きみと暮らせば (徳間文庫)

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  • 徳間書店 (2015年12月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784198940508

作品紹介・あらすじ

十年前、陽一の母とユカリの父が結婚し、二人は兄妹になったが、五年前に両親は他界。中三のユカリは義母のレシピ帳を参考に料理し、陽一は仕事で生活費を稼ぎ、支えあいながらの二人暮らし。ある日、庭先に猫が現れる。二人は猫を飼い主らしき人へ届けに行くのだが――。のんびり屋の兄と、しっかり者の妹が織りなす、陽の光差すような、猫もまどろむほのぼのあったかストーリー。

みんなの感想まとめ

家族の絆や日常の温かさが描かれた物語は、兄妹の深い愛情と支え合いを通じて、心にじんわりと響く感動を与えます。両親を失った後、血の繋がりはないものの、陽一とユカリは互いに支え合いながら、穏やかな日々を送...

感想・レビュー・書評

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  • 両親が再婚同士で、陽一とユカリは10年前に兄妹になった。けれど5年前に両親が交通事故で他界したため、2人きりに。
    当時21歳の兄は10歳の妹の面倒を見る決心をして都心の大学を中退。地元で就職先を見つけ働き出した。

     それから5年経ち……。
     相変わらずトボけた兄としっかり者に成長した妹の1年を追った、連作短編ホームドラマ。
              ◇
     春先の日曜午後のこと。洗濯物を取り込もうと庭に降りたユカリは、ドウダンツツジの傍にうずくまるまん丸の物体に気がついた。よく見ると牛のような白黒模様の猫だった。

     その愛嬌のある様子にうれしくなったユカリは、急いで兄の陽一を呼びに行った。けれどテレビでドラマを見ていたところを無理に引っ張り出された陽一は「なんだ猫か」とすげない態度。
     そんな陽一を意にも介さず大きな欠伸をして平然と寝そべるその猫が妙に気に入ったユカリは、お昼を食べているときも丸くなったウシ柄の猫のことを思い出していた。
         ( 第1話「猫と兄妹」) ※全6話。

          * * * * *

     久しぶりにほのぼのしました。

     血の繋がりがない兄妹の物語ですが、あだち充さんの『みゆき』のような禁断 (?) ラブコメディでないところがよかった。
     また兄妹ともそれぞれ「シスコン」「ブラコン」ぽいところも見せてくれているのも、微笑ましくてよかった。

     もちろん設定において、ラブストーリーにはならないような工夫がされていたからで、例えば……。

    ・兄妹の年齢差11歳。
    ・出会いは兄16歳、妹5歳。
    ・兄は21歳の時に、まだ10歳だった妹の保護者になる決意をする。
    ・いつまでもトボけた兄に対し、妹は頭がよくしっかり者で口が立つ15歳に成長。

     など、陽一がユカリの成長を喜びつつ見守るというスタンスを確立してから物語をスタートさせています。
     血縁関係になくとも真の兄妹として、互いを思いやりながら暮らしていける。八木沢さんの「ほのぼのホームドラマ」構想が好もしく感じられました。

     登場人物も好人物ばかりです。

     特に、ユカリの親友のハセっち。
     兄妹に絡む重要な役どころで、ユカリの支えになっています。ユカリとハセっちともに群れるのが嫌いで女々しくなく、クラスの俗物系女子から浮いても気にしない芯の強いところもそっくりです。まさに、ベストフレンド!

     そして、ユカリが所属するクラスの副担任を務める鹿野先生。通称シカちゃん。
     この少々そそっかしい若手女性教師は、実は陽一の中学時代の同級生でした。ユカリの保護者懇談で再会した陽一とシカちゃんは、同窓会を経てデートする関係まで進展。 ( 詳しく描かれないのが惜しかった。) その後がとても気になります。
     このシカちゃん。兄妹それぞれが悩みに押しつぶされそうなとき、絶妙なフォローをしてくれるポジティブな女性で、物語の展開上とても重要な役割を担っています。

     それから斜向かいの家に独りで住む、優しく大らかな好々爺の宇佐美さんも、ユカリをほんわか包み込むようないい味を出してました。

     他にも、陽一の後輩社員の浦上くんや、兄妹が偶然知り合ったムサシとマリエという小学生コンビも場面切り替え役として活躍してくれています。

     さて、中心となるのはユカリの成長物語なのですが、かつて夫とまだ幼いユカリを捨てて男と駆け落ちしたユカリの母親が登場する終盤が大きなポイントでした。
     母娘の情にほだされたユカリは陽一に黙って何度も会いに行ってしまい、母親から自分のもとに帰ってきてもらえないかと、控えめにですが持ちかけられます。 ( 母親は駆け落ち早々に男に捨てられ、以後、後悔と反省の日々だったそうです。)

