破滅へと続く道 右か、左か (徳間文庫)

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  • 徳間書店 (2023年3月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784198948245

作品紹介・あらすじ

著者渾身のエロス&サスペンス


その選択が間違っていないという確信、
あなたにありますか――?


 人は一日に何度も分かれ道に立つ。
そして、ほとんど意識しないまま、どちらの道を行くべきなのかを瞬時に決める。
たとえば、今朝はどのスーツを着て会社に行くのか。多くの場合、どちらを選んだとしても人生が大きく変わることは、ない。
けれど、時には、その無意識の選択が人生を決定的に変えてしまうことが、あるかも。
あなたにはその選択が間違っていないという確信、ありますか――?



 目 次
まえがき
第一話 春の分岐点『雪の中の仔猫』
第二話 夏の分岐点『破滅へと続く道』
第三話 秋の分岐点『暗い山道で』
第四話 冬の分岐点『命を拾った女』
第五話 再び春の分岐点『狭き門より入れ』
あとがき

感想・レビュー・書評

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  • 大石圭『破滅へと続く道 右か、左か』徳間文庫。

    ふとした選択が、その後の時間を決定的に変えてしまう、というような分かれ道を題材にした連作短編集。果たして、主人公たちが選択した道は正しかったのか。

    いつもより含蓄のあるまえがきとあとがき。全ての短編が、いつもと違う作風のように思った。これまでの作品に比べるとエロスが程良いスパイスとなり、明確なテーマを持った見事なドラマに仕上げている。もしかしたら、大石圭にとってもこの作品は分岐点だったのか。

    第一話 春の分岐点『雪の中の仔猫』。この連作短編集の方向性を示す軽いジャブのような短編。不幸の真っ直中で見付けた小さな生き甲斐。32歳の売れない俳優の藤井雄太は4歳下の鈴木愛梨沙とも別れ、挙げ句にプロダクションの社長から解雇を告げらる。人生に絶望した雄太は、翌朝の満員電車でガソリンを撒いて火を点け、多くの人を巻き添えに自殺しようと考えていた。雄太が最後の晩餐のために高級食材を買い込んだ公園に差し掛かると、小さな箱に捨てられた仔猫を目にする。仔猫を置いて通り過ぎる雄太だったが……★★★★

    第二話 夏の分岐点『破滅へと続く道』。図らずも倒錯した性に目覚めてしまった男性とトランスジェンダーの男性の物語。大石圭らしい短編だ。今の時代、こういうことが起きても何ら不思議ではない。28歳の本間翔馬は父親の経営する会社の取引先の会社社長の娘、岸田穂乃果と見合いし、一目で気に入る。しかし、翔馬にはワインバーを営む香椎恵という3歳年上の愛する人が居た。しかも、香椎恵はトランスジェンダーで香椎恵一郎という本名を持っていたのだ。翔馬が選ぶのは平坦な安全な道か、それとも危険な蕀の道か。★★★★

    第三話 秋の分岐点『暗い山道で』。主人公の自己中心的な考え方に唖然とするが、最近の世の中はこんな自己中心的な人間が増えているように思う。34歳の林田すみれは3歳の息子と2歳の娘を持つ主婦で、夫には不満を感じていた。かつて、すみれはミュージシャンの板倉潤と付き合い、爛れた関係を持っていた。そんな過去の思い出に浸りながら、すみれは車を走らせている途中、老人を車で轢いてしまう。★★★★

    第四話 冬の分岐点『命を拾った女』。タイトル通りの結末。これも現代では起こりうる話。金のためなら何でもするというくらい落ちぶれたくはないものだ。派遣会社に勤務する江藤小雪はカードローンの支払のためにファミレスで働いていたが、それでも金が足りなくなり、万里と共に風俗店で働く。ホテルに派遣された二人は外国人の夜の相手をすることになるが……★★★★

    第五話 再び春の分岐点『狭き門より入れ』。世間を賑わしたカルト宗教団体。道を誤り、一度入り込めば、抜け出すのは難しい。一条聖美は学生時代に友人の誘いを受けて、とあるサークルに入る。そのサークルは宗教団体で、次第に聖美は尊師の寵愛を受けるようになる。しかし、聖美は尊師の妻に疎まれることとなり、聖美に特別任務が下される。その任務とは……★★★★


    人生には必ず分岐点がある。あの時、こうしていればと悔やんでも、それは後の祭。間違った道を選んだと後悔しても、実はそれが正しい選択であった場合もある。人生は思うようにはいかないものだし、正解もない。

    本体価格710円
    ★★★★

  • 誰にでも何度でもある人生の選択をテーマにした短編集。平坦だけれど安全な道を行くのか、それとも苦難と分かっている茨の道を行くのか。主人公がどちらの道を選ぶのか、はらはらさせられる作品です。
    それぞれの物語は独立していて、それぞれにハッピーエンドだったりバッドエンドだったりしますが。しかし彼らの人生はそれで終わりではなく、そのあとも続くのですね。最終的に彼らがどうなるのかは、わからないのです。そしてあえて選ぶ苦難の道でも、それが即不幸というわけでもなく、その逆もしかりなのかも。つまり正しい道を選べたのかどうかだなんてことは、ほとんどの場合分からないんですよね……この作品でも明確になったのは、冬の分岐点だけかも。
    ちなみにタイトルがこれなのですが、全体としての読み口は悪くありません。思ったほど破滅ばかりでもないです。読めば少し前向きになれる作品といっていいかもしれません。

  • 期待していたよりシリアスな展開が少なかった。
    ページ数は少なく、連作短編で読みやすかった。

  • 著者初読み。
    タイトルから、もっとスリリングで悲惨なストーリーかと期待したんだけど違った。
    主人公が人生の分岐点に立った時、破滅へと続くかのような選択をするけれど、ストーリーの最後はハートフルな感じ。
    個人的に読みたかったものと違ったので2話読了で挫折。

  • 普段全く読まないジャンルだけど、興奮気味に一気読み。
    エロスはしっかりエロスです。
    テーマの〈道の選択〉について、最初と最後の作品にでる「ネコ拾う人」と「カルトに染まった人」が異なるようでいて社会と断絶している点で似てるけど、正しい方を選べたように思い安心しました。

    ちょっと逸れるんですが、最新の村上春樹デザインのユニクロTシャツがあって、そのTシャツの文句が「save humans,save cats」なんですよね。

    なんかしっくり来ました。どちらがという感じですが。

  • いつもの官能的なストーリーは少なめで、人生の様々な場面での選択肢についての短編集。大石圭さんにしては珍しいストーリーだったので新鮮な気持ちで読めた。

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著者プロフィール

1961年、東京都出身。法政大学文学部卒業。93年、『履き忘れたもう片方の靴』で第30回文芸賞佳作を受賞し、デビュー。『アンダー・ユア・ベッド』『殺人勤務医』『絶望ブランコ』『愛されすぎた女』『裏アカ』など、著書多数。2019年には『殺人鬼を飼う女』『アンダー・ユア・ベッド』が立て続けに映画化され、話題に。

「2023年 『破滅へと続く道 右か、左か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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