有栖川有栖選 必読! Selection12 泡の女 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 徳間書店 (2023年8月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (274ページ) / ISBN・EAN: 9784198948801

作品紹介・あらすじ

無実は愛を救うか?
すべてが幻なら、私は泡のように消えるしかない


幸福は泡のように消え去る。夏子は絶望感に包まれ
ていた。伊豆へ静養旅行に向かった筈の父が、茨城
県大洗海岸で縊死。夫が容疑者に。勾留期限はクリ
スマス・イブの午前零時。残されたのは僅か三日。
夫の無実を証明すべく奔走する夏子の前に、父の黒
い過去が次々浮かび上がる。裏切りと愛に引き裂か
れた女が聖夜に見たものは? アイリッシュ『幻の
女』に挑むタイムリミットサスペンス。


解説 有栖川有栖
イラスト ONIKU kuitai


〈目次〉
Introduction 有栖川有栖
泡の女
Closing 有栖川有栖

みんなの感想まとめ

幸福が泡のように消え去る中、主人公の夏子は、夫の無実を証明するために三日間のタイムリミットに挑むサスペンスが描かれています。父の不審な死と夫の勾留という絶望的な状況の中、彼女は孤独に真実を追い求めます...

感想・レビュー・書評

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  • 幸福は泡のように消え去る。夏子は絶望感に包まれていた。伊豆へ静養旅行に向かったはずの父・重四郎が、なぜか茨城県大洗海岸で首を吊った。警察はそれを殺人とみて、夫・達也を容疑者として勾留。夫の容疑を晴らすために残された時間はわずか三日。夏子は夫のアリバイを証明すべく奔走するが、同時に父の隠された過去が浮かび上がり──。

    タイムリミットはたったの三日間!クリスマス・イブの午前零時までに、夫の無実を証明する!しかし、父は亡くなり、夫は勾留。頼れる人は誰もいない!そんな中で夏子は、
    「自負は女の武器だった。それが彼女を強くした。誰を頼るつもりもなかった。頼れる者もいないのである。夏子は自分だけの世界を背負って歩こうと思った」
    その思いを胸に、真実を追う覚悟を決める。足が溶けるほどに歩き詰めた三日間。その果てにたどり着いた真実の正体には、夏子もぼくも思わず絶句。わわ…と声が漏れてしまうほどの衝撃だった。

    それにしても、この三日間は読んでいるだけでも過酷。警察は夫が犯人だと完全に決めつけてしまっている。弁護士の岩島(いわじま)は「お前は検察か?」と言わんばかりに観念しろと遠回しに伝えてくる。東京地方統計局の同僚や労組はまったく当てにならず、傍観者を決め込む。
    「所詮、人間同士は騙し合い……」
    夏子は夫を救うためには嘘をも厭わず、カイジのような心境に至る!フィクションだけじゃなく、世の中って無情の川だよね。流れる方に流される。溺れた者に指をさしても手は差し出さない。自力で岸までたどり着き、這い上がるしかないのだった。

    水中をもがき、吐いた息は泡となって消えていく。
    それでも、水面に顔を出した夏子には未来があると信じたい。

  • 話の展開が予想がつかず、二転三転していきラストはある意味で衝撃的でした。
    主人公が1人で調査・推理していく姿、そして次々と明かされる真実など今読んでも古さを感じることはありませんでした。

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著者プロフィール

1930年生まれ。1960年、初長篇『招かれざる客』が第5回江戸川乱歩賞候補次席となり、本格的な小説家デビュー。 1961年『人喰い』で第14回日本探偵作家クラブ賞を受賞。 テレビドラマ化されて大ヒットした『木枯し紋次郎』シリーズの原作者として知られ、推理小説、サスペンス小説、恋愛論などのエッセイ他、歴史書等も著し、380冊近くもの著書がある。2002年、逝去。

「2023年 『有栖川有栖選 必読! Selection11 シェイクスピアの誘拐』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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