猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷(あしのはらしきょう)

  • 徳間書店 (2014年4月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198938208

みんなの感想まとめ

人と妖の境界が曖昧な村を舞台に、妻が突然猫になってしまうという不思議な物語が展開されます。主人公の和弥は、妻の変化を受け入れながら、周囲の人々と共に静かな日常を過ごします。この作品は、柳田国男や水木し...

感想・レビュー・書評

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  • あの世と浮き世の境にある村。その村人達が目立つ訳でもなく、かと言って他の日本人に認められない訳でもなく静かに妖(あやかし)を祓うお話。日本のどこかにあって欲しい村。いや、あるね。きっと。こういう柳田国男とか水木しげるとか民話のような話はやはり日本人にはしっくり来ます。いや、しかし、最近猫の表紙の本ばかり読んでる(笑)

  • ある日突然妻が猫になっていたΦωΦ

    人に厄災をもたらすモノを祓う一族の話
    妻が猫になってもああそうかと受け入れる和弥や周りの人達
    曖昧模糊としたモノで多分そうかな?と推測するのも楽しい
    こういうのも好き(*´꒳`*)
    静かでゆったりとして暖かい雰囲気の話でした

  • 猫と妻と暮らすオッサン(?)のエッセイか何かだと思ったんですよね。
    全然違いました。

    不思議系・・・・イキナリ唐突に、主人公が帰宅したら妻が「猫」になっちゃってんの。喋れるわけじゃなくて、本当に、猫。
    妖怪・・・とも違うんだけど・・この世とあの世の境・・・んー、遠野物語?不気味さのない恒川光太郎?みたいな。
    個人的には好き系ですが、インパクトが弱いというか、あまり作りこまれてない感じです。本の背景、詳細設定がない・・・不気味さがない分、ちょっと平坦な感じがします。
    でも(何度も繰り返しますが)個人的に好き系な分野なので、この方が描いたほかの本を見つけたら、きっとまた読むと思います。

  • 何とも不思議な内容の本でした。

    この本と出合ったのも偶然。たまたまブクログの新刊案内を見ていたら、猫の表紙が目にとまり、タイトルに惹かれて…その時には購入しなかったものの、後日他の本とまとめて手に入れて。
    あらずじを見て購入を決意したんですが、実際に読んでみると、そのあらすじから受けた印象と文章の乖離がはなはだしく、最初の感想は「なんだこれ?」というようなものでした。

    このお話は、とにかく…whyとか、whatとか、howとか、そういうものにほとんど答えが与えられません。
    読者は、必ずwhat is it?と感じるはずですが、作者はその問いのほとんどに it is it としか提示しません。とにかくそれが最初から最後まで続きます。

    代表的なものが、読み始めからすぐに妻が猫になり「なぜそうなったのか」を究明するでもなく「そういうものか」で話が進んでいくことでしょうか。

    あらすじでは主人公が「人に災厄をもたらすモノを、祓うことが出来る」「様々な禍に立ち向かっていく」なんて書いてあります。確かにその通りなんですが…その文章からアクションやバトル的な、あるいは「陰陽師」のような活躍を想像すると、全然そんな内容ではありません。
    主人公ができることがあれば、それは誰に頼まれておらずとも、できることをするだけ。できるからやる、というだけの世界。奇妙なことがあっても、そういうふうにあるからあるだけ、という世界。
    災厄の意味等も一切説明されず、祓う方法も一切説明されず。ただ、そういうものだ、という。


    読み始めてすぐに面食らいました。
    でも、読み進めていくと惹きこまれます。
    意味ありげな文章や名詞がたくさん出てきます。
    「ラップ」ではなく、「和歌」的な韻をふむ言葉もたくさん出てきます。
    が、それらの説明は全くありません。

    面白いと感じられる人と、受けつけない人に分かれる作品ではないでしょうか。

  • 家に帰ると妻が猫になっていた、っていう設定からしてじわじわ来る。しかも妻が猫になったことを認めるまでが、1ページとちょっと。淡々とあるがままに受け入れてる。
    次々に現れる怪異を鎮めていく話なんですが、派手なところはなく、静かにあるがままに受け入れて為すべきこと為す。そんな静かな物語でした。くどくどと説明がないことを良しとするか物足りないと感じるか。私は良しと感じました。

  • 猫が登場する物語を探していて辿り着いた。
    物語に盛り上がりは全くないのだけれど、兎に角私の好きな世界観だった。
    蘆野原出身の長筋である和野和弥と事の見立てをする美津濃泉水の関係性が、陰陽師の安倍晴明と博雅の関係性を思い出す。
    しかし陰陽師ほど生々しい怪異が起こる訳ではなく、淡々と事を為していく様が爽やかだった。
    猫好きな作者さんの目線も好ましかった。
    全てをあるがままに受け止めていく、そして自分の宿業を粛々と成し遂げていく生き方も良い。
    韻を踏む呪文も面白い。
    こうしてどこかで誰かが知らない間に災厄を祓ってこの世が回っている事を想像すると、何だかとてもありがたいなと思う。

