- 徳間書店 (2024年4月11日発売)
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感想 : 8件
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784198949402
作品紹介・あらすじ
ヒット作『麻倉玲一は信頼できない語り手』の著者が満を持して放つ挑戦的書下ろし長篇サスペンスミステリー!
中村裕太は、十年前に起きたある事件がきっかけで、引きこもりとなり、37歳になってもユーチューブに動画を投稿するだけの自堕落な生活を送っていた。
ふと目にした新聞のインタビュー記事で、後輩同窓生に人気女優の立石セナがいることを知った裕太。彼女はインタビュー記事で中学校時代に熾烈ないじめを受けていたと語り、さらに「校庭の時計台に一晩中縛り付けられる」という、過去に裕太が受けたと同じいじめ体験を告白していた。
ちょうど母校の中学校創立50周年を祝うパーティが行われることになり、立石セナに会える期待感と動画のネタ集めへの興味から裕太は出席する。
残念ながら立石セナはビデオメッセージでの参加で、本人には会えずじまいだったが、出席者に彼女の同級生がおり、その会話から、セナが受けたいじめの犯人3人の名前を知ることができた。はじめは投稿動画のネタ収集程度の興味からではあったが、いじめ実行犯3人のうち2人が最近亡くなっていることがわかる。残る3人目の葛山晴香に取材申し入れメールを送るが、返信をもらった翌朝、衝撃的な知らせを受ける。
裕太は、警察の事情聴取を受けることになり、否応なく事件に巻き込まれていく。自殺として処理されていた、いじめ実行犯の不審死の真相は……
感想・レビュー・書評
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安定した仕事が見つかるといいのだけれど。
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とあることをきっかけに引きこもりになり細々とユーチューバーをしている裕太は、人気女優の立石セナが同じ中学校の出身者だと知る。折よく母校の創立パーティが開催されることになり、彼女も参加するのではと期待して参加したものの、彼女は現れなかった。しかし友人の後押しにより立石セナの同級生を紹介され、否応なしに取材を進める羽目になる。そこで知ったのは、立石セナをかつて虐めていた同級生が立て続けに亡くなっているという事実だった。
ミステリとしても充分面白く読めるのですが。人間ドラマの方にぐっと引き込まれます。主人公の裕太、毎日を漫然と生きているだけの引きこもりなんですが、不思議で嫌いにはなれないキャラクターです。決して馬鹿ではないし、ユーチューバーとしても中途半端で、炎上を起こす覚悟などなく良識を持ち合わせていたり。無気力ではあるもののそこまで厭世的でもない。彼がどういう人間なのかは彼自身よりも、再会した友人の桑原を通じてわかってくる気がしました。なんだかいろいろともったいない人だなあ、という印象です。
一方で他の人たちに関しても、何の問題もなく過ごしているように思えてもそうではない、という当たり前のことに気づかされます。何の悩みも一切なく、楽に楽しく毎日を送れている人なんてたしかにそうそういるはずはありません。もしそんな人生があっても、いつ何があって暗転するかわからない。だからこそこのタイトルの意味は、すべての人に向けられている言葉なのかも。 -
主人公に最後まで共感が持てなかった。
著者プロフィール
太田忠司の作品
