ロンツーは終わらない (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 31
感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (425ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198937201

作品紹介・あらすじ

頑なで孤独な中年・岩山は、バイクでロングツーリング中の青森で自傷癖のある歯科大生・斗児を拾ってしまった。代々歯科医院の家から逃れ、なんとしても東京駅に向かおうとする斗児に父の追手が迫る。青森、岩手、宮城、福島、茨城-あらゆる移動手段で奇妙な逃走劇を繰り広げるうち、岩山の胸に、封印していた亡父との残酷な過去が甦ってきた…。親子とは何かを問いかける入魂作。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルはロンツーなので、バイクの話しのはずですが、途中からバイクの話は全然出てきません。

    主人公岩山と父親の間に葛藤があるということを引っ張っていますが、結局煽ったわりには。。。という感じです。

    あと、追っ手の話しが若干チープかと。
    素材はいい気がするので、もう少し改善の余地があるのではないかと思いました。

  • 青森から東京までのロードノベルです。一人でロングツーリングを楽しむハズだった岩村は、たまたま出会った学生の斗児を東京駅まで連れていくはめになってしまう。事情を抱えた斗児を連れ戻そうとする人々や、途中で出会う土地の人たちとの関わりの中で、斗児だけでなく岩村自身も、父親との関係を考えることになる…。
    ロードノベルは旅の出来事と人生を重ね合わせて人間の成長を描くものですが、この作品では特に父と息子について、が主になります。岩村が途中で突っ込みをいれるほど、とにかく色んな父と息子が出てくる。岩村と斗児の関係も、かなり親子に近いように感じます。言葉にしてしまうとなんだか陳腐なんですが、つまりはそうなんだろうなと。聖書の「放蕩息子」の解釈は、その話が出てくるときには釈然としなかったけれど、最後まで読み終わってみると納得が行く。私自身が息子として扱ってほしかった時期もあるので、そういう関係は羨ましいなと思ったり。
    短気で常にイライラしていても旅慣れしている岩村なら何とかしてくれるだろうという安心感があり、その分個々の出来事に集中して読めます。雑学的なものから、龍野兄弟の外れっぷり、そして旅先の風景。この作品が出版された数週間後にに東日本大震災が起きたそうで、どんなにこの作品が気に入って同じ行程を辿りたいと思っても、もう失われてしまったところもあるし、いまだに立ち入りすらできない場所もあるそうです。でも、その場所にあったであろう風景、そこにいたであろう人々を想像できる。そこにもこの作品の価値があると思います。

  • ロングツーリングで青森に来ていた一匹狼の主人公、ヒッチハイクで東京から青森に来ていた休学中の大学生。
    東北の各地を巡りながら共に東京駅を目指す作品。

    とある事情から追っ手に追われる大学生も追っ手も主人公も、共通点は父親との確執。

    旅先で出会う人たちや主人公との会話から少しずつ自分の進むべき道を明確にし、それに伴う周囲への影響を理解する大学生。
    その大学生を厳しく導きつつも、同時に自らの父親との確執に向き合う主人公。

    どの登場人物も現実味のある悩みや過去を抱えており、親近感のような感覚を覚えながら読むことができます。


    父親と息子はどうあるべきか、父親はその時が来たら何を思うのか。

    やはり自分の父親を念頭に読み進めました。

    私が幼い頃から「東京に行け、大学に行け、地元には戻ってくるな」と言い続けていた父親ですが、今思うとこれは本当にありがたかった。

    今でも「地元には帰ってくるな」と言われますが、9年も東京にいれば彼の真意を理解できる程には私も成長できました。
    私の場合は大学4年間を東京で過ごせたことが大きかった。


    ひさしぶりに自信を持って中学生に紹介できる作品に出会えました。

  • ロードムービー小説版!?
    主人公がたまたま知り合った青年とその父親との関係を通して、自分の父との関係を心の中で整理していく物語。実在のサービスエリアや駅などが出てきて、馴染みやすいと思う。しかし、ラストが予想を覆うものではなかったからか、途中の話の展開や設定に結構無理がある印象が残った。

  • 東北地方を舞台に親子とは何か、大人の男になることの難しさを考えさせられるなかなか面白いロード小説。

    バイクでツーリング中の岩山は青森でワケありの歯科大生・斗児を拾う。しかし、斗児を執拗につけ狙う龍野兄弟の出現に岩山と斗児は東京駅を目指し…

    物語には東北自動車道の馴染みのあるPAやICが登場するが、いずれもかなり正解に描かれているのに驚いた。また、前半の主要舞台になる栗原市のくりこま高原駅の周辺も克明に描かれており、実際に作者が取材に足を運んだのだろう。

    山田深夜さんの作品との最初の出会いは『千マイルブルース』で、これがまた非常に面白く、『電車屋赤城』も続けて読んだ。この作品は『千マイルブルース』と『電車屋赤城』の系譜の作品であるようだ。

    この作品にも赤城という名のトラッカーが登場するが、作者の遊び心なのだろうか。

    作者のあとがきを読むと、この作品が最初に単行本で出た三週間後に東日本大震災があり、この作品に登場する東北の街も大きな被害を受けたとのこと。そのため、作者がこの作品に寄せる想いもひときわ強くなったようだ。

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著者プロフィール

1961年福島県須賀川市生まれ。地元の高校を卒業後、神奈川県横須賀市で私鉄職員として約20年勤務。1999年7月、文筆業に専念するために退職。バイク雑誌各誌に小説を発表。著書に『ロンツーは終わらない』『千マイルブルース』『横須賀Dブルース』などがある。

「2011年 『電車屋赤城』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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