     悩んだ末にユカリが出した結論は?
     というクライマックスが、唯一ハラハラするシーンでした。

     兄妹がともに暮らす生活は、いつの日か終わりがきます。それは、ユカリが大学に進学するときなのか就職するときなのか、わかりません。その頃には「義姉」もできているかも知れません。
     ユカリは母親との一件から、漠然とですが「その日」のことを考えるようになります。初めて自立を意識したと言えるでしょう。

     中3の春から公立高校入試当日までの約1年弱。もともとしっかり者のユカリが、大人の入口に立つまでの姿が瑞々しく描かれていて、読後感のよい作品でした。

     「花を見て根を思う人になれ」も名言だと思います。

  • 何だこのしみじみ『いいなぁ』と思える感じは?
    ついポロリと涙が出てしまったじゃないですか。

    父と母の連れ子同士。11歳歳の離れた兄と妹。
    5年前に両親が事故で亡くなってから二人で生きてきた。家族だから当たり前と本人たちは思っているけれど周りにはそういう風に見ない人たちもいる。でも、二人はまぎれもなく兄妹。そんな二人の日常生活が綴られている温かいお話しでした。

  • 両親(陽一の母とユカリの父)が他界し、後に残されたのは血の繋がらない兄妹。陽一は地元の医療品メーカーに勤める二十五歳、ユカリは中学三年生。猫の種田さんもやってきて、ふたりと1匹は、一つ屋根の下で穏やかに暮らしています。幸せは人それぞれ、気づかないだけで、きっとそばにある。

    陽一とユカリは、兄妹というより家族。親を亡くした寂しさを埋め合い、守り合うふたりには〈家族〉という言葉がしっくりくる。

    うちの兄妹関係(仲が悪いわけではないよ)とは全然違ったので、背中のあたりが少しむずむずした(笑)他の家の兄妹はどうなのだろうと気になる読書となりました。

    猫(種田さん)にもう少し癒されたかったな。

    • mihiroさん
      あいちゃ〜ん(*´˘`*)♡
      全然知らなかった作品だ〜♡
      猫ちゃんが出てくるんだね!
      種田さんって猫の名前かよ〜!って笑っちゃったよ(*≧∀...
      あいちゃ〜ん(*´˘`*)♡
      全然知らなかった作品だ〜♡
      猫ちゃんが出てくるんだね!
      種田さんって猫の名前かよ〜!って笑っちゃったよ(*≧∀≦*)
      なんだかほのぼのしそうで好きな予感♪
      だけど種田さん癒し不足??笑
      もしかして種田さんは脇役なのかな??笑笑

      2024/11/11
    • あいさん
      みひろちゃん♪ こんばんは(^-^)/

      猫ちゃんが出てくる話と思って楽しみにしていたけど、時々存在忘れちゃうくらいだった(言い過ぎ?...
      みひろちゃん♪ こんばんは(^-^)/

      猫ちゃんが出てくる話と思って楽しみにしていたけど、時々存在忘れちゃうくらいだった(言い過ぎ?笑)。
      もっと癒されたかった、ニケ先生のように「ニャア〜」(*≧艸≦)
      なぜ、種田さんという名前になったのかも含めてほのぼのしていたよ。
      私は、微妙な評価になっちゃったけど。
      ちょっと兄妹の関係が苦手だったかな。
      脇役だけどやっぱり種田さんが1番落ち着くわ(〃∀〃)ゞ
      2024/11/12

  • 2人と1匹のかけがえのない「家族」の形。
    陽一お兄ちゃん、不器用だしかっこつかない時もあるけど、絶対頼りになるお兄ちゃんだ。ちょっと羨。

  • あたたかで よし

  • じんわりと心が温かくなる、優しい家族の短編集。
    タイトルの「きみ」は猫の種田さんなのかと思って読み始めたけれど、違っていた。けど、種田さんの溶け込みっぷりが逆にこの家庭の居心地の良さを表しているようで、反って良かったと思う。
    この二人が家族で良かった。

  • 「花を見て根を思う人になれ」
    いい言葉だー。
    血の繋がりのない兄妹のほんわかストーリー。
    あっという間に読んでしまった。
    一つ屋根の下で、結果的に兄と妹の恋愛ものになるのだろうか…と邪推してしまったけど、全然違ってホッとした(笑)

