- 徳間書店 (2022年2月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (290ページ) / ISBN・EAN: 9784198947187
作品紹介・あらすじ
一人三役の奇妙な殺人事件+非モテ男の残酷な
恋
「私はこの事件の犯人であり、探偵であり、そ
してどうやら被害者にもなりそうだ」。非モテ
の三流物書きの私は、八年越しの失恋の腹いせ
に想い人の風邪薬を盗み〝毒殺ごっこ〟を仕組
むが、ゲームの犠牲者役が本当に毒死してしま
う。誰かが有紀子を殺そうとしている! 都筑
作品のなかでも、最もトリッキーで最もセンチ
メンタル。胸が締め付けられる残酷な恋模様+
破格の本格推理。史上初の文庫連載、幻の「ア
ダムと七人のイヴ」第2話も特別収録。
イラスト シマ・シンヤ
〈目次〉
猫の舌に釘をうて
アダムと七人のイヴ 第2話 SCUBA DO,OR DIE
解説 法月綸太郎
みんなの感想まとめ
テーマは、非モテ男が織り成す複雑な恋愛とミステリーの融合であり、主人公が犯人、探偵、被害者の三役を演じるという独特な構成が魅力です。昭和初期を舞台にしながらも、古臭さを感じさせないオシャレな登場人物た...
感想・レビュー・書評
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この前読んだ倉知 淳作「猫の耳に甘い唄を」は、この作品のオマージュということ。そして、昭和のミステリー作家としてよく名前が挙げられている中、ようやく作品を読むことができた。
徳間文庫が復刊し、粋な表紙(装丁)である。もちろん猫好きとしても猫の配置が絶妙である。
さて、内容。
なるほど、手が込んでいる。久しぶりに遡って読み返しながら、謎解きを反芻した。
登場人物は皆、昭和初期の生まれなのに全く古臭さを感じず異国を思わせるオシャレさ。
有紀子を思うシャイな淡路は、今の時代にあってなんとも魅力的・・・
と、別世界に浸れた古典であり、新ジャンルに触れた時間であった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「猫の舌に釘を打て」という小説の束見本(つかみほん)白紙の製本サンプルみたいなもの?に主人公が手記を書いてるという構成のミステリ作品!
初っ端から主人公が犯人=探偵=被害者の三つともになる!!ってどういうこと??どうやってやるん??なんで束見本に書かれてるん??ってワクワクしながら読み進めていけた!!
1961に刊行された作品を今読んでも楽しめるってほんまにすごいなぁ〜!!!何故か昔の作品の方が現代の作品よりもゴリゴリに尖ってるミステリIQ高めの作品が多いんなぁって毎回感心する!!(誰が言うてるねんって話やけど) -
レジェンド作家都築氏2作目、この文庫本は令和になって復刊されている。前に読んだ「やぶにらみの時計」と同じく、今後も氏の作品が装丁あらたにして復刊されていくようである。お見事徳間文庫様!
今作は「やぶにらみ~」に続く都築氏の長編2作目である、全作に比べても非常にトリッキーな作風であり、それは書き出しの1文に集約されていた。「私はこの事件の犯人であり、探偵であり、そしてどうやら被害者にもなりそうだ」初版は1961年である。なんとも挑戦的書き出しだと思う、ミステリにおけるトリック、探偵=犯人、書き手=犯人、などはこの時代にはあらかた出揃っていたと思われるが、今作はなんと一人3役である。どうやって成立させるの?思い読み進めていくのだが、中盤では、入れ子構造にまでなってくる。主人公淡路氏の記録として綴られる事件のあらましが、作家都築道夫氏の束見本(本の仕上がり具合を確認するために白紙ページを製本したダミー、解説より)に記されている。つまり読者が読んでいる「猫の舌に釘をうて」は主人公淡路氏の記録であるという構成である。以下ネタバレあります!注意してお進みください。
この主人公淡路氏はいわゆる文筆業で生計をたてていて、自称ミステリ作家である。
そんな彼のカタチにならない恋が事件の大きな柱となっている。最初の事件からドタバタ劇的な「やぶにらみ~」やら映画化された「殺人狂時代」を思い出したが、なんだかんだで書き出しの一文に事件が集約されていき、素直な感想は、お見事!であった。ただ登場人物がやや多く、それぞれのキャラ立ちがやや弱いので、結末部分でページを見返すことが多く、ちょっとモヤっとした感が否めなかった。淡路氏の思い人ヒロインも最終的には殺されてしまうのだが、その過程において、犯人の思いの変化が事件の顛末において変化球なりうる、というくだりは、今作にかけるその時代での都築氏の大いなる挑戦なんだったと思う。
そして解説(法月綸太郎氏)を読んで、都築氏が手掛けたミステリの定石、伏線の数々などにやっと気づけた。そしてお見事加減が上昇することになる。
今から60年以上前の小説なのに、非常に読みやすい、そして昭和30年代の東京の様子が精緻に描写されており、令和の現代とは相当な様変わりをしているのだろうが特筆すべき点である。この物語の背景、当時の東京の風景を見てみたいものである。 -
北村薫「ミステリ十二か月」で言及されていたので手に取った。やはり、この人のチョイスに間違いはない。
「シンデレラの罠」の上を行く技巧ミステリ。読みどころは、主人公が犯人・探偵・被害者の3役というだけではない。ミステリで、恋愛小説で、私小説で、さらに懐かしの東京を描く「都市文学」でもあるのだ。
作者あとがきによれば、恋愛小説をストレートに書くのはためらわれ、「てれ性」ゆえの技巧だという。数々の煙幕ゆえ、ミステリか恋愛か、どちらが本意なのかは分からないし、どっちでもいい。本作が名作であることに変わりはない。
ややネタバレになるが、一人称ダメ男のイタい犯罪という点では、「ロートレック荘事件」「倒錯のロンド」に通じると感じた。ややずれるが「葉桜の季節に君を想うということ 」も思い浮かぶ。また、「仮題・中学殺人事件」を読まねば。 -
第139回アワヒニビブリオバトル「秘密part2」で紹介された本です。
2026.3.3 -
「私はこの事件の犯人であり、探偵であり、どうやら被害者にもなりそうだ」なんと興味惹かれる物語の始まりだろう。設定が面白いだけにその後の内容に期待しすぎて、あまり楽しめなかった。仕掛けは面白かったが。
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今でも色褪せない魅力的なミステリー。素晴らしい作品。
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【私はこの事件の犯人であり、探偵であり、そしてどうやら被害者にもなりそうだ】から始まっていく。
盗んだ風邪薬をこっそりコーヒーに入れたら飲んだ人が死んでしまった。風邪薬を飲むはずだった有紀子が狙われているのでは、と調べていくうちに意外な展開に。
ホントのラストに気づかなかったら真相は分からなかったな。名探偵だったんだな。最後の文言は役割の順番に変わってるんだな。
時代設定が古くてちょっとにくかったな。
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都筑道夫の作品
