カミングアウト (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 872
感想 : 110
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198933074

作品紹介・あらすじ

心の中に抱えた秘密。言ってしまったら取り返しのつかなくなるような言葉。いまなら、言えるんじゃないのか-。コインロッカーに衣装を預けて複数人格を楽しむ17歳の女子高生さちみ。ロリィタ服趣味をひた隠しにしつつそろそろ結婚もしたい、プチお局の29歳OLリョウコ。"それ"をカミングアウトしたとき、自分は、周囲は、どう変わる?ストレス解消、すっきりエンタメ。

感想・レビュー・書評

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  • 心の中秘密を抱えた人たちの話。

    すっきりエンタメというけれど、こういったお話ってモヤモヤがマイナスに振りきってからラストでフラットに戻るだけなので、個人的にはあまりスッキリしないんですよね。
    最近よくある「スカッと○○」とか「ざまぁ系」とかもそうなんですけど。
    でも、登場人物は皆いい方向へ向かったようで良かったです。

    個々の話だと、唯一の男性視点の話、『骨が水になるとき』が良かったです。
    骨って時間がたつと水になってしまうって本当なんでしょうか。人間水から生まれて水に還る運命なのか……。

    高殿円さんの本は、学生時代に読んだライトノベル以来久しぶりでした。

    秘密を打ち明ける話はこんなのも
    →『誰にも言えない』 (集英社オレンジ文庫)/丸木文華

  • 通勤電車の中でポスターを見かけて、
    あまりに可愛い表紙に惹かれて、また得意の表紙買い。
    「カミングアウト」という、何やらスッキリしそうなタイトルもいい。

    しかし終盤までは、カミングアウトという言葉の爽快さには程遠い、
    それぞれにもやもやと秘密を抱えた人達が登場します。

    援交している母親と不仲の女子高生、ロリィタ好きのOL、
    独身貴族の課長、虎視眈々となにかを企む主婦…。

    みんな私とかけ離れた人ではあるのだけれど、
    どこか共感するところがあります。
    そしてきっとそれは私だけじゃないんだと思います。

    秘密のない人なんていない。
    「こうあるべき」という「神話」に
    振り回されている人も、少なくないはずです。

    「カミングアウト」というタイトルと矛盾するようではあるけれど、
    カミングアウトを肯定・推奨するだけではありません。
    最終的にそこに見えてくる結末が私は大好きです。

    「明日も、ちょっとだけがんばろう」と思えます。

  • 「トッカン!」シリーズの高殿円氏の作品。カミングアウトする部分が面白かった。特にゴスロリ趣味で悩むOL亮子と定年退職する夫に一発かます老主婦初恵のカミングアウトはやりすぎかもしれないが、思わず笑ってしまった。主に女性の登場人物が多いが読んでいて共感できる部分は多かった。この方、色々と多彩な物語を書かれるので今後チェックしていきたいと思う。

  • 書店店員が選ぶNO1らしい。一気読みしたけど、ストーリーに共感できないし、スッキリもしない。
    文体もストーリーも軽いので、ライトにパパッと読みたい人向けかと。

  • ショートストーリがいくつもあり、
    それぞれの主人公たちは、人に言えない悩みや秘密を抱えている。

    ロリィタファッションが好きな29歳OLや、旦那の定年を機に離婚届を突きつけようとしている主婦、旦那にもう一度女として見てもらいたい主婦などなど

    悩みの大小はあれど、
    他人にあれこれ人の生き方を言われたくないもんだと思う瞬間が度々ある。

    登場人物たちが絡み合いながら大きな物語のうねりとなる作風が面白かった。

    人生って悩ましくて難しい…

  • 自分を嫌いで、新たな人格の自分を作り出すためファッションやメイクを変え、援助交際をしながら、大人になる為の資金繰りをする女子高生。

    独身、実家暮らしで、趣味はロリータファッション、周囲は着実に寿退社し、気付けばプチお局様になる仕事は出来るOL三十路手前。

    短大を卒業し、働かずすぐに結婚し、子供二人の四十路手前。良き妻としてあろうとし、子供が高校生を卒業し、子育てに翻弄していたが、子が生まれて以来性交渉がなくなって
    いた夫へ、自ら誘うも拒否をされる。子供からは子離れできない母親として失格と突き放され、夫からは女として突き放される。

    五十路手前、結婚歴なし、サラリーマン課長男性。自らの余生を案じ、墓の購入を検討する。

    「風呂、飯、寝る」の前時代的な夫に献身的に専業主婦として44年間を捧げるが、夫の定年を迎える10年前から復讐を誓う60代淑女。

    そして、エピローグ。
    六編の章が絡み合う人間模様。
    装丁のせいで随分と軽い印象があるけども、その実、各編を繋ぐキーワードは「神話」
    多少、青臭いけども、割と好きな一冊でした。

  • 本屋のポップがべた褒めだっただけに、
    読んだとき普通で残念。
    全然、爽快感もない。

  • スカッとします。

    誰だって言えない秘密とか、打ち明けられない悩みはあるものね。
    そんなのありえる!?って物語とかもあったけど、
    あんだかやたら共感できる悩みとかもあって、
    けっこう泣いてしまったよね。

    打ち明けることですっきりはしても、
    最終的に解決するのは自分だから、
    自分の心を軽くしてあげられるのは自分だからさ。

  • 20130306
    この人の本初めて読んだけど、なんか文章が子供っぽい。
    ラノベのような。
    これなら、本じゃなくてマンガでやれば良いと思う。
    あんますっきりしない。
    駅ナカ本屋大賞だかなんだか、受賞してたのに。。。

  • 心の中に抱えた秘密。いまなら、言えるんじゃないのかー。

    最後まで読んでスッキリ☆
    どの話も面白いけど、サチミの話の中の『誰が作ったのかわからない神話』のところが好きです。

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著者プロフィール

1976年兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。主な著作に「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』、『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、『マル合の下僕』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』、『主君 井伊の赤鬼・直政伝』(文藝春秋)など。2013年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。

「2023年 『忘らるる物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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