浅田家! (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198945749

作品紹介・あらすじ

二宮和也主演!
「家族」を撮り続けた写真家と、彼を支え続けた「家族」の
笑いと涙あふれる感動実話。
映画『浅田家!』10月2日(金)全国公開に先がけ、小説版8月7日(金)発売!

「一生にあと一枚しか、写真と撮れないとしたら?」
彼が選んだのは、“家族”だった――。


消防士、レーサー、ヒーロー、バンドマン……家族全員を巻き込んで、
それぞれが“やってみたかったこと”をテーマにコスプレし、
その姿を撮影したユニークすぎる《家族写真》で、写真界の芥川賞・
木村伊兵衛写真賞を受賞した、写真家・浅田政志(二宮和也)。


受賞をきっかけに各地の家族から撮影依頼を受け、《家族写真家》として
ようやく軌道に乗り始めたとき、東日本大震災が起こる――。
かつて撮影した家族の安否を確かめる為に向かった被災地で、
政志が目にしたのは、家族も家も全てを失った人々の姿だった。

「家族ってなんだろう?」
「写真家の自分にできることは何か?」

シャッターを切ることが出来ず、自問自答を繰り返す政志。
津波で泥だらけになった写真を一枚一枚洗浄して、家族の元に返す
《写真洗浄》の活動に参加し、そこで写真を見つけ嬉しそうに
帰っていく人々の笑顔に触れることで、再び《写真の持つチカラ》を
信じられるようになる。
そんな時、一人の少女が現れる。

「私も家族写真を撮って欲しい!」
それは津波で父親を失った少女の願いだった――。

感想・レビュー・書評

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  • 序盤メチャクチャ面白く

    後半しっかりと考えさせられた
    家族の大事さ
    自然の怖さ

    今現在、人工的に自然を壊したり、人を殺めたりしてるが全て無意味
    世界全体が貧しくなるだけ
    貧しくなるからもっと傷つけ合う原因になる

    本当にくだらない
    そんな事してる場合じゃない

  • 実在の話をもとにしたってことで
    震災の話とかも入ってて、いろいろと思ってしまうことがありました。
    本にはあった出来事以上にいろいろなことがあったと思うし。

    家族写真
    すごく大切だと思った。

    いつも写真を撮る役割の人の写ってる写真が少ない…
    そこを、考えて写真を撮ろう!

    若菜、すごく待ったね…
    私、そんなに待てないかも…

  • 写真を見たような一冊。

    何度浅田家に笑って涙しただろう。

    読み進めながら政志の写真への向き合い方、家族への想いが次第に浮き上がりゆっくり明確な色彩となって現像されていくようで、最後はやるべきこと、家族の支え、絆、出会いの教えが写し出された大きなパネル写真を見た気分。

    写真とはその時その瞬間を生きていた証。

    だからこそ生半可な気持ちでは撮れない撮りたくない政志の思いが心に響く。

    一枚の写真が人に笑顔はもちろん救いをももたらす。
    涙もやがて生きるための笑顔へ…。

    人の心を動かす写真の力。しっかりと心に焼きつけられた。

  • 僕は、なりたかった写真家になった。しかし、...

    ...と言うことで、嵐の二宮さん主演で、今公開されている映画『浅田家!』の原作本。
    実話を基にした作品とのこと。

    家族のコスプレと言うテーマで、ユニークな写真集を出し、プロとなった浅田政志。しかし、東日本大地震(3.11)の被災地の現状を見て、写真が撮れなくなった。そして始めたのが、被災写真の返却作業のボランティアであった。

    そこで出会う、さまざまな人々。
    行方不明になった親友を探す青年、娘を探す父親、そして父親を探す幼い少女、などなど。
    8万枚の一枚一枚の写真に込められた家族の想い。

    果たして、政志は、再び『浅田家』の写真を撮ることが、出来るのか?

    映画では、カットされた細かい所も、原作版にはありましたね...(兄嫁の和子さんとの出会い、など)。

    映画で登場した多くの『写真』が掲載されているのも、嬉しい限りです。
    笑って泣ける小説です。

  • ノンフィクションをもとにした、フィクションとのことですが、、
    手に取ったのはその題名が、高校からの友人の名前だったから。

    最初の舞台が出身地でもある「三重県」というのにも、不思議な縁を、
    ちなみに、三重県で生活したことはなく、妹共々東京育ちな身ですが、

    両親はもともともそちらの出身で、仕事で東京に出てきていたので、
    家の中は三重県風味な感じだった気がします、イントネーションとか。

    両親は定年して実家に戻っていますが、、閑話休題。

    さて、主人公は、どうしようもなくふわふわした次男坊、政志さん、
    1979年生まれとのことですから、世代的にもやや被っていたりと。

    物語の舞台は、三重県から東京、そして岩手へと連綿と、
    その時代は、10代から20代前半の三重、20代後半からの東京、

    そして、岩手では2011年に始まった物語が綴られていきます。

    軸となるのは「家族写真」、きっかけは些細なこと、
    どうしようもなく日常的な、それでも家族にとっては印象的な、
    そんな出来事を切り取った一葉の家族写真が、スタートとなります。

