月下のサクラ (徳間文庫)

  • 徳間書店 (2024年2月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784198949174

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計27万部突破!
警察小説の新たなるヒロイン誕生!

念願かない警察広報職員から刑事になった森口泉。記憶力や語学力を買われ、希望していた機動分析係へ配属された。自分の能力を最大限に発揮し、事件を解決に導く――。だが配属当日、会計課の金庫から約一億円が盗まれていることが発覚。メンバー総出で捜査を開始するが、犯行は内部の者である線が濃厚だった。署が混乱する中、さらに殺人事件も発生。組織の闇に泉の正義が揺れる。

みんなの感想まとめ

緊迫感あふれる警察小説で、主人公・森口泉の成長と活躍が描かれています。前作からの続編で、泉が警察広報職員から刑事へと転身し、機動分析係での捜査に挑む姿が魅力的です。物語は、会計課の金庫からの巨額の現金...

感想・レビュー・書評

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  • 柚月裕子『月下のサクラ』徳間文庫。

    『朽ちないサクラ』に次ぐシリーズ第2弾となる警察小説。

    『朽ちないサクラ』を単行本で読んだのは2017年のこと。あれから7年が過ぎたのか。

    間違い無く前作より面白くなっている。二転三転の先の読めないストーリーに加え、事件の真相にも驚かされた。また、終盤のヒロインの森口泉のあれよあれよの大活躍には目を見張るばかりだった。


    舞台は架空の東北の主要都市、米崎市。米崎県警で警察広報職員を務めていた森口泉は退職し、県警採用試験受けて合格し、警察学校を歴て、警察官となる。念願の刑事となった泉は、曲者の黒瀬警部の強い引きもあり、何とか希望していた機動分析係に配属される。

    しかし、泉の配属当日、会計課の金庫から詐欺事件で押収した9,530万円もの現金が盗まれていることが発覚する。機動分析係のメンバーが総出で捜査を開始するが、犯行は内部の者である線が濃厚であり、現金の紛失前に退職した前会計課長の保科に疑いが掛かる。

    署が混乱する中、警察がマークしていた前会計課長の保科が自宅で不審死を遂げる。そして、現場にいち早く到着していたのは何故か公安の外二課だった。

    米崎県警に一体何が起きているのか。

    本体価格820円
    ★★★★★

  • 「朽ちないサクラ」の続編!
    自分のブクログをみてみると前作を読んだのが2021年。
    記憶の彼方になっていましたが、

    「警察を辞めて、もう一度警察を受ける」
    「私、警察官になる」

    として前作を終わった泉が実際に刑事となって戻ってきました。

    機動分析係の配属テストに失敗しながらも、その信念が買われて無事配属。
    そんな彼女の最初の事件が、会計課の金庫からの約1億円の紛失事件!
    癖のある機動分析係のメンバ達とともに、捜査を開始。
    警察内部の犯行なのか?

    彼女の活躍で容疑者が絞られていきますが、サクラ(公安)も絡んで、事件は思わぬ方向へ!

    Nシステムや防犯カメラなどで行動確認するシーンがありますが、防犯カメラってそんなにリアルタイムに操作できるんだっけ?

    そして何よりクライマックスでは、泉が一人で犯人に対峙するシーンなのですが、それはあまりに無謀では?
    もっと、組織的に動くのではないでしょうか?(笑)

    事件の真相、黒幕も明らかになって、すっきりなのですが、泉のハードボイルドっぷりに驚かされます!
    彼女の信念、芯の太さを感じられます。

    新人なのに、この突っ走りぶり、すごい(笑)
    そして、ちょっと怖い上司にも物怖じしないで話せる彼女の強さを感じます。

    楽しめました。

    続編あるのかな?

