木曜組曲: 〈新装版〉 (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 53
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198944384

作品紹介・あらすじ

耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。はたして時子の死は、自殺か、他殺か――? 長篇心理ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 4年前の2月の木曜日、小説家の巨匠、重松時子が自宅のうぐいす館で薬物死した。捜査の結果、自殺とされたが、その時うぐいす館に集っていた女性5人は毎年、命日の木曜日をはさむ3日間をうぐいす館でともに過ごしてきた。
    しかし、4年目の今回は少し様相が異なり、時子の自殺を疑っている彼女たちは、それぞれの記憶を語り、真実を明らかにしようとする。

    5人はそれぞれの考察を交えながら順番に話していくが、誰かの話を聞く度に、犯人像が違って見え、誰が犯人なのか、真実は何なのかわからなくなり、時に不安に陥る。
    そして、最後には、時子自身が彼女たちを殺害するために用意していた毒入りの水を、いくつかの偶然の結果、誤って飲んでしまい、亡くなったのだと結論付ける。

    恩田陸のミステリーには、最後までハラハラドキドキさせられ、本当に惹き付けられる。

  • 「蜜蜂と遠雷」と「夜のピクニック」くらいしか読んだ事なかったけど、それらとは全然雰囲気違ってびっくり!

    自殺したはずの大物作家・時子の死がほんとに自殺だったのかという真相を探るストーリー。
    登場人物が結構多いので初めややこしいけど、それぞれ個性的なキャラなので読み進めるうちに分かるようになってくる。
    女同士の心理合戦って感じで、それぞれの本性というか、心のうちが少しずつ暴かれていくようで面白かった。
    それにしても女ってやっぱり怖いな笑
    他の方も書かれてたけど、ほんと舞台を見てるみたいな気分になる作品でした。


  • 『重松時子殺人事件』

    そうきたかーー
    全員女性、全員物書きの異なる視点が秀逸
    恩田先生は外さない

    美しくもどこか不穏なタイトルと、新装版のジャケが「うぐいす館」のイメージですき

    小説家、重松時子の衝撃的な自殺から4年。偶然にも彼女の死に居合わせた、重松時子の血縁の4人と1人の編集者は、毎年同じ木曜日に集まり彼女を偲ぶ宴を催していた。

    時子の死は本当に自殺だったのだろうか?
    この5人の誰かが毒を盛ったのではないか?

    楽しい宴は時子の犯人探しになり、会話の中に潜む猜疑心と緊迫感

    “夢見がちな、妄想を商売とする女たち”の犯人探しは意外な真相と爽快なフィナーレで結ばれる

  • 昔々に映画を見た事があった。
    内容はすっかり忘れていたけれど、豪華な館で死ぬ女主人とそれを囲む女たち…みたいなイメージだけはとても残っていて。
    ふと目にして手に取ってみたけれど、思わず引き込まれて一気に読んでしまった。文章を書くという独特の世界で生きている女性たちの葛藤とそれによって生まれる複雑な関係性。それでも彼女たちの逞しさは内容に反して清々しいくらい。本を読んでいるとふと自分でも書けたらいいなと思う事があるけれど、とんでもない非凡さがなければ成立しない事だと面白い本話読むたびにつくづく思う。
    話の内容に対して意外にも空気は軽いように思うものの、やはりどこか緊迫したまま物語は進んでいき…最後数ページで何度か驚かされることになる。
    この後も続くであろうこの逞しい女性たちの活躍が気になるところ。

    そして新装版という事であとがきも新しくなっていて、ここ最近2作ほど読んでいた芦沢央さんが書いていた。芦沢さんの「布団の中にライトを持ち込んで隠れるようにして読んでいた様々な本」という文を目にして、自分も小さい頃はそんなふうにして読んでいたのを思い出した。なるほど読書というのはとても個人的な行為なんだと納得。思わぬところであとがきまで楽しめてちょっと得した気分になった。

  • あまり内容をよく分からずに、本屋さんに並んでる本でジャケ買い。
    ジャケ買い?タイトル買い?
    どちらかと言うとタイトル買いかな。
    恩田陸さん好きだしハズレじゃないでしょうと購入。

    やっぱり間違いなかった。
    面白かったー!

    ミステリーなんだけどただのミステリーじゃない。
    どんでん返しもある(ここら犯人探しに関してのどんでん返しではない)本当に面白かったー。
    やっぱり恩田陸さん好きだなぁ。

  • 「うぐいす館」に集まる女5人。過去の「死」について、美味しいものを食べながら、呑みながら「告白」していくお話。真相が分かった!と思えば次の瞬間、また違う真相が分かり、、、エピローグでも気が抜けなくて、ずっと面白かったです!

  • 5人の女性たちの舞台を見ているようだった。
    頭の中にリアルに映像が浮かんでくるような描写で、引き込まれていく。謎があるのかないのか、あったとしてそれを解明することが正解なのか、そしてその先にあるものは…。一気読み必須の物語だった。

  • 場所も登場人物も変わらないのに面白い。互いに疑心暗鬼しながら心理戦が繰り広げられるけども、あくまでも宴の場なので柔和さもある。

    芦沢央さんの解説もよかった。
    「たとえどれだけたくさんの人に読まれている本であろうと、本はこっそり自分だけに世界の理を教えてくれ、見たことのない景色を見せてくれ、感情に名前をつけてくれた。登場人物の心の中にカメラをセットして、その人が目にしている光景から心の動きまでもを追体験させてくれた。」

  • 作家・重松時子が薬物死して四年。
    毎年、命日近くの木曜を挟んだ日を彼女の遺した家で偲ぶ5人の女性たち。
    時子の死は本当に自殺だったのか?
    だとしたら、何故?

    ミステリなので内容に踏み込むことはやめます。
    しかし、5人の女性の社会的立ち位置と、5人の関係性の中での立ち位置がうまく組み合わさって、それぞれが抱える『嘘』と『真実』が複雑に絡み合って、視点が変わるたびに明らかになる『事実』に肌が粟立つ思いでした。
    まさしくこれは、恩田陸版「薮の中」。

    全員が時子を尊敬し、慕っていたから集まっていたはずなのに、女って怖いね。

    つくづく『愛』も『憎』も『情』なのだと思いました。

  • 全員悪くて悪くないような、もやっとするようなすっきりするような話にのめり込んでしまって、あっさりと読めてしまった。
    ページ数も少ないので読みやすかったです。

    恩田陸って夜のピクニックしか読んだことなくて、
    心温まる青春のイメージしかなかったのでギャップにも驚いた。
    なんでもっと読んでこなかったんだろう。

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著者プロフィール

1964年、宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞および第2回本屋大賞を受賞。06年『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞を受賞。07年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞を受賞。17年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞を受賞する。

「2022年 『本からはじまる物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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