- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198941970
作品紹介・あらすじ
谷村梢は小学校四年生を担任する補助教員だ。「カニは縦にも歩けます!」と理科の授業で実証し、注目されたのは、いじめられっ子・中尾文吾。梢にスーパーで、ある教師の万引きを目撃したと告げたまま下校。その日、文吾が襲われた。襲われる直前、梢の名前を呼ぶ声を近所の人が聞いていたという。梢に注がれる疑惑の目……。表題作ほか、日常の謎が“深い”ミステリーに! 魅力の七篇!
感想・レビュー・書評
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7篇を収録した短編集。この作家さんとの出会いは「教場」すごく淡々と、時には冷たいと感じるような文体が特徴的。大きな事件ではなく、日常の身近な事件を扱うことも多く、この作品の7篇もほぼ「日常もの」。どの作品をとっても、短編なのに、必ずミスリードされ、最後に思わぬ事件の真相が描かれる。それでも、短編によくありがちなバタバタした展開もなく、本当にこの作家さんの凄さを感じる1冊。「傍聞き」など、短編なら、今一押しの作家さん!と思えるぐらい良かった。
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トリックのための小説になっていなかったか?
黒白の暦がベスト。 -
長岡弘樹『波形の声』徳間文庫。
長岡弘樹らしい技巧トリックを駆使した短編集。デビュー作の『陽だまりの偽り』から一貫してスタイルが全く変わらないというのが凄い。トリック重視とも受け取れるほどの硬い文章と描写のギャップに、心して読まないと少し戸惑いを覚える。読み始めてすぐに文章に描かれる光景が目の前に浮かべば勝ちなのだが…
表題作の『波形の声』と『宿敵』が秀逸。『わけありの街』『ハガニアの霧』も良かった。他に『暗闇のモスキート』『黒白の暦』『準備室』の7編を収録。 -
短編集。さまざまな状況があり、それぞれの心情があり、解決になるほどという納得感がある。
面白かった。 -
短編集。「波形の声」、「宿敵」、「わけありの街」、「暗闇の蚊(モスキート)」、「黒白の暦」、「準備室」、「ハガニアの霧」の7編。
どの作品にも謎があり、最後にはそれが解明されるのだけれど、謎自体よりもそこに至るまでのストーリーが面白いかな。
「波形の声」と「黒白の暦」はトリックがこの辺だろうなと少しわかってしまいながら読んだけれど、それでも先が気になるので楽しんで読めた。
「わけありの街」はあまりぴんと来なかった。なぜ日記が入ってくるのかよくわからなかったし。
「黒白の暦」、動機の部分でちょっと現実味がないように思ったけどどうかな。当事者になったらそうしようって思うんだろうか。
「ハガニアの霧」が一番よかった。 -
日常にある小さな悪意や妬みなどがテーマの短編集
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人間の心の奥に燻る悪意をテーマに、技巧トリックを駆使したミステリー短編集。
トリックに溺れてしまって、人間ドラマ部分が弱いという印象が残る。登場人物に個性が感じられなかった。女性や子供の描き方が単一的で、全員同じイメージになる。それも作者の持ち味と言えばそうなんだけど。 -
様々なシチュエーションでの謎解き。
表題作は、なかなかのトリック。 -
「暗闇の蚊」が一番好きかな…
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これでもかというくらいに人間の嫌なところを見せつけられる…