    お勧めです。

    • きたごやたろうさん
      「いいね」ありがとうございます。

      オイラも記憶が薄れています…苦笑。
      でも柚月裕子さんも好きな作家さんですよ!
      「いいね」ありがとうございます。

      オイラも記憶が薄れています…苦笑。
      でも柚月裕子さんも好きな作家さんですよ!
      2025/06/29
    • masatoさん
      きたごやたろうさん コメントありがとうございます
      私も柚月裕子さん好きです。
      文庫本になるのを待っている状態です(笑)
      きたごやたろうさん コメントありがとうございます
      私も柚月裕子さん好きです。
      文庫本になるのを待っている状態です(笑)
      2025/07/05
  • 『朽ちないサクラ』の余韻が消えないうちに森口泉に会いにいく!続編は前作よりもさらに面白さが増していた。警察広報課職員だった森口泉は、ある上司の強い引きで刑事になって、捜査支援分析センターに入る。
    泉の映像化できる記憶力と物怖じしない性格と強い信念が事件の真相を暴いていく。
    かなり危ない橋を渡る泉。泉の蛮勇がチームの絆をさらに強くする。
    かなりハラハラドキドキした。主人公だから大丈夫と思っても、かなり心臓が縮んだ。
    泉たちが傷みの中でたどり着いた場所は、警察、公安の闇の中で仄かに光る。
    サクラシリーズ二編を読んですっかり柚月裕子さんねファンになった。

  •  『朽ちないサクラ』を読んでから6年、記憶はこうも薄れるかと愕然としますが、前作を再読せずとも支障なく、続編として読み進められました。

     主人公の森口泉は、県警広報課の事務方勤務から一念発起し県警を再受験、努力の末に捜査二課知能犯係の刑事へ、さらに県警捜査支援分析センターを受験し配属が決まります。決め手は、類稀なる暗記力と記憶力でした。

     読みどころは、署内金庫からの現金盗難に端を発し、事件が想像以上に大きな闇につながっていく展開の引き込みにあると感じました。
     飽きさせない登場人物のアクの強さと個性の書き分け、とんでもない黒幕の輪郭が加速度的に明瞭になる後半の展開、同じ組織内での不祥事隠蔽の悪と正義の対決など、柚月さん特有の熱い想い溢れる筆致で描かれていて読み応え充分です。

     泉の超人的な記憶とプロファイル、一人で最も危険な場面に立たされる辺りに、少々無理がある気がしないでもありませんが、許します!(は?何様?)

     警察内部の腐敗、刑事と犬猿の仲の公安(隠語で「サクラ」)の暗躍に気分も悪くなる中、泉の忠誠心と健気さに救われる思いがしました。サクラはサクラでも、やっぱり綺麗な花がいいですね。あと、偽客も嫌ですね。

     女性新人刑事・森口泉の活躍と成長譚がさらにシリーズ化(前作は一作完結の積りだったbyネット記事)となるのか、今後を見守りたいです。

  • 前作がある事を知らずに借りて来たので、何があって刑事に復活したのだろうと気になる点が多々ありましたが、展開の早さに引き込まれてあっという間に読み終えました。
    犯人らしき相手を見失い、逆に捕まってしまうという失態。尾行テストに失敗しながら何故か希望の機動分析係に異動となった森口泉。テスト時の上司に特別扱いで異動となったことから、同僚たちからスペカンと揶揄されている。どうも並外れた記憶力を買われたよう。
    県警内で1億弱の保管していた金が紛失。泉達の捜査で容疑者が絞り込まれる。単純な犯行かと思えたのが、どんどん不可思議な状況が拡大する。何やら秘密行動をする上司に同行を命じられる泉。罠に嵌って謹慎する上司の指示に従って行動する泉。頑固なまでに秘密を守って行動する泉が素晴らしい。
    最後は部署全員で行動し、黒幕に辿り着く。幾つかの疑問が残ってしまったし、身勝手な黒幕達に憤りを感じてしまった。

  • 「朽ちないサクラ」の続編。
    前作を読んで書いた感想に『最後のところでは話全体がシリーズ物の前日譚になってしまった感を受けた』とやや鼻白んだ記憶があり、続編は読まないつもりだったが、皆さんの★もまずまずなので手にしてみた。
    警察広報職員から警察官になった泉さん。交番勤務などを経て、念願かなって捜査支援分析センターに配属になるが、その当日に、署内の金庫から約1億円が盗まれていることが発覚、という出だし。

