- Amazon.co.jp ・本 (720ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198942304
作品紹介・あらすじ
零細工場の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)。生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まった――。◆2017年7月9日(日)よる10時スタート、向井理×斎藤工W主演!WOWOW連続ドラマ原作。
感想・レビュー・書評
-
零細町工場の息子・瑛、大手海運業者の息子・彬。
生まれも育ちも違う二人が出会い、それぞれの宿命に抗いながら、
同じバンカーとして成長していく物語。
金貸しとバンカーは違うんだ。
金は人のために貸せ。金のためにお金を貸したとき、
バンカーはただの金貸しになる。
「人のために貸すお金」とは───
池井戸さんの小説は、いつも決めゼリフというか、随所に極めつけのシーンがあって、そこがもうたまらないのです。
研修チームで会社役と銀行役に分かれた稟議対決は圧巻。
不動の「いい稟議だった」の一言も。
そして、瑛が銀行員生命をかけて救った命と、ボランティア団体の牧師がヤスだったこと。
また、動物好きとしては、なんといってもチビが生きていてくれたこと。
夜逃げする瑛の家族を乗せた車を、必死に追いかけてくるチビ。
そして、あばらが出るほどボロボロにやせ細り、
瑛に飛びかかってきた姿に号泣してしまった。
瑛が二十年ぶりに、みかん畑から海を眺める姿を見て、
私も「どんな経験も無駄ではなかった。」と、自分の生きて来た道を振り返れるようになりたいと思いました。
『下町ロケット』よりも前に書かれた作品なんですね。
700ページ超、最初この厚みに少しひるんだものの、やっぱり池井戸潤さんは裏切らない。
「情けは人の心に残る」爽快な読後感でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
山崎瑛と階堂彬。
境遇の違う2人の「アキラ」が各々の運命、宿命に翻弄される物語。
瑛の救済の原点。彬の逃れられなかった運命。
ドキュメンタリータッチで進んでいって。
ページ数かなり多い作品だけど、引き込まれて読んでいました。
数々の困難に見舞われつつも救いもある。
そんな作品でした。 -
池井戸潤ファンとして発売直後に購入していたが、文庫本705頁の厚さに圧倒され、読み始めるのに躊躇もあり、今になってしまった。
そんな危惧は、数ページ読むほどに、もちろん解消!
三流レベルの推理小説や冒険小説より、スリリングで面白く、物語世界の中にたちまち取り込まれてしまった。
こういう作品こそ、エンターテイメントの粋というのだろうか。
生い立ち境遇が違うが、同じ音を持つ名前の二人の少年期から書き起こされ、同じ銀行に同期入行したこの二人、どのような関わり合いになって行くのか。
やがて、著者得意の銀行が舞台になる。
時はバブル崩壊時、企業倒産、企業経営の困難さ、兄弟企業の諍い、銀行の取引先への対応、不良債権への対処、銀行同士の競りあい、次々と眼前に繰り広げられる手に汗握る展開に、読者は皆、本を置く能わずの心境だったろう。
読み手も、気が付いたらもう最終頁だった。
これでもかのテーマを盛り込んだこの作品、読み終えたあとでは、もっとそれこそ千ページ以上でもよかったのではとの、贅沢な読後感を持ってしまった。 -
同じ年に生まれ、同じ大学に入り、同じ銀行に入行した瑛と彬の2人の物語です。
やがて彬は銀行を退職し、父の会社を継ぐことになりますが、古びた社内体制やグループ会社が新規事業に失敗したこともあり、いつ船が沈むか分からないほどのボロボロの状態。
彬は経営者として、どのような判断をすべきなのか。
そして瑛はバンカーとして、会社に何をしてやれるのか。
経営者の苦悩や銀行の役割など、池井戸作品お馴染みのテーマが盛り込んであり、非常に読み応えがあります。
それにしても経営者になるって、、、どれほど勇気のいることなんでしょう。
社員たちを乗せた「会社」という大きな船を、
景気がどうなるか、事業が成功するか、何が起こるか分からない不確かな未来へと自らが導いていかなければならない。
