猫のいる日々: 〈新装版〉 (徳間文庫 お 14-49)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198938741

作品紹介・あらすじ

私の家に住んだ猫の数は五百匹に余る。
黒猫ばかりふえた時代があるかと思うと白猫ばかりの天下があった。両統対立の時代もあった。
仕事に向かうと、極端に無口で怒りっぽくなる心をなごませてくれるのが、猫であった。猫は人間に冷淡なので好きだ
――そう述懐する著者の猫への眼差しは、どこまでも暖かい。
文豪の、猫に関する小説、童話、随筆を集大成した不朽の名編!

感想・レビュー・書評

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  • 著者、大佛次郎さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    大佛 次郞(おさらぎ じろう、1897年(明治30年)10月9日 - 1973年(昭和48年)4月30日)は、日本の小説家・作家。大仏次郎(新字体)とも書く。神奈川県出身、本名:野尻 清彦(のじり きよひこ)。『鞍馬天狗』シリーズなど大衆文学の作者として有名な他、歴史小説、現代小説、ノンフィクション、新作歌舞伎や童話などまでを幅広く手がけた。作家の野尻抱影(正英)は兄。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    私の家に住んだ猫の数は五百匹に余る。
    黒猫ばかりふえた時代があるかと思うと白猫ばかりの天下があった。両統対立の時代もあった。
    仕事に向かうと、極端に無口で怒りっぽくなる心をなごませてくれるのが、猫であった。猫は人間に冷淡なので好きだ
    ――そう述懐する著者の猫への眼差しは、どこまでも暖かい。
    文豪の、猫に関する小説、童話、随筆を集大成した不朽の名編!

    ---引用終了

    著者の友人で猫好きな方として、豊島与志雄さんと木村荘八さんがいます。
    生年没年を見ておきます。

    ・大佛次郎(1897~1973)
    ・豊島与志雄(1890~1955)
    ・木村荘八(1893~1958)

  • 大佛次郎記念館に先日行ったので。
    猫に関するエッセイや短い物語、童話がたくさん詰まった本。
    生涯に飼った猫の数500以上はすごすぎる…
    私もねこに黙って囲まれながら死にたいなぁ。
    猫への深い親愛が感じられた。

  • 猫下僕はいつの時代も同じですね。

    許容を越えた子を捨てに行かせたり、いけないことをした子を叩いたり、という辺りに時代を感じました。
    ご近所にこんな家があったら毎日覗きに行くな。

  • 猫を知り抜いている・・・

  • とても親しみの持てる、大佛次郎氏による猫のエッセイと小説。WW2と時期が重なっていた、つまり戦時下の猫たちの様子も語られている。なんといっても良いのは、軽妙で味わい深く、「こいつめ」と愛情深く猫を見ながら語るような眼差しだと思う。大佛さんの猫好きはちくまの「猫の文学館」から知ったのだが、本著はそれで語られたよりずっと多くの、いとおしく面白く、小狡く、聡く、ときに滑稽な猫たちを見せてくれる。哀惜のようなものも漂っているが、読んでいて重石をかけられたように感じないのは巧みな筆致と文学的猫愛(?)のなせるわざだろう。

  • ねこねこねこ、でした。

    猫好きさんならば、
    ずーっと読んでいたい甘い蜜。

    (ねこは私にとって甘い蜜)

    筆者にとってねこは、同胞であり、
    子供のようなものであったと思うけれど
    (ここまでは私も同じ)

