残心 (徳間文庫)

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  • 徳間書店 (2021年12月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784198946982

作品紹介・あらすじ

俳優・東 ちづるさん推薦!
ベストセラー『白砂』の著者による社会派推理

老老介護の夫婦はなぜ死ななければならなかったのか?
京都という「古都」に潜む闇とは?

正義は人それぞれ違うもの。
自分が正しいと思い始めたら、怖い。
間違いの始まりかも。
――東ちづる
(俳優・一般社団法人Get in touch代表)

京都の地元情報誌の記者・国吉冬美は、尊敬するルポライターの杉作舜一が京都に来ていることを知る。
次回作の題材が老老介護で、冬美もよく知る医師の三雲が取材先を紹介したのだ。
だが訪れた取材先で、寝たきりで認知症の妻は絞殺され、介護していた夫は首を吊って死んでいた。
老老介護の末の無理心中?
杉作の事件調査に協力することになった冬美は、やがて哀しき真実を知ることに――。
29万部突破のベストセラー『白砂』の著者による社会派推理。

みんなの感想まとめ

老老介護をテーマにしたこの社会派推理小説は、深刻な現代の高齢社会の課題を浮き彫りにします。物語は、京都の地元情報誌の記者・国吉冬美が、尊敬するルポライターの杉作舜一と共に、無理心中の事件を追う過程で展...

感想・レビュー・書評

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  • ルポライターというのがどんな仕事なのかわかっていなかったが、この本によって何となくわかるようになった。
    老老介護の事で、今はこんな問題もあるんだと、自分の中で色々と考えるきっかけとなったし、やっぱり国の制度そのものや政治に目を向けていこうと思えた。

    内容的には、何となくわかってしまっていた部分が多かったが、人によって「正義」の概念が変わってしまい、それに対する「犠牲」を仕方ないとする人は少なからずいるのではないかと思った。

    何となく表紙から、幼い子が絡む話かと思っていたが全然違かったので面食らった。

  • 鏑木蓮『残心』徳間文庫。

    久し振りの鏑木蓮。老老介護をテーマにした社会派推理小説。

    真犯人とその目的はというミステリーの王道のようなストーリー。しかし、真犯人の正体が二転三転する訳でもなく、冒頭で感じたままの結末だった。ならば、最初から真犯人の正体を明かしておいて、その理由を解明するという展開も面白かったのではなかろうか。

    主人公の京都の地元情報誌記者・国吉冬美が岩手県花巻市石鳥谷町の出身というのは鏑木蓮らしい設定だ。

    漫画家を目指して岩手県花巻市石鳥谷町から京都の大学に入学した国吉冬美は漫画家になる夢はなかなか叶わず、知人の紹介で京都の地元情報誌の記者となる。

    ある時、冬美が尊敬するルポライターの杉作舜一が次回作のテーマとなる老老介護の取材で京都に来ていることを知る。冬美もよく知る医師の三雲が杉作に取材先として、とある老夫婦を紹介したのだった。老夫婦の家で取材を終え、ホテルに戻った杉作は帰り際に認知症の妻を介護する夫の言葉が気になり、再び老夫婦の家に向かうと妻は絞殺され、夫は首吊り自殺を図っていた。

    杉作の取材に協力することになった冬美は哀しい真実を知ることに……

    本体価格750円
    ★★★★

  • 老々介護の夫婦の無理心中事件が起こる。
    記者とルポライター、医師により真相が明らかになる。
    介護や終末医療、皆保険制度と重いテーマが詰め込まれた一冊でした。

  • 老老介護の末に評判の良い夫婦が無理心中。
    しかし、そこには不可思議な光景と心理が残っていて、雑誌記者・ルポライター・医師によって真相が明らかになっていくミステリー。
    老老介護、在宅医療、国民皆保険制度など現代の高齢社会の闇に触れた気がした。

  • 老老介護の末に評判の良い夫婦が無理心中。
    しかし、そこには不可思議な痕跡と心理が漂っている。雑誌記者・ルポライター・医師によって真相が明らかになっていくミステリー。
    老老介護、在宅医療、国民皆保険制度など現代の高齢社会の課題が炙り出されているように感じた。

  • ルポライターの取材先は老老介護の状態のお宅。健康保険に介護保険、日本の制度は万全か?と言うこのライターの正義感は正しいのかどうか
    完璧な制度などありはしないとは思うけれど、より良いものであって欲しいと思う。
    ライターさんも適度にね

  • Amazonの紹介より
    京都の地元情報誌の記者・国吉冬美は、尊敬するルポライターの杉作舜一が京都に来ていることを知る。
    次回作の題材が老老介護で、冬美もよく知る医師の三雲が取材先を紹介したのだ。
    だが訪れた取材先で、寝たきりで認知症の妻は絞殺され、介護していた夫は首を吊って死んでいた。
    老老介護の末の無理心中?
    杉作の事件調査に協力することになった冬美は、やがて哀しき真実を知ることに――。


    ミステリー小説としてだけでなく、事件の過程や背景など社会問題にも取り扱っていて、他人事ではないなと実感させられました。

    題名である「残心」とは、武道の世界では、一つの動作を終えたあとでも緊張を持続する心構えという意味ですが、ここでは「心残り」として解釈されているかと思います。

    主人公の冬美が、無理心中として処理された事件に異議を唱えて、自力で取材をしていきます。

    後半になるにつれて、もしかして事件の真相はこうなのでは?という推理がなんとなく想像ができるかなと思いました。
    無理心中じゃなければ、こうだよねといった選択肢しかないので、ミステリーとしては微妙かなと思いました。
    むしろ社会問題としての老老介護について、色々な苦悩も描かれているので、考えさせる作品として楽しめるかなと思いました。

    事件の真相が判明した時、なんとなく「ルポライター」としてや「記者」としての意義を問われているように感じました。「書く人」として何ができるのか?何のために書いているのか?自分の欲望だけで仕事をするのではなく、それぞれの「正義」に責任感を持って活躍していただきたいなと思いました。

    冬美の真っ直ぐな精神は理解できますが、様々な取捨選択するやり方には勝手すぎるなぁという部分もありました。
    嫌なものは嫌だという気持ちはわかりますが、もう少し記者としての信念というものも貫いて欲しいなとも思ってしまいました。

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著者プロフィール

鏑木 蓮(かぶらき・れん)
1961年京都府生まれ。広告代理店などを経て、92年にコピーライターとして独立する。2004年に短編ミステリー「黒い鶴」で第1回立教・池袋ふくろう文芸賞を、06年に『東京ダモイ』で第52回江戸川乱歩賞を受賞。『時限』『炎罪』と続く「片岡真子」シリーズや『思い出探偵』『ねじれた過去』『沈黙の詩』と続く「京都思い出探偵ファイル」シリーズ、『ながれたりげにながれたり』『山ねこ裁判』と続く「イーハトーブ探偵 賢治の推理手帳」シリーズ、『見えない轍』『見えない階』と続く「診療内科医・本宮慶太郎の事件カルテ」シリーズの他、『白砂』『残心』『疑薬』『水葬』など著書多数。

「2022年 『見習医ワトソンの追究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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