     「一生にあと一枚しかシャッターを切れないとしたら、何を撮るのか」

    それでも物語の前半は、政志さんのゆる~いキャラが投影されたかの如く、
    どうにも頼りなく、どこかふわふわとした、でもほっこりとする、エピソードが続きます。

    それが一転するのは、岩手の物語が始まってから、、そう、東日本大震災を経て、
    一枚の写真が、家族を映した様々な写真の大切さが、描かれていきます。

    確かに2000年を過ぎたくらいから、デジカメが主流になりはじめて、
    今ではスマフォで、下手するとカメラよりも綺麗な写真も撮れるようになっています。

    そういった環境下では、現像してアルバムにまとめたり、
    あとから気まぐれにページをめくったり、なんて習慣は減っているかな、とも。

    私自身、大学くらいまでは現像写真も結構な数が残っていますが、
    今の家内と付き合い始めたくらいからは、デジカメでの記録の方が多いですね、確かに。

    それはそれで、手軽で身近に残せてよいのですが、やはり、
    実際に手に取ってしみじみと眺められるのもよいなぁ、と思います。

    そういえば、デジタルフォトフレームは重宝しています、
    ランダム表示にしておくと、たまに予想外の写真が出てきて楽しいです。

    そういった意味では、こちらの本でも合間合間に、浅田家も含めての、
    いろいろな家族写真が織り込まれていて、素敵だなぁ、と。

    家族でかしこまって写真、なんていうとどこか気恥ずかしさもありますが、

    我が家では、息子が生まれてからは、年賀状用に撮るようにしていますが、
    やはり1年に一枚くらいは残していきたいなぁ、、とあらためて思いました。

  • 家族の温もりに涙した。昔、住んでいた町が水害にあったとき、同じように一枚一枚写真の洗浄をして家族に渡したことがあった。意外と水に強い。丁寧に扱い乾かせば綺麗に復活する。今や欠かせないスマホやデジタルカメラは何度も撮り直しがきく便利なもの。ただ今回は、本を通してフィルム写真の良さをあらためて実感する。

  • 前半はテンポ良く、愉快な浅田家の物語が進む。

    お父さんもお母さんも面白い!
    浅田家が変わってる家族なのはお父さんの前衛的なところが大きく影響してるのかな。
    庭に他人が見るとガラクタを並べてる家、あるよね!そうか、防犯のためだったのか!!ははは!

    震災後の後半はやっぱり読んでいてつらい。

    直接被災していなくても、なんか心に傷みたいのがあって、どの登場人物の話もそこにしみて、つらい。読後もジンジンする。

    ノベライズ本ではなくて普通の本だったらもっと読みたかったな。
    家族はその数だけ物語があるから、小野家とか美智子家とかもっと深く知りたい。

    映画は見ていないが、二宮くんは合ってるんじゃないかな。
    ニカっと笑ってお願いを聞いてもらうところや、津の漁港で釣りをしてる風にぼーっとしてるシーン、似合いそう。

  • 泣いてしまう。

    我慢しても、泣いてしまうんです。
    バスの中で、読みながら涙が出てきて
    どうしようと困ったのを覚えてます!

    ノンフィクションな内容は
    主人公がカメラを通して人生を見つめて
    戸惑いながら、自分にしか撮れない写真を
    探していく姿が心に染みました。

  • いつもは映画の原作は読むものの、ノベライズは滅多に読みません。
    でも今回、縁あってノベライズを読んでみました。

  • 二宮さんが久しぶりに主演映画をする
    ということで,まずは原作を。
    ある写真家の実際にあった話という情報だけで
    読み始めたけど,素敵すぎる内容だった。

    家族の笑顔が見たいから写真を撮る。
    その写真が本当に本当に素敵でキラキラしてて
    こんな家族憧れるな〜と思った。
    特にそう思ったのが消防士の写真。
    家族の数が増えたり減ったり……
    家族がいるということが当たり前になりがちやけど
    改めて家族に感謝したいと思った。

    映像で観たくなったので,絶対に映画を観に行く!

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著者プロフィール

1973年京都府育ち。京都産業大学卒業後、日本映画学校に入学。2000年卒業制作『バンザイ人生まっ赤っ赤。』が日本映画学校今村昌平賞、第1回TAMANEWWAVEグランプリなどを受賞。卒業後、助監督やテレビディレクターを経て、自主短編映画『ロケットパンチを君に!』で、ひろしま映像展2006グランプリ、第10回水戸短編映像祭準グランプリなど7つの賞に輝く。2008年文化庁若手映画作家育成プロジェクトに選出され、35mmフィルムで制作した短編映画『琥珀色のキラキラ』が高い評価を得る。自主長編映画『チチを撮りに』が、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012にて、日本人初の監督賞を受賞、第63回ベルリン国際映画祭を皮切りに各国の映画祭に招待され、国内外で14の賞に輝く。2016年商業デビュー作となる『湯を沸かすほどの熱い愛』が、第40回日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞、最優秀助演女優賞など、国内映画賞で35冠。第90回米アカデミー賞外国語映画部門の日本代表に選ばれる。2019年初の原作モノとなる『長いお別れ』を5月に公開、ロングランヒットに。独自の感性と視点で、家族を描き続けている。

「2020年 『浅田家!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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