    私、この主人公がかなり苦手。
    頑張り屋で特異な能力と譲れない信念を持っていることは認めるが、功を焦って前のめり、良くも悪くも空気が読めず、清濁併せ呑むには経験が足りず、集中したら周りが見えずに上司をも遮り、部署の先輩でも年下にはため口…で、物語の筋を追いつつ、ややイライラ。
    ラスト、青臭い理屈で周りを制し敵のふところに飛び込んでいくが、あんなふうに黒幕に単身対峙したら、普通はあっさり消されると思うぞ。

    物語としても、前半、防犯カメラの映像から容疑者を割り出していき行動確認していく流れは捜査支援分析センターという部署の特性が活かされていたが、後半は黒瀬と泉に他のメンバーが置いてきぼりの感じでやや不満。センターのメンバーは、人より何かしら得意とするものを持っている、と書かれているのに、なあ。
    これも前作の感想に『天下国家のためならば市井の人間も虫けら同然ってのはなんだかな』と書いたが、サクラ=公安が絡む話になる以上、結末はスカッとしたものになるわけもなく、モヤモヤ感が残る読後感は今回も同じく。

  • 自分は前作「朽ちないサクラ」より面白く感じた。内容的にもありふれて、テンポも遅いんだけど、柚月さんの書く警察小説は、じっくりとじわじわ臨場感がある。だからつい引き込まれてしまう。読みやすいですし。
    こちらも映画化されないかな。

  • 朽ちないサクラの続編。

    主人公である森口泉は警察広報職員から刑事となり、機動分析係へと配属される。機動分析係の個性あるメンバーてチームになり、事件を解決へと導く。

    柚月さんの作品としては、とてもスピード感のかる作品だった感じがする。つまり、それだけページを捲る手も早くなる。

    個人の闇と組織の闇に、正義とは何かというテーマに挑んでいく姿を描き出す。柚月さん凄い!

  • 本作との出会いはブクログ!
    フォロワーさんのレビューを読んで惹かれました。
    惹かれたポイント
    ・東北地方の架空の都市で会計課の金庫から約1億円が無くなった!

    私自身、宮城県に住んでいるのですが、これを見た時に1年半前に宮城県で起きた未解決の事件を思い出しました!
    実際の事件
    ・宮城県の大崎市役所の納税課の金庫から102万円が消失!?金曜日に金庫に入れて月曜日に金庫を確認した時に無くなっていた???1年半以上経過した今でも事件の真相は藪の中!!!

    因みに、作品の方が先で事件発生が後のようです・・・


    前作からの主人公の泉は念願叶って警察官になっていたどころか、特殊能力に目覚め機動分析係に配属となった!
    しかし、配属当日 会計課の金庫内から1億円が消失?
    機動分析係はメンバー総出で捜査を開始するが内部の犯行である事が濃厚だった・・・

    前作に続き米崎県警ヤバいです・・・


    米崎県の位置について(前作のレビューの続き)
    ・45p東京から新幹線で2時間 都市の東に港あり→太平洋側
    ・149p登場人物が宮城に出張している
    ・218p仙台市の光のページェントのようなイベントあり
    ・447p西に朝霞連峰と一級河川の米内川あり(架空の地名)

    上記のことから宮城県=米崎県かなぁと言う気がしますが、前作朽ちないサクラ128pでは米崎市の東に小崎市があり小崎市は県境の豪雪地帯と記述がある。この記述のせいで米崎県は日本海側の県になってしまう。ちょっと矛盾が生じています。
    柚月裕子さんの他の作品にも米崎県が出てくるようなので調査の幅を広げていきたいと思います。

