殺人者(ソウル・マダー) (【徳間文庫】)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198935092

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  • 死体に残されていた「殺人者には死を!」のメッセージ。
    では、物語に登場する殺人者とは誰なのだろうか。
    「魂の殺人」という言葉が物語中で使われ、虐待とはどういうものなのかという説明がされている。
    幼い頃の経験や記憶は、その後の人生に大きな影響を与え、傷跡は容易には癒えないだろう。
    辛い過去を乗り越えてきた人。
    乗り越えようとして力尽きた人。
    乗り越えられずに今も囚われたままの人。
    そして、耐え切れずに壊れてしまう人。

    誰もが被害者だ。
    ずっと虐待にからむ事件が起きるたびに不思議だったことがある。
    児童保護施設に預けられていた子どもを、何度も交渉しようやく取り戻す。
    そして、時を経ずに虐待の果てに我が子の命を奪ってしまう。
    まるで殺すために取り戻したかのように・・・。
    なぜこんなことが起きるのだろう。
    誰もが幸せになりたいはずだ。
    そして、それは子どもであっても同じだと思う。
    子どもの頃の世界は狭い。
    親は絶対的な存在で、「愛してほしい」という子どもの思いは純粋だ。
    純粋な目を曇らせてしまうのが大人だとしたら、守ってやることが出来るのも大人だけだ。
    虐待の連鎖はどこかで止めなくてはならない。
    間違った正義感。
    歪んだ愛情。
    子どもを所有物のように感じてしまう過ち。
    メッセージ性の強いミステリーだった。

  • 児童虐待をしていた人が、連続して殺される。
    途中までは、誰の犯行なのか?
    気になり読み進められたけど、犯人がわかってからは、殺人の動機が理解できない。
    なんとなく違和感が残りスッキリしない話

  • なかなか面白かった。
    そして痛みの物語である。

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著者プロフィール

1943年東京都生まれ。東京大学理学部卒。82年『ハーメルンの笛を聴け』で第28回江戸川乱歩賞候補。85年『殺人ウイルスを追え』で第3回サントリーミステリー大賞佳作。〈壮&美緒シリーズ〉に代表されるトラベルミステリー、『自白の風景』『黙秘』『審判』『目撃』『無罪』などの法廷ミステリー、『「法隆寺の謎」殺人事件』『人麻呂の悲劇』などの歴史ミステリーにも定評がある。

「2023年 『殺人者 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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