アキラとあきら (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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レビュー : 344
  • Amazon.co.jp ・本 (720ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198942304

作品紹介・あらすじ

零細工場の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)。生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まった――。◆2017年7月9日(日)よる10時スタート、向井理×斎藤工W主演!WOWOW連続ドラマ原作。

感想・レビュー・書評

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  • 零細町工場の息子・瑛、大手海運業者の息子・彬。
    生まれも育ちも違う二人が出会い、それぞれの宿命に抗いながら、
    同じバンカーとして成長していく物語。

    金貸しとバンカーは違うんだ。
    金は人のために貸せ。金のためにお金を貸したとき、
    バンカーはただの金貸しになる。
    「人のために貸すお金」とは───

    池井戸さんの小説は、いつも決めゼリフというか、随所に極めつけのシーンがあって、そこがもうたまらないのです。
    研修チームで会社役と銀行役に分かれた稟議対決は圧巻。
    不動の「いい稟議だった」の一言も。
    そして、瑛が銀行員生命をかけて救った命と、ボランティア団体の牧師がヤスだったこと。

    また、動物好きとしては、なんといってもチビが生きていてくれたこと。
    夜逃げする瑛の家族を乗せた車を、必死に追いかけてくるチビ。
    そして、あばらが出るほどボロボロにやせ細り、
    瑛に飛びかかってきた姿に号泣してしまった。

    瑛が二十年ぶりに、みかん畑から海を眺める姿を見て、
    私も「どんな経験も無駄ではなかった。」と、自分の生きて来た道を振り返れるようになりたいと思いました。

    『下町ロケット』よりも前に書かれた作品なんですね。
    700ページ超、最初この厚みに少しひるんだものの、やっぱり池井戸潤さんは裏切らない。
    「情けは人の心に残る」爽快な読後感でした。

  • 池井戸潤ファンとして発売直後に購入していたが、文庫本705頁の厚さに圧倒され、読み始めるのに躊躇もあり、今になってしまった。
    そんな危惧は、数ページ読むほどに、もちろん解消!
    三流レベルの推理小説や冒険小説より、スリリングで面白く、物語世界の中にたちまち取り込まれてしまった。
    こういう作品こそ、エンターテイメントの粋というのだろうか。
    生い立ち境遇が違うが、同じ音を持つ名前の二人の少年期から書き起こされ、同じ銀行に同期入行したこの二人、どのような関わり合いになって行くのか。
    やがて、著者得意の銀行が舞台になる。
    時はバブル崩壊時、企業倒産、企業経営の困難さ、兄弟企業の諍い、銀行の取引先への対応、不良債権への対処、銀行同士の競りあい、次々と眼前に繰り広げられる手に汗握る展開に、読者は皆、本を置く能わずの心境だったろう。
    読み手も、気が付いたらもう最終頁だった。
    これでもかのテーマを盛り込んだこの作品、読み終えたあとでは、もっとそれこそ千ページ以上でもよかったのではとの、贅沢な読後感を持ってしまった。

  • 池井戸さんの小説は、
    理不尽に耐えて耐えて耐え抜いた末に
    一発逆転!(すっきり)・・・的な展開が多いため
    この分厚い文庫本を前に、
    ストレス溜まったらやだな~、、、と
    ついつい弱気になってしまいました(笑)

    しかしその心配も読み始めたら
    瞬く間にどこかへ吹っ飛んでしまい
    グイグイ物語の展開に引き込まれていきました。
    ちなみに心配していたストレス度は低いです。
    理不尽な出来事もたびたび登場しますが、
    その都度解消されていくので、大爆発は起こりません^^

    大企業であっても、小さな町工場であっても
    従業員を抱えて会社を続けていく苦労は、
    いつの世も同じなのでしょう。
    会社を経営する者の苦悩がヒシヒシと胸に迫ってきます。
    『金は人のために貸す』そんなバンカー達の活躍をまた読んでみたいなと思うのでした。