  • 前作では、警察官でも広報広聴課の事務職員だった主人公がラストの「警察を辞めてもう一度警察を受ける」というセリフ通りに、県警採用試験、警察学校、交番勤務、交通課を経て刑事になり、捜査支援分析センターへ…
    国家の安全と秩序を守るためなら個の犠牲はやむを得ないという公安の論理の警察小説という点は今作も同様であるが、理不尽に命を奪われた友のため、「本当の正義」を実現するため執念と努力で、孤軍奮闘、曲者ぞろいの機動分析チームでも記憶力や集中力を武器にして認められていくお仕事小説でもある。猪突猛進・毒舌・優等生・絶滅危惧種のチーム、ネットで「マヌルネコ」の画像を見てニヤリとしてしまった。

  • 『朽ちないサクラ』から約5年

    森口泉が刑事として帰ってきた。

    志望配属先は、県警捜査支援分析センター 機動分析係

    筆記試験は、手応え充分も実技試験は散々 面接担当の係長(黒瀬)からもコテンパンにやられもはや不採用と諦めるも・・・

    何故かその係長(黒瀬)に引っ張られメンバー入りしてしまう。

    メンバーからは、スペカン(スペシャル捜査官 強い引きで特別扱いされた意)と呼ばれる泉だか、自分に与えられた仕事をしようと心に決める。

    そんな中 署内の会計課の金庫から現金紛失事件が起こる。

    その金額 9530万円!

    泉は、機動分析係のメンバー達と捜査を始める!

    ここから先は、私のつまらない私情ですので、気分を害される方もいらっしゃると思います。(読まれない事をおすすめします)

    柚月裕子先生のファンの方申し訳ありません。

    泉の活躍や如何に!
    物語の冒頭、掴みは充分という感じだったのですが・・・

    大好きな柚月裕子先生なので、気が合っちゃったんでしょうか?

    スジ読めちゃったって感じが否めません。
    言い方変えるとまんまじゃんって感じがしました。

    柚月裕子先生が本作で伝えたい、正義とメッセージが・・・残念です。

    又、サクラ(公安警察)をタイトルにしてるのに、公安を悪者にしすぎている感じもしました。

    確かに謎の多い不気味な組織ではありますが・・・
    刑事警察が絶対正義の味方かって言われると・・・
    45人の登場人物(人の名前覚えるのが苦手で、どの物語を読む時も、登場人物の名前と簡単な略歴をメモする癖があります)がいましたが、意外性を期待しただけで終わってしまいました。

    だからと言って、物語の全てを否定する訳ではありません。柚月裕子先生の正義感 伝えたいメッセージ とても大好きです。
    人間に善性を求める姿に共感しています。

    森口泉の今後の活躍も楽しみです。

  • シリーズ第二弾。主人公は前作で警察広報職員だった森口泉。本作では女刑事になっており、希望して捜査の支援を行うセンターの機動分析係の一員となる。このメンバーになるのは狭き門だが、彼女には一度見たものを再生できるような記憶力があり、この能力で採用された。防犯カメラに記録された映像を高速再生し、手がかりを発見するのは彼女の真骨頂。今回もサクラ・公安がらみの話だが、本部長の悪事の方がインパクト強かった。

  • 広報職員だった泉が努力のすえ念願の捜査官に!
    警察署内での事件から、元警官の自殺?殺人?詐欺事件、受け子?公安が絡むとなんでもありになるのが警察あるある。最後は絶対にありえんなぁ〜小説の世界。朽ちないサクラよりは面白かったからシリーズ化か?同期の警察官との恋バナなかったなぁ

  • 「朽ちないサクラ」の続編。前作では警察一般職員だった主人公の森口泉が刑事となり機動分析班で活動する。
    前作「朽ちないサクラ」のタイトルの「サクラ」は公安警察の隠語や象徴として表現されていたが、今回はストーリー半ば辺りで公安警察が出てくるものの、前作のような刑事vs公安とか、公安警察の暗躍とかそういう話が展開される訳ではない。シリーズとしての連続性を出すために本作のタイトルでも「サクラ」を使っているのは当然として、柚月裕子本人が「サクラという言葉には、いろんな意味を込めている。公安警察だけでなく、人間の生き様や心の機微を象徴するものとして使っている」と語っている。つまり本作の「サクラ」には「表と裏」「秘密と真実」「儚く美しいものの再生と希望」といった思いが込められているようだ。それを踏まえて本作の内容を振り返ると、なるほど、確かにそういう事かと理解できる。
    本作から刑事となった森口泉には機動分析班で一癖も二癖もある上司や同僚ができた。ぜひこのメンバーでシリーズ化してほしいし、架空の米崎県が舞台なので佐方貞人シリーズの登場人物が出てくるかもという淡い期待もある。