    『書物の中にだけ存在する〈よみのくに〉への門。蘆野原は、あの世とこの世を繋ぐ境目にある土地。 そこに住む人たちは、神様と言葉を交わす。』
    とある様に、「蘆野原」は古事記の『豊葦原の中つ国=高天原と黄泉国の間である地上』を意識して
    付けられた名前なのだろ。

  • なんかよくわからないけれど、好き。
    本当にその一言に尽きる。

    好きな理由がわからないんじゃなくて、
    話の設定も、裏側も、何者なのかも、全てがわからない。
    兎に角謎ばかりなのに、
    主人公が猫になった妻をあっさりと受け入れたのと同じくらい、
    淡々とした調子でわからないまま話が進んでいくのを
    受け止めてました(笑)
    多分、主人公の無頓着さ(いい意味で)やそこに起因する描写の数々が
    そうさせてるんだろうな……

    とても好きなんだけど、
    やっぱり作者の思い描く世界観をもっと知りたかったな
    っていう矛盾した思いから、☆は4つ。

  • 面白かった。私のツボに強烈にハマった。

  • 時代は戦前かな。猫になってしまう妻と不思議なお話の短編連作。波乱なのだろうが、穏やかで温かい世界。

  • ある日突然妻が猫になっていた場面からはじまり、その猫に手助けされながら災厄を祓う物語。
    猫や幻想的な雰囲気が好きな私にはぴったりの作品でした。

  • 一言でいえば、悪霊的なものを祓う現代に生きる祈祷師のような一族の話でしょうか。
    恩田陸氏の常野物語シリーズに似た印象です。
    細かく描写せずに雰囲気で済ませるところ、不思議な韻を踏む呪文の美しさ、全てをあるがままに受け入れる物静かな大らかさなど、日本的なところが好みです。この呪文は恐らく小路氏のオリジナルでしょうが、言葉のキレに類い稀なセンスを感じます。

  • 恩田陸さんの常野物語をちょっと思い出しました。
    悪いものを祓う力を持った地域の出の主人公の妻がある日猫になってしまう。
    そしてそこにある日子猫の多美も加わってのんびりとお話が進んでいく感じです。
    悪いものを祓いながらものんびりしたお話です。

  • 大正末から昭和の初めくらいの時代設定だろうか。最初は理解できなかったが、進むにつれてなんとなく色々と分かってくる(分からないこともある)。淡々と進むとこが良い感じだった。細かい設定はあるが、陰陽師的な主人公が穢れ的なものを祓う的なことをしたり、季節を楽しんだり、妻が猫になったり、猫の家族が増えたり。にゃーん

  • こういう話は理屈抜きでなんか好き。

  • バンドワゴンや花咲シリーズと違っての異次元もの。日本の民俗学的世界を淡々と描く。猫に変身もそのまま請けいる。淡々という感じである。「猫ヲ探ス夢」が続編というか次の世代のはなしとなる。

  • あるがままにあって、なるようになす。
    澱まないように、流れる如く生きている彼らの生き方が、すこし羨ましく感じた。

  • ある日、帰宅すると、妻が猫になっていた。。。

    などという、不思議な物語です。


    ある特殊な能力を持つ一族の生まれで、

    災いを祓う事が出来る力を持つ、和弥が、

    親友や、妻と共に、人に災いをもたらすモノを退治していく。

    陰陽師のような感じかな?

    この物語りのなんともいえぬ、世界観が好きです。

    シリーズ化して欲しい。。。



    我が家でも、ある日帰宅すると、

    「夫が猫になっていた」。。。

    なんてことが起こったら、ちょっと嬉しいのだけどな。。。

  • 人に害をなす「事」を昔から祓ってきた一族の話。

    詳しい説明がないまま淡々と話が進んでいき、後半でようやく色々な事が分かるけど、いきなり数年経っていたりして話に乗りにくかったです。

    各話は短いし、詳しくは分からないけどめでたしめでたし的に終わるので読みやすいです。

    蟲師を思い出しました。

  • ちょっと変わった陰陽師みたいな事を大学で教えながらおこなっている主人公と、その相棒。優しい奥さんも出てきて、ミミズクとオリーブみたいな話なのかと思いきや、奥さんは猫になっちゃうし、短い話でテンポよく進んでいきます。ただ盛り上がりには欠けますが。

  • 物語の基礎となる世界観が理解できていないので、ふわっとした読み心地でした。ずっと、なんで?という感じです。

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著者プロフィール

一九六一年旭川市生まれ。札幌の広告制作会社に14年勤務。退社後執筆活動へ。
二〇〇三年『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』(講談社)でデビュー。著書に『HEARTBEAT』(東京創元社)、『東京公園』(新潮社)、『東京バンドワゴン』シリーズ(集英社)など。ほかに『うたうひと』(祥伝社)、『空へ向かう花』(講談社)、『brother sun 早坂家のこと』(徳間書店)などがある。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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