犬 (徳間文庫)

  • 徳間書店 (2023年1月12日発売)
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感想 : 5
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  • 本 ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198948184

作品紹介・あらすじ

選考委員満場一致
大藪春彦賞受賞作

ドライブ感が並大抵ではない―大沢在昌
圧倒的な熱量とぎらぎらした体臭―黒川博行

大阪でニューハーフバー「さくら」を営む桜は63歳のトランスジェンダーだ。23歳で同じくトランスジェンダーの沙希を店員として雇い、慎ましくも豊かな日々を送っていた。そんなある日、桜の昔の男・安藤勝が現れる。今さらと思いながらも、女の幸せを忘れられない桜は、安藤の儲け話に乗ることを決意。老後のためにコツコツと貯めた、なけなしの1千万円を用意するが……。鬼才が放つ、狂乱の疾走劇。第22回大藪春彦賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 赤松利市『犬』徳間文庫。

    第22回大藪春彦賞受賞作。

    個人的に苦手なトランスジェンダーを主人公にしたピカレスク小説だが、面白い。

    国の誤った政策で非正規雇用が増加し、日本は貧困国に成り下がり、社会保障額は目減りし、老後の不安は増す一方。死ぬは地獄、生きるも地獄の今のご時世。一攫千金を狙ってもリスクばかりで、うまい話に儲けは無い。貧困のあるところに犯罪あり。

    大阪でニューハーフバー『さくら』を営む63歳になるトランスジェンダーの桜は、同じトランスジェンダーで24歳の沙希を雇い、慎ましい生活を送っていた。

    ある日、『さくら』に桜の昔の男であった安藤勝が現れる。久し振りの再会に舞い上がる桜に安藤が儲け話を持ち掛け、桜は老後のためにコツコツ貯めていた1千万円を用意する。安藤に1千万円を託し、店を閉めて、二人で暮らすことを決意した桜は沙希に100万円を渡し、解雇を告げる。

    しかし、虎の子の1千万円を信じていた沙希に持ち逃げされる。沙希のインスタグラムの投稿を手掛かりに行方を探す桜と安藤だったが……

    後半からの暴力の嵐。ホッとしたのも束の間。その結末は……

    冒頭で23歳だった沙希が早々と24歳の設定に変わったのは、『さくら』で働いて6年という表現が描かれたからなのだろう。23歳の6年前にだと17歳から働いている計算になり兼ねない。

    本体価格820円
    ★★★★

  • スッゴイなこれは。
    色々、感情が揺さぶられる!
    中でも暴力シーンはエグい。

  • 面白いけど見てられないシーンばっかだった

  • トランスジェンダーも老いるよなー、そりゃそうだよなー、という感覚。
    文体も登場人物も思想も状況もとにかく醜い小説。”Ugly”そのもの。肛門性交の際に潤滑剤なるものを一切使わない、挿れる側にも相当の痛みがあるはずだが、その痛みさえ楽しんでいる…みたいな描写が醜さのピークだった。だから沙希が安藤に犯される場面で一旦時間を開けた。痛すぎる。
    そんな引き裂かれるような痛みの割に、あっさりすぎる最後。なんで?そんなのでいいの?という拍子抜けも不十分で、醜くて、粗雑。。

  • 100冊ビブリオバトル@オンライン第14ゲームで紹介された本です。オンライン開催。チャンプ本。
    2020.08.22〜23

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著者プロフィール

赤松利市
一九五六年、香川県生まれ。二〇一八年、「藻屑蟹」で第一回大藪春彦新人賞を受賞しデビュー。二〇年、『犬』で第二十二回大藪春彦賞を受賞。他の著書に『鯖』『らんちう』『ボダ子』『饗宴』『エレジー』『東京棄民』など、エッセイに『下級国民A』がある。

「2023年 『アウターライズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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