白鳥異伝 下 (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198931858

作品紹介・あらすじ

嬰の勾玉の主・菅流に助けられ、各地で勾玉を守っていた"橘"の一族から次々に勾玉を譲り受けた遠子は、ついに嬰・生・暗・顕の四つの勾玉を連ねた、なにものにも死をもたらすという"玉の御統"の主となった。だが、呪われた剣を手にした小倶那と再会したとき、遠子の身に起こったことは…?ヤマトタケル伝説を下敷きに織り上げられた、壮大なファンタジー、いよいよ最高潮。

感想・レビュー・書評

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  • 意外な結末で驚いたが、大変面白い古代日本のヤマトタケルを題材にした大人版ファンタジーだった。
    「空色勾玉」の詳細を忘れてたため、連綿と続く歴史の機微を感じられなかったが、壮大なラブストーリーに大満足。

  • うーん。後半ちょっともたついたかな。

    うすうす感じてはいたのですが、わたしは遠子に好感を持てていなかったのです。
    ちょっとお子様すぎた。向こう見ずだったり、周りを振り回す身勝手さだったり。
    そういう遠子の行動を見守っているのが結構しんどかったです。

    結末はよかったのだけど、七掬にももう少し出てきて欲しかったし、大王にお咎めがなかったのもどうなの?と思いました。

  • 小倶那がすごく愛おしくてたまらない作品だった。生まれたときから何かしら試練があり死ぬことでしか解放されないというのはとても悲しかったが、最後に生き返って遠子とこれからを歩むことが出来て本当に良かった。ファンタジー作品であるから勾玉の超常現象に違和感はないが、何でも出来すぎて面白味を減らしてしまった気がする。今作も読みごたえ抜群だった。

  • 楽しい冒険活劇譚でした。駆け足で読んだせいか、なんだか最後あんまり感情が入りきらなかったんだけど。西へ東への大移動。前半の赤子誕生のシーンはなんだか感動したんだな。遠子の浮き沈み,成長がもどかしく切なく。最後の小倶那の出立を受け入れるところは胸詰まる。岩姫は5つの目の勾玉の存在とその結果を予見していたのかな?あとは菅流と象子もうまくいくんだろうねえ?
    七掬生きてて良かったー。ここでも大活躍だったなあ。
    百襲姫が怖すぎるね。けものになって夜な夜な襲ってくるとは。
    わかってはいたけど、安心のハッピーエンド。楽しませてもらいました。

  • 久しぶりに萩原さんの初期作勾玉シリーズを読み返した。
    やっぱり大好き萩原さん!!
    ザッ!日本ファンタジーと大声で合いの手を入れたくなるほど天晴れな日本ファンタジー!!
    上橋さんが独自の世界を作り上げて話を作るファンタジー作家なら萩原さんは日本に昔から伝わる話をベースに作り上げるファンタジー。ベースがあるからこそ、この話はでもファンタジーではなく昔に本当にあったのでは!?
    と言うワクワクも広がる。
    テンポよく進む話に登場人物みんな魅力的。
    主人公たちの幸せを心から願わずにはいられなくさせられる設定がなんともたまらない。
    やっぱり萩原さんの書く話は面白い!

  • 下巻は、最後読み終わるのが残念で早く読みたいのを我慢しながら読みました。
    それほどわくわくしました。

    269ページで小倶那の「遠子にもう一度会いたい。そのために生きていたい」

    そしてついに再開の323ページ。
    未来がないとわかっていても一緒にいたい。

    恋愛色強い日本ファンタジー。
    いいです。この感じ。

    やっぱり遠子が一番のお気に入り人物です。
    相手を思い、芯がしっかりしていて一生懸命。絶対助けたくなる。

    小さいころの男の子は、いつも女の子に助けられていたけど、大きくなって男の子が女の子を守る。
    ずーっとお互いに相手のことを考えていて、かけがえのない人だったことに気づくという典型的な要素を日本書紀、古事記の話に例え勾玉の力も興味ありました。

    時間が空いたときにすぐ本を開いて読んでいました。

    もう一度、日本書紀・古事記を勉強しようなか。

    荻原規子の作品では一番好きですね。
    尊敬する友達からいただき、忘れられない大切な本となりました。

    • 9nanokaさん
      私もこの本が荻原規子作で一番好きです。
      私も早く読み進めたいのを、我慢しながら読みました(^^)
      破滅に向かってる感がまた、どきどきする...
      私もこの本が荻原規子作で一番好きです。
      私も早く読み進めたいのを、我慢しながら読みました(^^)
      破滅に向かってる感がまた、どきどきするんですよね…
      komoroさんの、小さいころの男の子は…の部分、納得です!そういう男の子、大好きです笑。
      2015/05/31
  • 夜を徹して読んでしまった。
    まさかこんなに会えないとは。2人とも愛らしかった。