    少し離れた場所から、
    淡々とお話されるのが良いのでした

  • 『「他の動物の全部がお釈迦様の臨終を囲んで泣いたと云うのに猫だけはどこかで日向ぼっこをしていたのか虫を追って遊んでいて考えなかったのか出て来なかったと云って非難されている。お釈迦様の臨終と云うような重大な瞬間に居合わせなかったことを勝手に人間が猫の落度としたのである。としてもこの怠けっぷりは可憐で美しい。またエゴイスティックな小動物が決して偽善家でないと云う証拠にもなるように思われる。知っていても猫はアンリ・ルッソウが好んで描いたような青い熱帯の森の涼しい草の中に柔らかく前肢をまるめて祈って坐り、ひとりで静かに大きな蝶の夢でも見ていた方が仏の御心にかなっていると信じていたのではないか?」』
    ほんとに猫が好きなんだ。もうほんとに猫を愛している。
    常時15匹前後、「住み込み」と「通い」をふくめ生涯傍らを通り過ぎた猫500匹。
    つかず離れず、微妙な距離を置き、心から尊重している。
    いろいろな猫の最期や、愛猫家の友人の最期に胸が詰まる。
    『「風邪でもひいたのか、二三日、めっきり弱りが見えていたと思ったら、昨夜は便をするのにも私に戸をあけさせて、悠々と外へ出て行ったが、今朝になって見ると炬燵の隅に置いた果物の空籠の中で冷たくなっていた。
     猫としても立派な奴だったと思う。小さい時から不幸で惨めな一生だったのに、卑屈ではなかったのが気持ちがいい。庭の白い梅の木の根もとに穴を掘って葬ってやった。」』
    『「お棺におさめた木村さん(画家の木村荘八氏)は、生前より顔も若く色までよく見えた。しかし口をきかなくなったとは、何とも冷たく静かなもので、別れたさびしさが身に染みて感じられ、涙をこぼした。
     猫の奴は、一向、平気でしたよ。木村さん。そう知らせることが出来たら、木村さんは答えるだろう。
    『それで、たすかりますね』」』
    歌舞伎座に住み着いて、本番の舞台を横切った猫の話は、今は昔、おおらかな時代の記録としても貴重だ。
    猫の童話も書いている。
    『「ほんとうに、まもなく冬がくることでしょう。この夏生まれたばかりの子ねこたちは、まだ冬に会ったことがなく、しもや雪も知らないのでした。しかし、じょうぶで生きていれば、この世の中がどんな時もたのしいし、よいものだと知っていましたから、朝起きるのをたのしみに、ぐっすりと、よくねむるのでした。いつも目をさますと、きのうとちがう新しい朝が来ています。白吉もスイッチョのことを来年の秋がくるまで思い出さないで、あしたは元気に庭をとびまわって遊ぶことでしょう。美しい秋晴れの日がつづいています。」』
    この世界に対する全幅の肯定感と、今を生きる感じは、猫そのものでもあり、児童文学の神髄でもあると思います。

  • 良質なエッセイだったかと思います! 巻末に収録されていた猫の目線からの短編も良かったと思います…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、エッセイなのでそんなに山あり谷ありといった感じのお話ではないのでアレですが…おまけに猫好きではない人が読んだら何が面白いのかもはや理解されませんね!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    それでもまあ、僕は猫好きなので読みましたけれども…僕も猫と暮らしてみたいですけれども、実際暮らしたら暮らしたで色々と大変そう…それに大佛氏が生きた時代と今は違う…放し飼いとか今、されているんでしょうかねぇ? 猫の糞尿問題…昔の人はこれらの匂いは気にされなかったのでしょうか?

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、そんなわけで…推計500匹の猫と暮らした作家さんですけれども、猫との距離感は抜群だったそうで…あんましベタベタしない関係…良いですねぇ…。

    さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 表紙買い。開いてみて文体の古さに驚く。
    まさか昭和初期の雑誌に掲載されてたエッセイだとは思わなかったのでビックリした。
    旧字体もあるため、さくさくとは読めなかった。

    編集後書に、差別的だったり、今なら動物虐待に該当するような記述があるが、時世でもあるのであえて残したとある。
    確かに子猫を産まれてすぐ捨てるとか、そういった記述もある。
    でも猫好きの人間はどの時代でも可愛がるし、人様の家に子猫を勝手に捨てるとか自分勝手な人間もいたりと、変わらないんだなぁ、と思う。

    猫が隣の家の鮭の切り身を取ってきちゃった事件でも、戦時中の食事事情(配給制だから)についてわかる。猫話なのに近代史の勉強にもなった。

    話中の娯楽芝居とかでも化け猫という演目をあえてとりあげるとか、筆者の猫好き度合いがわかる。
    シャム猫が好きだけど、飼ってしまったら他の猫(足が悪い猫とか人間に怪我させられた猫とか)をかわいがれなくなるから、我慢しているとか、読みにくいけど、読むとほっこりする( ´∀`)

    高齢になってからのエッセイなので、最近はロックというものが流行ってるらしいとか、若者の流行りについていけてない感じとかがリアル(笑)
    ビジュアル系バンドが出たときの父の反応とまったく同じだ(笑)

  • 初読みの作家ではあるが、若輩の頃に「だいぶつじろう」と読んで恥をかいたという意味では馴染み深い著者。猫エッセイということで購入し、戦前から戦後にかけての文章表現の移り変わりも楽しめた。家に最大で15匹の猫がいる生活があまりに飄々と書かれているが、たいへんだったろうと思う。巻末の小説、童話も味わい深い。

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著者プロフィール

大佛次郎
一八九七年横浜市生まれ。本名・野尻清彦。兄抱影は天文学者。東京帝大政治学科卒業後、鎌倉高等女学校の教師、外務省嘱託を経て、一九二三年関東大震災を機に文筆に専念。『鞍馬天狗』シリーズで急速に支持を得る。『パリ燃ゆ』『帰郷』『地霊』など歴史と社会に取材した作品も多い。六七年から死の直前まで朝日新聞で『天皇の世紀』を執筆。六四年に文化勲章受章。七三年没。生涯で五百匹の猫を世話したほどの猫好きでも知られる。横浜に大佛次郎記念館がある。

「2023年 『宗方姉妹』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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