
  • RDGが面白かったので勾玉三部作にも手を出してみました。
    RDGは続きが気になってしょうがない感じでしたが、こちらは一冊でずっしり。満腹になれます。
    古事記もずっと気になっていたので、多少触れた気になれるのも嬉しいです。
    改めてファンタジーっていいなと思いました。

    青空文庫で古事記物語を参考にしつつ読んだのですが、
    古事記のイザナギとイザナミが、こちらでは輝の大御神と闇の大御神で、
    アマテラスとツキヨミとスサノオの三貴子が、輝日王、月代王、稚羽矢なんですかね?
    狭也だけは完全オリジナルでしょうか。

    とにかく登場人物が神様やら王様なのが乙女心をくすぐります。
    勾玉や剣、鏡などのアイテムも夢があっていい。

    おおまかに言えば、輝と闇との氏族争いですが、輝の御子であり大蛇の剣の主である稚羽矢と、闇の氏族である狭也が心を通わせ、行動を共にし、その結果どう転ぶのかが終始鍵を握っていたように思います。

    「闇」という暗いイメージの者のほうが、人間らしく、主人公もその闇の人間だったのが不思議で、どっちが正義なのか?と惑わされましたが最後まで読んで納得。

    あと鳥彦が十二国記の楽俊みたいでかわいかった!

  • 先に薄紅天女を見つけてそれを読もうとしたらどうやら三部作ということで、この本から読み始めた。
    日本神話をベースにしたものは好み。描写が細かく、私の好きな古代日本ということもあって、とても入り込みやすかった。つい最近まで殺伐した描写のものばかり読んでいたこともあってか、日本の自然を柔らかく表現した描写には何だか懐かしいものがあった。言葉が綺麗で優しい。日本語の、日本にある古来の自然の美しさに触れた気がする。
    物語としては稚羽矢が出てきてからがぐっと面白くなった。二つの世界が出てくるけれど、それぞれにそれぞれの美しさがある。だから互いに無いものに惹かれるんだろうな。そちらになれないと分かっていながら。だから切なさが所々にある。
    稚羽矢が狭也と出会い、そこから徐々に成長していく過程がすごく好き。狭也が攫われて、自分を顧みずに助けに行きたいと強く願う彼を目の当たりにした時、登場したばかりの時の彼とはもう違うのだと何だかはっとした気がした。主人公の説く自然のあり方や自分のあり方がとても良かった。自然を見て自ずと浮かんでくる感情を言葉したらきっとこれなのだと思った。

    照日王は自分の父親と自分の在り方を信じ続けた純粋な人なのだろうし、月代王は輝にいながら闇に憧れ、でも、そうはなれないと覚っている切ない人。
    人が亡くなるところは泣きそうなほどに辛い。
    それでもハッピーエンドで終わって良かった。あとはあの二人が、その周囲の人々が幸せな未来を歩んだと信じたい。

    登場人物では稚羽矢と科戸王、伊吹王、鳥彦が好き。とくに鳥彦が現れると、どんなシリアスな場面でもほっとした。稚羽矢と狭也の掛け合いも好きだった。

    本当に綺麗な、面白い話。時間が取れた時にでも次のシリーズも購入して読みたい。読み終えてからふと思い返すと、感動がじわじわと来ていつの間にか本を手に取って好きな場面を読み返している。

  • 舞台は豊葦原を創造した神々が天地に分かれ、それぞれの末裔である輝と闇の氏族が争っていた時代。「闇」の姫として生まれながら「光」に焦がれる少女と、不死の「光」でありながら「闇」を夢見た少年が出会う古代ファンタジー。

    初めてこの本と出会ったのは中学生の頃。屋内で静かにしているよりも外で飛び回っている方が好きだった当時の自分にとって、図書館で借りたこの分厚い本を一週間で読み切ってしまったのは今でも驚き。

    児童文学というカテゴリーであっても、死生観や無常観が根底にあって大人が読んでも深い。自然の描写がとても綺麗。

    ジブリ作品みたいなところがあって、読むたびに新しい発見があるけど、そのたびに失くしてしまったものがあるように感じられる作品だと思う。

    • のんさん
      私も勾玉三部作には中学生の頃に出会いました。とても分厚い本を読むのはその時が初めてで読了できるか不安でしたが、一気に物語の世界に引き込まれて...
      私も勾玉三部作には中学生の頃に出会いました。とても分厚い本を読むのはその時が初めてで読了できるか不安でしたが、一気に物語の世界に引き込まれていき、読了できたことにきこさんのように今でも驚いています。そして、7年後の現在また、読み返しました。当時はわからなかった日本神話や古事記のことを知っている今だから内容がスーッと深く自然に私の中に入ってきました。恋の物語も心を振るわせるワンポイントだったけど、きこさんが仰るように、死生観や無常観がこの物語の一番のキーワードになっていますよね。