    • komoroさん
      夜を徹して読んでいたんですね。かわいい。
      本当にファンタジー好きな女の子だね。
      でも、最後に小さいころの二人に戻れてよかったね。
      昔の...
      夜を徹して読んでいたんですね。かわいい。
      本当にファンタジー好きな女の子だね。
      でも、最後に小さいころの二人に戻れてよかったね。
      昔の二人に戻れるってとても素敵なこと。
      なんか少女コミックにような純粋な恋愛小説的な要素もあってこういう本結構好きです。

      中国に来て初めて読んだ本。
      9nanokaさん、素敵な本をプレゼントしてくれてありがとう。
      この本がなかったら辛かったであろう中国生活のスタート。救われました。一生心に残る本になりました。
      ありがとうね。9nanoka。
      2015/06/01
  • 上巻を読んでから忙しくなってしまったので、少しずつ読み進めた。一気に読んだ方が盛り上がって面白かっただろうな…と思う。

    ラストは「ちょっと大団円すぎるかな?」と思う位の大団円で読後感がとてもよかった。
    最後の方の展開も意外性があったし、何よりもキャラがいい。

    荻原さんの書く「積極的な少女」は時折独善的な感じがして思考についていけない事があるのだけど、遠子はバランスがよくて好き。最後小倶那の意志を尊重した所がとてもよかった。小倶那も菅流もキャラが立っていてカッコ良い。

    お話もキャラもとてもよい作品。

  • 上巻を読み終えてから2か月読書できなくて、ようやく時間が出来たため今回一気に読み終えた。

    勾玉の不思議さ、それが伝わって神具として使われていた古代日本に思いを馳せるきっかけになった。
    博物館にも結構の数が展示されている、ほとんどが緑色のそれが中心となって動いていく。

    物語の感想としては、色んな人が究極すぎてひたむきすぎて、進むほどに凄まじい展開がやってくるから読む手が止まらなかったというのが本当のところ(笑)

    小俱那と遠子の恋が赤い実弾けたどころじゃなかった。こんなに人を好きになったことがないかもしれない。受け入れるって大事なことだけれど、本当に難しいこと。
    小俱那はただただ愛しく思えたし、遠子の成長ぶりも圧巻。
    母親の愛というか、百襲姫が息子に抱く想いというか、それも唖然としてしまうくらいの執着さも凄まじい。極端と極端と極端が、色んな場面、色んな感情でぶつかり合っている感じ。
    それでも小俱那と遠子の心境が細やかに書いてあって、それぞれの場面でそれぞれに共感して、これからどうなっていくんだろうとわくわくしながらページをめくった。

    そして最後の「いやこれでは終わらないだろう」と思ったところでのキリストのような彼の復活には、良かった良かったと手を叩きたい気分になる。微笑ましい最後で良かった。

    菅流が離れていってしまうのは悲しいけれど、皆がそれぞれの地で自分たちを生きていくのだと考えると自然とほっこり幸せな気分になれる。
    別れていった皆のこれからをそれぞれの視点で読んでみたかったというのが、この本を読み終えてからの一番の本音だったりする。

  • 半分ほど読み進んだところで、上下巻を間違えて読み始めていることに気づいた一冊(笑)。
    出だしがやや唐突な気がしたけど、そんなに違和感なく読めたのが不思議w

    共鳴するように惹かれあうのに、様々な苦難が二人の幸せを阻む。
    その最たる相手が小倶那の実の母親で、死して尚その執着心を強め、小倶那に纏わりつく!
    それは最早、母親の愛でも何でもなく、単なる女の執念の様なモノに成り果てたその姿は、酷く醜く、哀れで、不快だった。

    こんなモノの為に小倶那は死を選ばねばならないのか!?

    そう思うと、作者に怒りを覚えそうになったが、おかげで、最後にちゃんとハッピーエンドが訪れた時には心底嬉しくなった^^

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著者プロフィール

荻原規子・東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー。以来、ファンタジー作家として活躍。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞(JR賞)、日本児童文学者協会賞を受賞。著作に「西の良き魔女」シリーズ、「RDGレッドデータガール」シリーズ(KADOKAWA)『あまねく神竜住まう国』(徳間書店)「荻原規子の源氏物語」完訳シリーズ(理論社)、他多数。

「2021年 『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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