- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198936938
作品紹介・あらすじ
ITバブル華やかなりし1999年、渋谷。天才プログラマー・堀井健史率いる"チームAKKA"はベンチャー企業をたくみに騙し、資産の一部を中抜きにしていた。彼らの最終目的は過去に遺恨を持つLIGHT通信社の乗っ取り。だが相手は時価総額5兆円、日本を代表するIT業界の雄だ。史上最大の下告上。堀井が繰り出す秘策とは。前作『拝金』に続き、ホリエモンが放つ青春経済小説第2弾。
感想・レビュー・書評
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本書は前作「拝金」に続く著者2作目の小説である。時代背景は拝金より前のものとなっており、今回も光通信やソフトバンクといった実在のモデルを背景に虚構を混ぜ面白く読みやすい内容だった。
今作は前作の影の立役者だった「オッサン」こと堀井健史が主人公となっておりその内容は繋がりがある。拝金・成金どちらを先に読んでも楽しめる内容となっているが、繰り返し読むのがいい。自分も数年前に両作読んで今回2回目となる。
本書は拝金よりも人間性に焦点があてられておりどの人物も個性豊かで興味深い内容となっている。
とにかく一度読んでみるのが一興かと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
金持ちになるということは改めて人間くさいというか、世間が言う安定とはちがって刺激にあふれてると思わされる小説。やっぱり刺激的。
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強力なカリスマをトップにしたピラミッド型の組織はいわば正規軍の強さといっていい。統一された一糸乱れぬ軍隊に正面からぶつかれば、手もなくつぶされる。正規軍に対抗する唯一の方法はゲリラ戦だけ。誰が敵なのかか、どこから攻撃しているのか、組織がでかければデカいほど対応できなくなる。
金になるから価値があるのか?値段を付けらえることではなく、値段をつける側になることの方がずいぶんとまし。
本当の価値とは誰からも値段をつけられないこと。
成金は責めるんだよ、どんな時でも。負けそうだから、相手に食われそうだからといって決して逃げたりはしない。ひたすら前に進むしかないからだ。敵陣に突っ込むしかないからだ。相手にすればこれ以上の脅威はない。 -
20131228
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前作「拝金」のオッサンがいかにして、オッサンになったか、その背景が語られている。
あとがきにもあるように、本作を読んでから前作を読んでみると面白いかもしれない。 -
「拝金」が面白かったので読んでみた。「拝金」のオッサンが、「成金」の若者=主人公なのですね。こういう、裏をかいて裏をかいて、て言う物語は好きです。本格金融小説ほどには細かく書き切らずに読みやすい。しかし読む者の知的欲求は程々に満たしてくれる程度の情報は入っている。そして一気に読みきれるスピード感がありました。あー、面白かった。
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ホリエモンの小説ということで見くびっていたが、予想以上に面白かった。
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舞台は1999年の渋谷。「ITベンチャー」というものの黎明期を渦中にいた筆者が描く青春経済小説。彼らのぎらぎらした姿を自分にも取り入れたい今日この頃です。
この小説はあの当時ITバブルの渦中にいた堀江貴文さんによる『拝金』の物語が始まる前の1999年の渋谷に舞台はさかのぼります。アジトと名づけられた今はなき東大駒場寮の一室に集まったPCオタク、元カリスマ青年実業家、女子大生…と個性的な面々が集う“チーム・AKKA”。彼らは後に「拝金」で「オッサン」と呼ばれる天才プログラマー・堀井健史の指揮の下に新興のベンチャー企業のトップを篭絡してその資産を中抜きするところから物語が始まります。
そんな彼らの最終目標はITベンチャーの雄ともてはやされ、モデルを類推すると「あぁ、あの会社ね」と簡単に予想がつく株式会社LIGTH通信の乗っ取りです。携帯電話の販売代理店事業を全国展開し、創業10年あまりで時価総額5兆円の大企業へと登りつめた、という設定はあのころの空気をビビッドに感じることができてすごくためになりました。そのほかにも登場人物のモデルとなった人間がああ、あの人か。とおもうと物語がすごく頭に入ってきました。
堀井たちが戦いを仕掛ける姿もスリリングですが、僕が見た限りでは「その後」の展開の方が面白く読めました。そして、戦いのキーマンになっている鮫島という男の不気味さにも魅入られてしまいました。モデルはあえてここでは書きませんが「あの男」です。そう考えてみるとあの容貌の中にどれだけの鋭利さが隠されているのかと、空恐ろしさを感じずにはいられませんでした。
「小説でしか書けない真実がある」
とあとがきで彼はそう書いていますけれど、それは僕も同意します。これの時代のことは、ノンフィクションではまだ無理でしょう。しかし、彼らのがむしゃらな姿勢の中に、もういちど私たちが立ち直るヒントが隠されているのではないのだろうか?そんな気がしてなりません。