雑賀の女鉄砲撃ち (徳間文庫)

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  • 徳間書店 (2018年5月2日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (544ページ) / ISBN・EAN: 9784198943509

作品紹介・あらすじ

紀州雑賀は宮郷の太田左近の末娘・蛍は、鉄砲に魅せられ、撃術の研鑽に生涯をかける。雑賀衆は、すぐれた射手を輩出する鉄砲撃ち集団だ。武田の三河侵攻に対し織田信長が鉄砲三千挺を揃えたと聞いた蛍は、左近に無断で実見
に赴く。三州長篠で三段射撃戦法により、最強の武田騎馬隊が粉砕される様子を目の当たりにした! 信長、家康を助け、秀吉、雑賀孫一と対立。戦国を駆け抜けた稀代の女鉄砲撃ち蛍はじめ四姉妹の活躍を描く歴史時代長篇。

みんなの感想まとめ

戦国時代を舞台に、鉄砲に情熱を注ぐ主人公・蛍の成長と活躍を描いた物語は、エンターテイメント性に富んでいます。蛍は、紀州雑賀の太田左近の末娘として、鉄砲撃ちとしての腕を磨き、周囲の人々や歴史的な人物たち...

感想・レビュー・書評

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  • 紀州雑賀・宮郷の、太田左近の末娘・蛍。
    その鉄砲の腕と情熱で、戦国時代を駆け抜けていく。

    最後まで引き込まれる、エンターテイメント性のある時代小説。

    鉄砲の上達に貪欲で、まっすぐな情熱を持つ。
    主人公の蛍が、まず魅力的。

    蛍がかかわる人々や、信長や家康など、まわりの人物も魅力充分。

    雑賀の4姉妹を軸にしたのも、切り口が新鮮。

    雑賀の立場から、信長、秀吉、家康たちと対峙していく。
    ひとつひとつの戦いが深堀されていて、表面的な戦にとどまらず、深みがあった。

    本能寺の変の真相も、自然。

    雑賀同士の戦いあり、伊賀とのからみあり。
    鉄砲撃ちの世界の対立と研鑽も、よく描かれていた。

  • 紀州の鉄砲集団・雑賀衆の四姉妹の末妹・蛍の活躍を描いた時代小説。鉄砲撃ちとして成長する序盤は楽しく読み進められた。後半、根来寺の炎上や太田城落城はせつなかった。500ページを超える長編だが、読みやすく、楽しく読破できた。

  • 歴史に忠実な流れの中、フィクションと思われる女鉄砲撃ちを絡めてくる新しい感覚を覚えた作品だった。
    実在の人物は、教科書には書いていないキャラクターに誇張されてるように見えて、それはそれで楽しいストーリーが展開された。
    作者は現代劇の小説家らしいが、どなたかは知らない。そちらの作品にも興味がそそられる。

  • 戦国時代は群雄割拠している武家が織田を始めとした有力武将により統合される過程であり、武家の誰もが天下取りを夢見て戦に臨んでいるので丹念に探せば面白いストーリーがゴロゴロと転がっている。このテーマは時代を経てもある意味普遍であるから多くの作家が取り上げ、有名武将に関しては語り尽くされた感さえある。ほん小説が異色なのは雑賀の宮郷の長の四女という果たして主人公としての格が出せるか微妙なキャラクターを見事に描いていることに尽きる。雑賀、根来という革新的な武器である鉄砲を使いこなし、尚且つその運用や武器の開発を行う異能集団の中でその腕前を、コツコツ上げたのが四女の蛍がそのヒトである。歴史的な長篠の戦い、石本本願寺攻め、本能寺の変、小牧、長久手の戦い、紀州平定、大阪夏の陣と物語が、移ろう中で織田信長、豊臣秀吉そして徳川家康と大所ともしっかり絡んで破綻をきたさないストーリーは推奨に値する。

  • 最初からスピード感のある展開に引き込まれた。本能寺の変なども違う側面からのアプローチで読めた。

  • 鶴が感嘆の声を上げた。紀州雑賀衆宮郷の重鎮、太田左近宗正の長女である。十五歳、清楚な容貌の奥に、芯の強さを秘めていた。
    二女の梟は十三歳にして艶やかさがあり、十二歳の三女小雀は可憐という形容が似合う。四女の蛍はまだ十歳。愛らしい顔立ちだが、野を駆け回る男児のような形をしていた。
    紀州雑賀といえば、鉄砲の扱いで世に名高い。四姉妹は乳飲み児の頃から、鉄砲に囲まれて育った。
    -------------------
    本文冒頭すぐ、本作の主役である四姉妹の紹介部の引用です。織田信長が武田騎馬隊を撃ち破った、あの長篠の戦いを、危険も顧みず見物に来た四姉妹が、その鉄砲戦術の威力を目の当たりにするところから物語は始まります。信長→秀吉→家康と天下の覇者が目まぐるしく入れ替わる戦国の世を舞台に、鉄砲撃ちの四姉妹(特に末娘の蛍は無双レベル)の成長と雑賀宮郷の姿が描かれます。

    スピーディなストーリー展開、個性的で美女揃いという四姉妹はじめ、敵味方問わず活き活きしているキャラクターたちなど、読み手を選ばない面白さがありますが、極私的な面白ポイントを二つほど挙げておきます。

    まず一つ目。
    取り上げられている数々の事柄が、和田竜さんの作品好きとしてはたまりません!
    木津川口合戦(村上海賊の娘)、天正伊賀の乱(忍びの国)、鉄砲撃ち(小太郎の左腕)、太田城の水攻め(場所は違うけど、のぼうの城)などなど。そしてそれらが和田作品とは異なる立場の視点から再考できるような筋立てになっています。

    そして二つ目。
    秀吉が結構な悪役として描かれているところも、(大阪近くに住んでいながら)さほど彼には思い入れのない僕にはポイント高かったです。
    美女と見れば、いかなる手を使っても犯して我が物とすることしか考えていないわ(当然四姉妹も狙われる)、かつ天下を取るために数々の狡猾な策を労するわ、読みながら何度歯嚙みをしつつ、「猿、禿げ鼠、とっとと死ね!」と心の中で叫んだことか(笑)

    ほんと、熱くなれる時代小説に出会いました。
    解説によると、著者は「作家としてすでに別名義で十年以上のキャリアがあり、本格的な歴史小説を書くのは、本作がはじめて」とあります。
    読んで著者当てに挑むのも一興かも。

  • 始めて読んだ作家さんでした。

    雑賀の太田左近に生まれた、4姉妹の話、
    基本が、末っ子の蛍の話で進んでいく。

    始まりは、信長の三段打ちの長篠の戦いから、大阪の陣まで蛍の成長と時の天下人を中心に進んでいきます。

    孫一と秀吉がここまで悪者の作品は初めてで非常に楽しめました。

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著者プロフィール

1961年、東京生まれ。早稲田大学卒業。

「2021年 『三楽の犬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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