  • 父の代からの運命や宿命を背負ったアキラとあきら。二人の主人公が自分のやるべきことに集中して最後まであきらめない姿が気持ちが良い。

  • 池井戸潤『アキラとあきら』徳間文庫。

    境遇が全く異なる二人のアキラとあきらを主人公にしたドラマチックな企業小説。十二分に面白くはあるのだが、余りにも規定路線を走り過ぎた感は否めない。

    零細工場の息子として激動の運命を背負って産まれた山崎瑛と大手海運会社東海郵船の御曹司として恵まれた境遇に産まれた階堂彬……二人は互いにそれぞれの宿命を背負い、それぞれの運命に翻弄されながら、企業人生を邁進していく。

  • 大企業の御曹司・階堂彬と、町工場の息子・山崎瑛。それぞれの経験を経て、歩んだ道のりとは。
    賢者と愚者がはっきりしてて、安定の展開。ボリュームのわりに、サクサク読める。後半はお得意の銀行もので、面白かった。
    タイトルのわりに、後半は瑛の影が薄く、彬と東海郵船がメインという印象。

  • いゃ、もうアキラもあきらもかっこ良すぎ。ええ、全国のアキラくんたちのドヤ顔が見えるようで!
    池井戸さんが描く銀行話だから、もやもやいらいら後スカッと!といくのは分かってたけど、それでもやはり読んでる途中はバカ叔父たちの所業に腹わた煮え繰り返りまくり。
    でも、アキラたち、すごい。
    彼らにはバンカーとして、そして人として絶対に捨ててはいけないものが見えている。そしてそれを捨てない勇気。
    2人のアキラには、確かに凡人にはない生まれ持っての才能があるのだろう。けれどその才能を生かすために必要なのは、やはり「人としての愛」。そう、愛は金を凌駕するんだ。
    いやぁ、これで来年の銀行系の就職希望者激増、まちがいなし。

  • 自分の人生とはいえ、色々な柵から抜け出すことが難しい2人。新人研修での一幕は圧巻で、何度も読み返してしまいました。連続物にして欲しい...
    さすが池井戸さん。読み終わってからのあきらロスがハンパないです。

  • ドキドキしながら、ページをめくりました。どの章もドラマチックでいろんな感情を揺すぶられます。最終章は勿論のこと、成長過程のストーリー、伝説となった新人研修が特に好きでした。 池井戸さんの作品でバンカーのイメージがどんどん変わるのも楽しみです。

  • 零細企業の息子の山崎瑛と
    大企業の息子の階堂彬。
    それぞれの育ってきた環境は全く違えど、頭の回転や成績はトップクラス。
    この2人の人生を交差させながら物語は綴られて行く。

    バブル期の銀行や企業が舞台で、半沢直樹と同じ銀行か?と思ってしまうほど、
    時期や環境は類似している。
    しかし、2人のアキラの人生をかき分け、階堂家のお家問題や企業経営が豊富に描かれているので、
    飽きることなく読めた。

    特に、階堂晋、崇の叔父2人の経営者としてのおちょこ並みの器や、それに反してラーメンどんぶりすら足らない無駄なプライドと対抗心。
    とても滑稽で、早く痛い目見ないかなと終始思ってしまうほど。苦笑

    2人のアキラが、それぞれの立場で持てる力を最大限に発揮した時に、
    なんとも言い難い高揚感に襲われた。

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プロフィール

池井戸 潤(いけいど じゅん)
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学文学部および法学部を卒業。子供の頃から本に親しみ、作家になりたいと思っていた。『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。

以降、2010年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞を、2011年『下町ロケット』で直木賞をそれぞれ受賞。他の代表作に、半沢直樹シリーズ『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』、花咲舞シリーズ『不祥事』、『空飛ぶタイヤ』『民王』『ルーズヴェルト・ゲーム』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』など。多くの作品がドラマ化・映画化されており、非常に高い人気を誇る。

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