刑罰0号 (徳間文庫)

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  • 徳間書店 (2020年2月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784198945350

作品紹介・あらすじ

罪を犯した者に、被害者が体験した記憶を
追体験させることができる機械「0号」。
死刑に代わるシステムとして開発されるが、
被験者たち自身の精神状態が影響して、
なかなか成果が上がらない。

その最中、開発者の佐田洋介教授が私的な目的で
使ったために研究所から放逐される事態に。
研究は、部下の江波はるかが
密かに引き継ぐことになったが……。

人の心の機微を描くことに定評のある著者が、
近未来を舞台に描く、渾身のヒューマン・ドラマ。

刑罰0号
疑似脳0号
ギニーピッグ
エレクトラ
NOVO0号
聖戦
グラウンド・ゼロ

解説 大矢博子

みんなの感想まとめ

被害者の記憶を加害者に追体験させる機械「0号」を中心に描かれるこの作品は、死刑に代わる新たな刑罰システムをテーマにしたヒューマンドラマです。開発者の私的な目的による研究の頓挫と、部下による引き継ぎを通...

感想・レビュー・書評

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  • 罪を犯した者に、被害者が体験した記憶を追体験させることができる機械「0号」。
    死刑に代わる新しい刑罰システムとして開発されるが、なかなか成果が上がらない。
    そんな最中、開発者の佐田洋介教授が私的な目的で「0号」を使用したことが発覚し、研究所を放逐される事態に。
    研究中止と思われたが、密かに部下の江波はるかが引き継いでいた……。


    被害者の記憶を加害者に追体験させるシステムをめぐる、ヒューマンドラマ・SF小説です。
    ライトノベルのような表紙の雰囲気から、若者向けに死刑の是非を問いかける軽めの社会派SFみたいなのをイメージしていたのですが、被害者・加害者意識から刑罰、宗教、原爆・テロリズムなど、様々なテーマが詰められた壮大な話で驚きました。

    作中で、死刑廃止国と継続国の違いを話すシーン、日本では「仇討ちを是とする考えが根強い」という話が出て、確かにと納得してしまいました。
    仇討ち・敵討ち・仕返し・復讐ものって人気あるんですよね。古くは忠臣蔵から落語の題材、かちかち山などの昔話。最近だと復讐がテーマの漫画も色々出てますし、いわゆる小説投稿サイトの「ざまぁ系」とかも。
    犯罪だとしても、どこかに「あっちがもっと悪いのだから、これは正当な行為だ」という気持ちがあるからかもしれません。

    肝心の「0号」の話。被害者の記憶を加害者に追体験させることが、本当に死刑に代わる贖罪として機能するかと考えると、私はちょっと難しいのではないかと思ってしまいます。
    加害者の精神状態によっては、加害者が逆に被害者意識をもってしまう事に繋がらない? とか。というか、シンプルに身内が被害者なら加害者に記憶見せたくないなとか。日本の刑罰システムに全面的に賛成も反対もしているというわけではないですが、どういったシステムでも必ずどこかからは反発が出ると思うので難しい話ですよね。

  • 死刑に代わる新たな刑罰0号。被害者の記憶を加害者に追体験させる死刑にかわるような贖罪システムとして開発されたが…

    表紙とタイトルから勝手にもっとライトな少年誌系の物語と思ってたけどゴリゴリに旨みの詰まった濃いめの青年誌のような物語

    軸となる刑罰0号の話からいろんな話に発展していく連作短編集でめちゃんこ面白い

  • 死刑にかわるシステム刑罰0号。記憶追体験。興味深い、考えさせられるテーマだ。

  • 面白かったー!!!この方法は効果がありそうな気がする。できたら、頭の中で傷みも伴うようになればさらに期待できるんじゃないだろうか。

    イマイチな犯罪者には隔週で色々受けさせるのも良さそう。

    相手の気持ちを考える。
    被害者遺族の気持ちを埋め込んでもありかなぁ。

    そんなふうに思える一冊でした。

    実際に使えるようになったらなお良さそう。と、思えるほどに画期的なシステムでした。

    この短編でだんだん未来に移って行く描き方も、その後がずーっと繋がってて面白かった!!!!!!

    この著者はいっとき大ハマりしましたが、またハマりそうな予感!!!!

  • 読書、物語こそが0号技術であり、記憶追体験装置なのである。

    6つほどの短編が、少しずつ重なり合って全体像が見えてくる小説。
    最初は暗い話なのかなと読み進めるのに時間がかかったが
    後半になると0号技術に興味が出てきて、応用されていく使い方に読むのが止まらなくなった。

    私はこの本を読んで、0号体験をしていたと思うと、本当に面白い。
    ますます読書が好きになった。
    もう一度読みたいので★5つ。

  •  被害者の記憶を加害者に体験させることで贖罪の気持ちをもたせることを目的としたシステム「0号」の試験運用が密かに開始されていた。

     短編かと思いきや、実は全て〈0号〉が運用されている物語…だけならまだ読みやすかったかも。途中から開発側の事情やらなんやらでごちゃごちゃして、結局最後の方は流し読みみたいになってしまった。ファンタジーというか、元々あまり好きなジャンルじゃないからかも。

  • 発想は凄く面白いと思ったんだけど、ちょっとメイン陣のキャラが深まらないかな?ってところと後半風呂敷広げまくっちゃう辺りがもったいなかったかも。

  • 初西條奈加がこの作品でエエのか?すごく良くできた近未来SFだが、時代小説を読まずして、この本でエエのか?