  • 「朽ちないサクラ」の続編。前作で警察広報課職員だった森口泉が刑事になって、捜査支援分析センターの一員として県警本部会計課の金庫から現金が盗まれるという事件の真相に迫っていく物語。厳しい上司や先輩刑事たちとの関わりや繋がりがおもしろい。強い信念を持って捜査にあたる泉の姿に感動した。

    心に残った言葉
    ・男女の雇用均等等が謳われて久しい時代だが、警察組織はまだまだ男社会だ。女性が刑事を目指しても、全員がなれるとは限らない。そもそも、枠が決まっている。それは男性も同じだ。大卒の男性でも、刑事になるには最短でも三年はかかる。P21
    ・世の中は理不尽だ。それは警察組織であってもかわらない。罪が常に正しく裁かれるとは限らない。どの世界も、綺麗ごとでは成り立たない。P25
    ・本当の正義とはなにか。考えてもわからなかった。その答えは、捜査の最前線に立てば見つかるかもしれないと思った。だから、警察官になった。P25
    ・「俺たちの仕事はな、刑事課の捜査以上に、地道な仕事だ。藁の中で釘を探すように、地に這いつくばって、這いずり回る。それが仕事だ」(黒瀬)P28
    ・面接の場でも、通常の場でも、上司の質問は絶対だ。部下は上司の問いに答える義務がある。P30
    ・「俺たちは1パーセントでもその可能性がある限り、そこを疑うんだ。その推察を捨てるのは、百パーセントその可能性はない、と判断したときしかない。ひよっこが余計なことを考えるな」(黒瀬)P103
    ・相手の感情を揺さぶり、自ら口を開くように仕向ける。情報を引き出す常套手段だ。P108
    ・昔から、なにかに夢中になると、まわりが見えなくなる質だった。その集中力のおかげで、捜査支援分析センターのメンバーになれたのだが、日常の社会生活においては、いい結果を生まないことが多かった。P159
    ・耳は、顔を構成しているパーツのなかでも、特徴があるものだ。警察の似顔絵捜査員が、そう言っていた。P161
    ・捜査支援分析センターは、文字どおり、捜査の支援をする部署だ。捜査そのものは、刑事課がする。泉たちは、参考人や被疑者に自分たちの存在を気づかれてはならない。接触も駄目だ。調べることに徹する。P174
    ・「組織ってのは、上が楽をしちゃあいけないんだ。上が楽をすれば、下がそれを真似る。そうなったら、組織は腐っていくだけだ」(黒瀬)P197
    ・泉が思う部下を育てるということは、教え諭し、自分の経験を伝えることだ。が、黒瀬は違う。無言で人になにかを伝えようとしている。P198
    ・言葉がすべてではないが、人間が持ちうる重要な伝達方法であることに間違いはない。背中を見て育つという言葉があるが、そこには見せる側と見る側の深い信頼関係が必要だ。それなくしては成り立たない。P198
    ・「事件は鮮度が命だ。古くなればなるほど、解決は遠のく」(黒瀬)P204
    ・「警察は、国から力を与えられている。力を持つ者は、万が一にも過ちを犯してはいけない。力が正しく使われなければ、この国は腐ってしまう。その責務は重い」(市場)P221
    ・警察組織は、上意下達だ。部下は上司の命令に従うしかない。P244
    ・「相手を従わせるには、弱点を突くのが一番効果的だ。そう教えてくれたのはあなたです」(黒瀬)P253
    ・自分を認めてくれた人の指示を、守れなくてどうする。自分が従うべきは、本部長でも、副本部長でも、捜査一課長でもない。黒瀬だ。P306
    ・「どんな捜査技術を持っていても、勘がよくても、信念がないやつは優れた捜査員にはなれない。己が信じるものを貫く強さが、事件を解決する。それを、君は持っている」(市場)P323
    ・検視は鑑識や捜査員が、現場で遺体の確認を行うことを指し、検死は正確な死因や死亡時刻などを判断するために医師が行うことをいう。P330
    ・警視庁公安部は、みっつの管轄に分かれている。新左翼過激派、右翼団体、カルトなどの国内捜査を対象としている公安課。国際テロ、海外の工作活動を捜査対象としている外事課。それらの課が関わっている事件が発生した際に、初動捜査を行う公安機動捜査隊だ。P353
    ・「大は猪突猛進、春は毒舌、真は優等生、森口は絶滅危惧種か。うちの係はなんでもありだな」(黒瀬)P372
    ・「捜査官が、感情に任せて推論を述べるべきではない。必要なのは、冷静な目と、事実を突き止めるという強い意志だけだ」(市場)P429
    ・間抜けでも不恰好でも関係ない。事件の真相を追究するだけだ。P438