      死というものは儚いものだけど、死があるからこそ人は、痛みを分かち合うことができる。そして、命を頂くことに感謝して、日々を悔いなく生きることができるんですよね。昔の人は、そのことをちゃんとわかっていたんですよね。でも、今はそれが難しくなってきている。それを思い出させてくれる本でした。こんなにコメントを長々と書いてすみません。
      2018/02/28
  •  この小説は、日本神話を土台として描かれたファンタジー小説。光と影、輝の大御神と闇の女神。相対する2つの一族たち。そして、光を愛する闇の巫女姫と闇の女神の夢を見る輝の末子にして<大蛇の剣>の主。この二人の出会いが不思議な運命へと導いていく・・・・。
     
    光をこよなく愛しているのに闇の巫女姫だという現実をなかなか受けいることができない狭也。その狭也が進む道を咎めるので無く見守り、支え、狭也自身の思うままに進めるよう導いてくれる鳥彦。彼の存在があったからこそ、狭也はどんなに苦しんだり、悩んだとしても正しい道へ歩めたんだと思います。また、稚羽矢も最初は頼りない少年だったのにある出来事を境にいっきに男らしい姿に変わっていきました。でも、根本的なことは何も変わらないのが稚羽矢だと思ったりもして、微笑ましかったです。
     
    日本神話に関しては、多少の知識があったため「なるほどなぁ~」と思いながら読んでいましたが、これを機にもう少し詳しく知りたいと思いました。また、この本を読むのは2回目で、最初は中学生の時に読みました。当時は、難しい言葉に苦労しましたが、今はあまり苦労せず読めたことに感動を覚えています。

    また、この小説には、きこさんの言葉を(https://booklog.jp/users/kikoob/archives/1/4198931666)借りるなら死生観、無常観がキーワードになっていると思います。命というのは儚い。だからこそ、人は痛みを分かち合うことができる。そして、命を頂くことに感謝する。悔いが残らないように一生懸命生きるのだと私は思う。昔の人はそれがわかっていた。でも、今の人にはわからない。そのことをわからせてくれる小説だと思います。

  • ファンタジーって好きだけど、日本のファンタジーって読んだことなかった。古事記・日本書紀を元にして書かれたファンタジー。面白かった!

    神様たちのお話だけど、人間っぽくて好き。輝の大御神(男)なんて、闇の大御神(女)が好きだったけど、腐乱した状態を見て嫌いになった。でも闇の大御神が、自分より子どもたちのことを慈しむもんだから、嫉妬してる。赤ちゃんに嫉妬するお父さんだ(笑)

    光と闇。不死と黄泉がえり。天と地。男と女。

    いろんな相対するものが出てくる。それらをつなぐ、水の乙女と風の若子のお話。

  • 日本神話ファンタジー。

    不老不死の輝の氏族とよみがえりの闇の氏族の戦い。
    その戦いの鍵を握るのがまだまだ幼い二人だから失敗も多く手に汗握る展開が続く。
    時にはもどかしく、時には微笑ましくふたりの成長を見守る。岩姫様のような気分。
    実り豊かな田畑、季節毎に移りゆく木々、湧き出ずる清き水、限りある命を懸命に生きる人々、それらを守る為に闇は戦う。
    戦いには理由があり…だけどこれで本当にいいのかと狭也と一緒に悩む。
    運命に翻弄されながら狭也のたどり着いたのは…『土の器』。
    「人は戦いに慣れていく」胸に刺さる文だ。

  • 守り人シリーズや十二国記のように世界観が確立されていたので、ぐいぐいとのまれるように読み終えた。なかなか長い話ではあったが面白く次々と読み進めていったので長くは感じなかった。荻原さんの作品はRDG→西の~→勾玉と遡って読んでいるがこの作品が一番濃く感じた。しかし、文章や作品全体の雰囲気は「原点」だということが良く分かるものだった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      文庫になったから読もうと思いつつ未購入。ハードカバーも表紙デザインが抽象的で素晴しく(いとうひろし)、単行本も鮮やかなブルーが目を惹く(佐竹...
      文庫になったから読もうと思いつつ未購入。ハードカバーも表紙デザインが抽象的で素晴しく(いとうひろし)、単行本も鮮やかなブルーが目を惹く(佐竹美保)。ところで文庫は誰が描いたのかなぁ?、こちらも綺麗なブルーですが、私的には最初のいとうひろしが好み(佐竹美保のファンなんですが)。。。
      そんな理由で買いそびれてます。でも読みたい!
      2013/02/08
  • 現実逃避に最高!!
    月を見ると月代王を思い出す…
    後半出てくる鳥彦の「鳥がくちばしをはさめる問題じゃないもんな」に座布団1枚っ!w
    面白かった!

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著者プロフィール

荻原規子・東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー。以来、ファンタジー作家として活躍。著作に「RDG」シリーズ(角川書店)など。2006年、『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞・・JR賞、日本児童文学者協会賞を受賞。

「2017年 『RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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