銀行から融資を受けることも、いわば借金をしているのと同じことで、自分一人では到底抱えきれないほどの借金を常に背負っていると思うと、私だったら怖くて怖くてたまらないです。
テレビで見るような大企業の社長さんたちは、いったいどれほどの精神力の持ち主なんだろう。。同じ人間とは思えないです(笑) -
池井戸作品らしい爽快感がある作品。ページ数は多いですが、次が気になって一気に読みました。
ドラマになっていることは後から知りました。
相変わらず銀行の内部事情はリアリティがあってエグいです。
ホント銀行モノの作品多いなぁ。 -
池井戸潤さんの作品、ブクログ登録は7冊目になります。
著者、池井戸潤さん、どのような方か、確認しておきます。
ウィキペディアには次のように書かれています。
池井戸 潤(いけいど じゅん、1963年6月16日 - )は、日本の小説家。岐阜県出身。
岐阜県立加茂高等学校、慶應義塾大学文学部および法学部卒業後、1988年に三菱銀行(当時)に入行。1995年、32歳の時に同行を退職し、コンサルタント業のかたわら、ビジネス書の執筆や税理士・会計士向けのソフトの監修をしていた。ビジネス書の執筆業は順調だったが、テーマが限られていることから将来に不安を感じ始め、夢だった江戸川乱歩賞を目指し始める。
で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)
零細工場の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)。生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まった――。
面白い作品のためか、ドラマ化され、また映画化も予定されています。
映画の方は、今年(2022年)の8月26日に公開されるようです。 -
池井戸潤『アキラとあきら』徳間文庫。
境遇が全く異なる二人のアキラとあきらを主人公にしたドラマチックな企業小説。十二分に面白くはあるのだが、余りにも規定路線を走り過ぎた感は否めない。
零細工場の息子として激動の運命を背負って産まれた山崎瑛と大手海運会社東海郵船の御曹司として恵まれた境遇に産まれた階堂彬……二人は互いにそれぞれの宿命を背負い、それぞれの運命に翻弄されながら、企業人生を邁進していく。 -
零細企業の息子、山崎瑛。
大手海運会社の御曹司の階堂彬。
生まれも育ちも近く2人だが、宿命を背負い、己の運命に抗いながらも真っ直ぐに生きてきた。
やがて2人が出会い、過酷な試練に挑む。
何となく、彬と瑛、金持ちと貧乏の下剋上の話なのかと思ったら、この本は単純なものではなかった。
次から次へと襲いかかる試練。
しかし何度も何度もスカっとポイントがあったり、池井戸先生の本ならではの清々しさ!
結構な厚みだが、がっつり嵌まれる本でした!
良書!! -
うん!面白い!なので一気読み!
アキラとあきら…読む前は、2人が対立する話かと思ってたけど、違ってた。
でも、これはこれで良かった。
読んだ後もすっきり爽やか!こんな感じの好き!
テレビドラマもあるので、読んだ後観たけど、個人的には、小説の方が楽しめました。
(決して、テレビドラマの方が、面白くない訳ではない!) -
瑛と彬、どちらも同じアキラだが、生まれも育ちも全然違う。
小さな工場を営んでいた瑛と、東海郵船の御曹司の彬。
二人の運命が交わるのは、後半になってから。
東海商会の抱えるロイヤルマリン下田の赤字が140億円にのぼり、会社の再建をかけて彬は銀行員をやめ、東海郵船の社長となった。
瑛は東海郵船を救うため、稟議書を書き、それを産業中央銀行に提出して全てはうまくいったように物語は終わっている。
その後の展開はきっといいように転んだのだろう。
ふわっとした終わり方だったが、内容は濃くしっかりしていたので、読み応えはバッチリ。
今後の展開も気になるが、山崎瑛と海堂彬の協力するシーンももっと見てみたかったと、終わってみれば名残惜しさを感じる。
著者プロフィール
池井戸潤の作品






この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。