  • 夢中になって読んだけど、ちょっと行き過ぎかな。

    でも、この柚月裕子さんという作家、女流とは思えないほど、骨太で読み応え抜群。

    おそらく、この先追いかけると思う。

  • 月下のサクラ
    **著者**: 柚月裕子

    『月下のサクラ』は、柚月裕子さんのサクラシリーズ第二弾です。主人公の刑事・森口泉が、事件の解析とプロファイリングを行う機動分析係に配属され、様々な事件に挑む物語です。泉は実技試験に失敗しながらも、優れた記憶力を買われて配属されますが、同僚からは特別扱い「スペカン」と揶揄されることも。

    物語は、当て逃げ事件の捜査から始まり、会計課の金庫から約一億円が盗まれる事件へと発展します。犯行は内部の者の可能性が高く、やがて殺人事件へとつながっていく緊迫した展開です。

    警察小説としてのリアリティと、泉の成長が描かれた本作は、読者をハラハラドキドキさせる展開で満足させてくれます。機動分析係という新しい視点で描かれたこの作品は、警察小説ファンにも新鮮な驚きを与えてくれるでしょう。シリーズの続編が非常に楽しみです。

  • 「朽ちないサクラ」の続編。
    「サクラ」は公安の隠語です。最近は「ゼロ」とも言いますが…
    前回、親友を公安に殺された主人公の森口泉は警察の一般職員を辞め、捜査官として事件に関わっていきます。
    今回も公安が裏に潜む大きな事件。
    新人のスペカン(スペシャル捜査官)である泉が1人で動きすぎではとは思いましたが、強い正義感で、大きな事件に臆せず立ち向かう泉はかっこいい。
    元々アパレルにいたとは思えない勇気と行動力。

    機動支援分析センターの機動分析係、という職種があることは初めて知りましたが、捜査のプロ集団という感じでとてもかっこよかったです。
    上司である黒瀬や年下の里見に馬鹿にされても、めげない泉もいい。
    最後は係で一つになって事件を解決に導きます。
    信頼し合う仲間の姿に敬服。

  • 「朽ちないサクラ」の続編。ほぼ独立したストーリーのため、7年前に読んだ前作のストーリーを全く覚えていなかったものの楽しく読めた。事件の筋読みやラストでのご都合主義が少し気になったが、やはり柚月裕子作品にはハズレなし。

  • 朽ちないサクラの続編
    警察職員から採用試験を受け直し、刑事に登用される。
    森口泉は、さらに機動分析係に異動して、曲者揃いの係長達と日々捜査に当たる

    会計課で保管されている大金が無くなったことがわかり、捜査するうちにとんでもない警察不祥事が

    朽ちないと違って、捜査員としての立場で泉の成長が見られた。
    ラストまでハラハラな展開で一気に読めた。
    また、映画化を!と期待してしまう^_^

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚月裕子の作品

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