  • ほんわりします。

    内容は血の繋がらない兄妹が一軒家で暮らす話なんですが、そこに猫がやってきて、、、とこれもテンプレート通り。

    だけど、いやらしさがないのは、一つ一つのエピソードがきちんと積み重ねられてるからかな、と思います。

    キャラにも目新しい部分はなく、これといっての盛り上がりもないけど、まぁ、実の母が出てくるところがちょっとした緊張感かな、と。

    でも読後感は爽やかでした。

    もうちょい猫の出番がほしいところかなー。

  • 猫が可愛いというよりはお兄さん可愛い。浦上くんとのやりとりには毎回ほっこりさせられた。
    ユカリは芯の強い少女。素敵な女性になると思う。
    ユカリとお兄さんは同じ痛みを抱えた同士に見えた。

    • komoroさん
      止められません。
      更にx5です。
      どうでもいい異色で気色悪い愛人関係。
      小説化できますか?
      自主出版ですね。
      止められません。
      更にx5です。
      どうでもいい異色で気色悪い愛人関係。
      小説化できますか?
      自主出版ですね。
      2016/02/25
    • 9nanokaさん
      コメントのやりとり面白いですね笑。更に×6です。
      小説化は…サユリを妖怪にしてファンタジーホラーにするってどうでしょう?表紙はまんまサユリ...
      コメントのやりとり面白いですね笑。更に×6です。
      小説化は…サユリを妖怪にしてファンタジーホラーにするってどうでしょう?表紙はまんまサユリの写真にして目線だけ入れます。
      2016/02/26
    • komoroさん
      更にx7
      ホラーです。
      読みたくないけど中身が気になります。
      ハウステンボスの恐怖の館〔サユリハウス〕できそうです。
      更にx7
      ホラーです。
      読みたくないけど中身が気になります。
      ハウステンボスの恐怖の館〔サユリハウス〕できそうです。
      2016/02/27
  • ネコが登場する小説はだいたい自分の好みだ。装丁に惹かれて積読していたけどブクログで紹介されていてすぐに読んだ。面白かった、というかラストは何故か涙が出てしまた。両親を事故で亡くすという悲劇、のんびり屋の兄としっかり者の妹、血のつながりを超えて幸せな日々が微笑ましい。欲を言えば鹿野先生と陽一(兄)のハッピーエンドを確信したかったかなー

  • 猫の種田さんが登場しなくても、十分ほっこりする物語。それくらい、猫に関する描写はあっさりしていました。だけど、種田さんのおかげで、より温かくなっている。猫を抱いているときの、ふわふわした手触りと温もりがそのまま小説になったような感覚でした。

    シリアスな場面もあるけれど、兄妹のやり取りで自然と前に進んでいっている感じが、「模造品」ではない関係を表していると思いました。

  • 最後の数ページが無ければとても好みなお話だった。

  • 4年ぶりに再読。
    八木沢里志さんの本は、ほんとうにいいなぁ。あったかい。
    最近、新刊もちらほら出されていたので、そちらも読んでみよう。あっ、けどまずは『森崎書店の日々』シリーズをもう一回読もう。

    ーー
    前回の感想▼

    ブログに詳細書きましたので、是非ご覧ください▼▼
    https://hodobochi.com/kimitokuraseba/

    ・心温まる小説を読みたい人にオススメ
    (原田マハさん好きな人は、ハマると思う)
    ・文章のタッチがやわらかい。
    ・登場人物のやさしさが、心温まる。
    ・読むと、身近な幸せに気づくことができる。

  • 本当の兄妹以上に兄妹だな。

  • 歳の離れた二人暮らしの兄妹の温かい日常。血の繋がってないはずのふたりの愛が心を温かくしてくれました。あ、あまり猫は出てきませんでした。

  • 八木沢さんの作品は全て読んでいます。
    作風は他のものと一緒で、いい人ばかりが出てくるほっこりするお話。
    今作も期待どおりの内容でした。
    トルンカシリーズほどではないけど、森崎書店シリーズよりこちらの方が好きです。
    この家族のその後も気になります。

  • 猫飼いなので、猫の話だと勘違いして読んでしまった。ハチワレ可愛いですよねー
    中学生で家事全般するのは大変。ご飯もちゃんと作って立派。お兄さんも大学中退して働いて。
    だけど悲壮感なく、毎日の小さな出来事に幸せを感じている。それが幸せなんだよね。

  • あたたかくて、ちょっぴり切ない良いお話だったな

  • 兄と妹とネコの話

    下町の、夕方のイメージ
    なんかジブリの世界みたいな安心感、好き

  • R6.10.2

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著者プロフィール

1977年千葉県生まれ。日本大学芸術学部卒業。「森崎書店の日々」で第三回ちよだ文学賞大賞受賞。同作品は映画化された。著書に「続・森崎書店の日々」「純喫茶トルンカ」「純喫茶トルンカ しあわせの香り」がある。

「2023年 『きみと暮らせば 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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