- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198937751
感想・レビュー・書評
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竜宮ホテル、クリスマスのお話。
いつも通り心温まる。けれど、その中に少しひやっとするような生きていると必ずある誰かの闇に触れる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前作と同じく暖かで可愛らしい話ではあるものの、大きな展開が無いためにただそれだけになってしまっていて読みごたえが薄い。
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あやかしを見ることができる目を持つ作家、水守響呼が暮らす、優しい人ばかりが集うクラシックホテル「竜宮ホテル」を舞台にしたファンタジー、二作目にあたる。
クリスマスが描かれた世界は一作目同様きらきらと美しいものばかりでできていて人は善意に包まれていてどうにも非現実的な気持ちにひねくれた自分はなってしまう。 -
前作に引き続き、ふんわり優しくて、暖かい。でも少し寂しさもあるような素敵な作品でした。
クリスマスの時期に読みたかったな、と思います。
愛理を束縛する母親の生き霊の問題が解決されるかな、と思ったらされなかったのでそこだけ少しもやもや。 -
サンタクロースを妖怪呼ばわりとか、トリモチで捕まえようとか、発想がすばらしい。本書のメインとも言える死神の箱の話は、前振りが長い割に解決編があっさりで少し肩すかしでしたが、お話そのものはよかったです。
全体としては波乱の少ない、落ち着いた巻だったと思います。 -
“受話器を置きながら、つい笑顔でくるりと踊るように身を翻すと、愛理、ひなぎく、満ちる先生の三人が、なぜだかにこにこと楽しそうに笑ってこちらを見つめていた。
ひなぎくが、
「寅彦お兄様ですよね?」と訊いた。
「パーティにいらっしゃるんですか?」
「え、うん。いらっしゃるんですって」
なぜだかどぎまぎとして、顔が赤くなる。
「ええっと、そろそろ移動した方がいいのかな、って……思うんですけど」
ですね、そうですね、と三人とも笑っている。なんで笑うのかなあ?なんだかなあ。”[P.43]
満ちる先生かと思ったら愛理ちゃんでした。
ことりちゃんの話良かったです。
“『ことりん、ひとが笑ってるのと楽しそうにしてるの、見るのが好きだったから、みんなが笑ってくれるなら楽しかったし、ことりんがこの世界に生きていることに、意味があるんだなって思えたんだよ』
「笑ってくれなくても」わたしはいった。
「別に誰も笑ってくれなくても、ことりさんはこの地上にいて、よかったんだと思いますよ。この世界に誰かが生きていることに、誰の許可も必要なんてないんですから」
ことりは泣きそうな目をした。唇をきゅっとかみしめて、それから笑った。
「ありがとう。響呼先生、だいすき」
ふんわりと小鳥のように舞い上がり、うしろからわたしの肩に抱きついた。そうしても、幽霊の彼女にはもう重さも、ふれる腕もない。ただ、温かな花の香りのそよ風邪が吹き寄せたような、そんな感じがした。”[P.197] -
最高に素敵なクリスマス・ストーリーだった。
竜宮ホテル、行ってみたい! -
第一話 死神の箱/第二話 雪の歌 星の声/エピローグ 魔法の夜
優しい人達の世界にも苦しい事や哀しい事があって、それでも優しい心を前面に持ち続けられる人が本当に優しい人なのかもしれない。
「みんながみんな、幸せならいいなあ、と。」
ふとした時にそう思える自分でいたいなぁ -
待望の竜宮ホテルシリーズ第2巻。
今作からの新キャラたちがまたいい味を出してる。
羽根つきペルシャ猫のペルさんがかわいい。本当に愛理のことが好きなんだなぁ。
そして相変わらずひなぎくちゃんがかわいい。
個人的にすごく意外だったのが、響呼さんの恋愛事情。
そっち方面で進展があるとはまったく思っていなかったので、へえぇー、そ、そうだったのか……! と衝撃だった。でも自然な組み合わせだよね、うん。
残念だったのは、誤植があったこと。
“エピローグ 魔法の夜”でひなぎくがひまわりになっているページがあって、ひまわりって誰? と一瞬本気で考えてしまった。