貧乏神あんど福の神 (徳間文庫)

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  • 徳間書店 (2019年9月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784198945039

作品紹介・あらすじ

売れない絵師の家に
厄病神が同居!?

貧乏で災難続き、
おまけに事件まで……

大名家のお抱え絵師だった葛幸助は、
今、大坂の福島羅漢まえにある
「日暮らし長屋」に逼塞中だ。
貧乏神と呼ばれ、筆作りの内職で糊口を凌ぐ日々。
この暮らしは、部屋に掛かる絵に封じられた
瘟鬼(厄病神)のせいらしいのだが、
幸助は追い出そうともせずに呑気に同居している。
厄病神が次々呼び寄せる事件に、
福の神と呼ばれる謎の若旦那や丁稚の亀吉とともに、
幸助が朗らかに立ち向かう。
(書下し痛快時代小説)

   第一話 貧乏神参上
素丁稚捕物帳 妖怪大豆男
   第二話 天狗の鼻を折ってやれ

感想・レビュー・書評

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  • こいつあごっつうおもろいで。主人公の貧乏神と同居している貧乏絵師の葛幸助が最高にさばけていてええで。意気投合した福の神(仮の名)と組んで、悪だくみをスカッと解決するのが楽しおま。合間に入るくすぐりも笑えることばかりでっせ。丁稚の亀吉や貧乏神のキチボウシもいい味出してまんがな。田中啓文やりますなあ。

  • またしてもノーマークの本が手元に届いた。タイトルも作者も初めて知った。これを貸してくれた職場の方が、「うーん、いまいちかな~」という雰囲気で貸してくれたので、あまり乗り気ではなかったけれど、唯一の趣味が読書で、今珍しく積読がないという状況では、これを読まないという選択肢はない。すぐにページをめくった。

    主人公は葛幸助。元は大名家お抱えの絵師だったのに色々とあって、「日暮らし長屋」と呼ばれるいわゆるお金のない人達が住まうところで筆作りの内職や瓦版の挿絵を描いてひもじく暮らしている。その幸助の粗末なうちには絵から飛び出してくる厄病神が住み着いているが、幸助は追い出すこともせず「キチボウシ」と呼び、同居(?)している。このキチボウシのせいか、幸助のうちには次から次へと災難がふってくるが・・・。という出だし。

    収録されているのは以下の3話。
    ・貧乏神参上
    ・素丁稚捕物帳 妖怪大豆男
    ・天狗の鼻を折ってやれ

    時代小説だからか、畠中恵さんの「しゃばけ」シリーズや、髙田郁さんの「みをつくし料理帖」シリーズのいろんな場面が頭をよぎった。歴史に疎いので、「しゃばけ」などと時代的にどれくらい近いのかはよくわからないけれど、江戸時代の平穏な時期の庶民の暮らしぶりがわかるお話はわりと好きなので、予想外に楽しく読めた。

    のらりくらりとした話かと思いきや、「貧乏神参上」では殺人事件が起き、「天狗の鼻を折ってやれ」では死人が出る。幸助は「貧乏神参上」で調べをするうちに知り合ったお福旦那と協力して、2つの事件とも、最終的に解決していく。本書では最後まで正体が謎のお福旦那と幸助のチグハグコンビの事件解決は、なんだか人間味があっていいな、と思う。町奉行が全然使えないのに、偉ぶっているところなんかも、ユーモアがあって楽しくて笑える。ふたつの大きな事件の話に挟まれた「素丁稚捕物帳 妖怪大豆男」は小話といった感じでとてもかわいらしい。これはこれで面白かった。

    幸助が筆頭だが、お金がなくてその日暮らしでも、仕事がなくて暇をしていても、大店の旦那でも、丁稚や手代、番頭でも、なんだか人間味があるな~、温かいな~と思った。だから読んでいて楽しかったし、読了後はほくほくした気持ちになれた。

    災いは自分が被って自分がどうにかすればよいという、隣人愛とでもいおうか、福祉精神とでもいおうか、そんな器の大きな幸助だからこそ、人が慕ってくる。家主なんか、幸助が家賃を滞納しようが、家屋を損傷しようが、ちょくちょく夕飯をご馳走してくれる。

    事件解決の道筋も面白いけれど、やはり物語全体に、昔はこうだったのかなと思わせる人と人のつながりや、その間にある温かな思いやりが感じられて、とても心地よく読めた。読んでよかったと思った。
    セリフが多いので、リズムもよく、登場人物像も想像しやすかった。