    死刑に代わる贖罪システムとして開発される0号。被害者の記憶を加害者に追体験させるシステムなのだが、このシステム開発者の一人が、父親殺しの犯人に私的に使ったことから物語が動きはじめる。

    記憶をいじること、他人の意識を埋め込まれること、これらが頭脳にどう影響を及ぼし、それが人類にとってどういう変化をもたらすのか?個人の生活への影響から最終章ではテロリストの兵器として全世界に影響をもたらす様まで描かれており、非常に興味深い。風呂敷をたたみつつ広げつつ物語を収束させるという高等テクニックはさすがである。

    そして、実は読書は、他人の意識を追体験してるという、まさに0号の基本であるという解説にうならされる!なるほど、人間の想像力は恐ろしく果てしなく可能性があるもんだなぁ!良い趣味を持てて良かった

  • 読んだ後に心にずしんと来る様な重いコンセプトのものを探していたので購入。0号の技術又はその応用について、話が飛躍しすぎていて現実味がないように思える場面もあったが、0号が本当に実現したらどんな世界になるのだろうかと考えてしまうほどに物語に没頭してしまった。原爆、刑罰、テロ、精神病治療…と様々な題材が詰め込まれていて、それぞれの在り方について考えさせられる作品だった。作者さんのSFものをもっと読みたくなった。

  • 被害者の記憶を加害者に追体験させることが、死刑に代わる贖罪のシステムになるのだろうか。記憶の共有が実体験の共有に繋がるのだろうか。
    何とかしたいと思う気持ちが一つの方向性を持った時事は進み始める。その意思が続く限り目標は近づくだろう。

  • なかなか斬新な小説だと思いました。どの角度で見るかで楽しみ方がまったく異なるのではないかと。例えば、核の問題、死刑問題、新しい多重人格物としても捉えられます。次回、読んだ時感想かわりそうだなぁ。おもしろかったのでブログで紹介してます。https://chobidoku.com/keibatsu0gou/

  • 自分には合わなかったなー

  • 西條奈加さんにこんな作風があったんだ!とびっくり。
    記憶の追体験をさせることで死刑に代えるという発想、物語のスケールの大きさはすごいなと思ったが、私は時代小説の方が好きだな。

  • 自分の意見として、何件も殺人を犯してるとか惨い事件を起こしたとか社会的に影響のある事件を起こしたとか、その場合は死刑判決も妥当だと思ってる。
    犯人が未成年の場合は極刑を逃れる事もあるし、惨い事件と思っても極刑にならない場合もあって、被害者の気持ちを考えると無念でならないんだけど、そんな時に死刑に替わって0号のシステムがあったら多少は救われるのかなあと思った。
    加害者に被害者の記憶を追体験させる事で自分の罪の重さを自覚させる。死刑に出来ないのであれば被害者の記憶を追体験させて恐怖を与えるのも良いのではないなかと。
    途中までは0号を体験した加害者のあれこれが面白かったんだけど、後半はなんだか方向性が変わった気がして、面白さが半減してしまったかなあという印象。

  • おもしろかった?けど
    最初の始まり方と終わり方にギャップがあって
    あっ!そっちで終わるんだ!って感じだった
    でもこの刑罰0号が現実世界にあったら
    被害者の方々の強い味方?(という言い方が
    あってるかはわからないけど)
    になるんじゃないかと思った。

  • 相手の立場になって考えろってよく言うけど、まさにこれって感じ。
    普通に面白かったけど、もっとドロドロしたものかと思ってたから若干期待しすぎた。
    加害者に被害者の記憶や想いを体験させる機械、0号。
    臨床段階にあったが時を経て段々テロ組織として使われるようになってしまい…
    ラストはハッピーエンド。
    1番最初の加害者が本当はいい子で、でも被害者の記憶を植え付けられて、2つの人格が共存する身体になってしまった。互いが思いやりをもっていて温かい気持ちになった。

  • 想像していた内容とは違ったけれども、想像以上に考えさせられながら読めた。連作短編の難しいとこでもあるが、一編がどうしてもライトにならざるを得ないのは苦しいところ。本当はもっともっと濃い一編を読みたくなる作品。

  • 内容は面白かったと思う。
    でも思っていたのとは違う内容だった。

  • 0号が始動されて人生がどう変わるか、どの様に罪を償う様になるかについての本だと思って読みはじめた。
    コンセプトは凄く好きで、考え込まれてた部分も多く色々勉強にもなった。
    個人的には急に全世界に始動したりしてスケールが大きくなってしまった所もありフォーカスされた部分が広すぎて読みたい物と違った為全体としての評価はそこまで良くなかった。

  • 初代0号では、精神の弱さから
    被害者の体験に耐えることができなかった加害者たち
    それは実験の失敗だったのだろうか?

    死刑囚が死刑になっても奪われた命は戻ってこない
    ある意味、この機械が有効な加害者にとっては
    死刑以上の刑罰を与えることができるようになったのではないかと感じてしまうのは、
    作中に書かれている""日本人的""思考なのかも

    話が進むに連れ、
    開発者の部下であった江波と仲間の手によって
    目的を変え、進化を遂げる0号
    その過程がおもしろい

    後半は収束に向かってテンポよく進んで
    ちょっとテンポ良すぎる感もあるけど
    すごくサクサク読めて一気読みできました

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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