現着: 警視庁心理捜査官 KEEP OUT II (徳間文庫 く 15-9)
- 徳間書店 (2016年2月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198940683
作品紹介・あらすじ
警視庁心理捜査官シリーズの名コンビ、柳原明日香と吉村爽子。部内の権力闘争の結果、公安部から捜査一課に異動した明日香(『公安捜査官 柳原明日香』)。ある事件での規律違反を問われ警視庁捜査一課から所轄の多摩中央署に都落ちした爽子(『警視庁心理捜査官』『KeepOut』)。二人あるところに難事件あり。硬直した頭脳の持ち主の男刑事たちを尻目に、しなやかにしたたかに事件を解決に導く。ネオ警察小説の旗手が送る全三篇の事件簿。
感想・レビュー・書評
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なかなか楽しませていただきました。第3話がメインなのだが、前半は爽子、後半は明日香と主役が入れ替わって物語を紡いでいった点が良かったように思う。また、単純だが犯人が尾行の確認のためフェイクな行動を取る点もユニークだなと感じた。また第2話の支倉のように後に引きずらず、明るくてダジャレも言えちゃう女性には魅力を感じる。
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随分前に出た長編の続編の短編集の第2弾。図書館にもないし、本屋でもなかなか見つからなくて、苦労して手に入れた1冊。なのに…あれ?こんなにつまらなかったっけ?長編を読んだ時、爽子が好きになって、読み続けていたけど、あまりにも繋がりがない短編にがっかり。先輩の明日香を主人公にしてスピンオフが出ているみたいだけど、そっちはパス。一番好きな「六機の特殊」は続いて欲しいけど、間が空いているから、やっぱり物足りなさを感じるのだろうか…
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シリーズ第5弾。『嗤う女狐』『寝台刑事』の2作の短編と書き下ろしの中編『嵐の中で』を収録。
吉村爽子と柳原明日香のダブルヒロインのような設定なのだが、結局、活躍するのは元公安の女狐と呼ばれた柳原明日香で、吉村爽子の影は薄い。このシリーズの2作目までは吉村爽子が主人公だったが、3作目から柳原明日香に代わり、この5作目でも柳原明日香は主人公を務めている。
吉村爽子の心理捜査官としての成長と活躍の物語なのか、柳原明日香の女狐ぶりを描いた物語なのかが気になり、なかなかストーリーが頭に入って来なかった。扱う事件も、前作までに比べると小粒になったように思う。
『嗤う女狐』は柳原明日香の元に吉村爽子が転任するというところから物語が始まる。振り込め詐欺を巡り、柳原明日香の女狐ぶりが光る。
『寝台刑事』と『嵐の中で』では吉村爽子が主人公として独り立ちするのかと思う展開なのだが、結局、主導権は柳原明日香に移る。 -
KEEP OUTの第2弾。前作の事件は子供の性犯罪被害で重く読後感もよくなかったが、本作はスタンダードな事件で読後にスッキリ感はある。心理捜査官という設定についての描写は十分ではない。
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公安の女狐こと、捜査一課きっての実力派、柳原 明日香。
そして、沈着冷静な心理捜査官、吉村 爽子。
二人の活躍する3つの短編集。
それぞれ二人のキャラクターや行動原理が、良く分かる短編集になっています。
良書。
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公安で培った術を駆使して解決のためならなんでもあり、捜査一課きっての実力行使派明日香。わけあって所轄署に飛ばされてもなお、冷静な分析で事件解決の糸口を見つける地味系心理捜査官爽子。男社会の警察で、眼の前の事件以外のものとも闘いながら、女だてらにと眉をひそめる男どもを尻目に、女だからこその度胸で難事件に立ち向かうー。
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女性刑事が主役の作品として、佐藤青南氏の行動心理捜査官シリーズとよく似た雰囲気を感じます。登場する女性刑事が必要以上に優秀かつ厳しさを見せるところは、警察が男社会だという一般的な認知の中で個性を出しやすいからなのか。
前作も読んでいながら爽子が捜査一課から出された理由を覚えていないためもどかしさを感じる部分があるものの、純粋に刑事ものとして面白かったです。 -
07月-22。3.0点。
心理捜査官シリーズ。短編2編と中編一編。
「心理捜査官」と謳っているが、柳原明日香に完全に食われている。
ラストの中編は結構良かった。 -
短編2編と中編1編。心理捜査官らしい活躍は無いが、手頃な推理小説として読み終えた。続き物で、前作までを読んでないと楽しめないかな。