  • タイトルと表紙の通り、コミカルで軽く読める一冊です。

    売れない絵師の葛幸助は、筆づくりの内職で生計をたてていますが、部屋に掛かる絵に封じられた瘟鬼(厄病神)と同居(?)をしているせいか、とにかく災難が降りかかってばかりで、筆屋の丁稚にも「貧乏神のおっさん」と呼ばれている始末。
    だったらその絵を処分するなりすればよいのですが、幸助は“お前(厄病神)がよそにいけば、そこのものに災難が降りかかる・・俺のところにいれば俺が一手に引き受けるので、ほかのものが助かる・・”と、人が好いにもほどがある理由で災難をマイルドに受け入れています。
    そんな貧乏神・幸助と、ひょんなことで出会った、謎の“福の神”こと福旦那と共に、謎の解明や人助けに奔走する話です。
    三話構成で、第一話と第二話の間に、筆屋の丁稚・亀吉をメインにした番外編が挟まっています。
    正直、展開が雑だな・・という印象は否めないので、読む人を選ぶかもしれませんが、台詞のテンポが良く、落語又はコントみたいな感じで何も考えずに楽しむには良いかもって感じです。こういう気楽に読める話は嫌いではないので、ユルく読ませていただきました。



  • 所は天下の台所、大坂は福島羅漢まえ。
    四軒長屋、八軒長屋どころか計画なしのやたらめったら増築し過ぎた百軒長屋。「日暮らし長屋」と呼ばれるボロ家に棲まう絵師は貧乏神と呼ばれ、大名家のお抱え絵師であったが、今は筆作りの内職で糊口を凌ぐ日々を送る。
    そんな長屋に一枚の絵がある。付喪神となった疫病神が絵の封印から飛び出し、不思議な日々が巻き起こる。
    長屋の長男たちのすったもんだの珍事が頻発する中、ひょんなことから福の神と呼ばれる若旦那と出会い、毎度の珍事を解決してゆく。
    長屋の心温まる人情もの。えてして、世の中ネガティブなことも多々起こるが、気の持ちようで何とでもなるよなと無責任だが優しい示唆を拾うことができる一冊でした。

  • 久しぶりに田中啓文氏の作品を読む。
    笑酔亭梅寿謎解噺シリーズ以来かなと。
    「大名倒産」にも貧乏神は出て来たので、またかと思ったが、それぞれ個性的で面白味がある。こちらの貧乏神は小さく貧相でどこか可愛らしい。

  • 貧乏長屋のその日暮らしな幸助。
    なーんかとぼけているのに、実は、というのが面白い。
    福の神、福旦さんも、そういう人?!とびっくりだった。
    もう、この2人のコンビ、ある意味最強じゃない?
    天狗の事件の犯人、とんだろくでなしで頭にくる。
    シリーズ化だろうし、たまには古畑同心も活躍できるといいねw
    先が楽しみだー。

  • 面白かったけど、江戸時代で大阪のものは初めてかも。
    そのせいかところどころ言葉がうまく読み取れず、そこがちょっと困惑した。
    貧乏神が「妖怪なんていない」と言うのが笑う。
    自分がいるのにそれ以外は否定的というか現代の考え方っぽい。
    特に疫病神が役に立つわけでもなく、ちゃんと怪異の種明かしもされて面白かった。

  • 続きそうな気もするし、これっきりな気も。
    通称"福の神"と呼ばれている豪遊している若旦那、いったい誰なんでしょうね。

  • 2022.07.19

  • ちょっともたついてた。
    亀吉が可愛い。

  • 内容紹介
    売れない絵師の家に
    厄病神が同居!?

    貧乏で災難続き、
    おまけに事件まで……

    大名家のお抱え絵師だった葛幸助は、
    今、大坂の福島羅漢まえにある
    「日暮らし長屋」に逼塞中だ。
    貧乏神と呼ばれ、筆作りの内職で糊口を凌ぐ日々。
    この暮らしは、部屋に掛かる絵に封じられた
    瘟鬼(厄病神)のせいらしいのだが、
    幸助は追い出そうともせずに呑気に同居している。
    厄病神が次々呼び寄せる事件に、
    福の神と呼ばれる謎の若旦那や丁稚の亀吉とともに、
    幸助が朗らかに立ち向かう。
    (書下し痛快時代小説)

       第一話 貧乏神参上
    素丁稚捕物帳 妖怪大豆男
       第二話 天狗の鼻を折ってやれ

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著者プロフィール

1962年大阪府生まれ。神戸大学卒業。93年「凶の剣士」で第2回ファンタジーロマン大賞佳作入選、短篇「落花する緑」で「鮎川哲也の本格推理」に入選しデビュー。2002年「銀河帝国の弘法も筆の誤り」で第62回日本推理作家協会賞短篇部門を受賞。ミステリー、ホラー、伝奇と様々なジャンルで活躍し、時代小説では「鍋奉行犯科帳」「浮世奉行と三悪人」などのシリーズなどがある。

「2023年 『貧乏神あんど福の神 秀吉が来た!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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