CF (徳間文庫)

  • 徳間書店 (2025年1月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784198949921

作品紹介・あらすじ

元総理への凶弾と宗教問題。
刊行時に予言的作品とメディアを揺るがせた超問題作!

書評続々掲載!
読売新聞、日本経済新聞、毎日新聞、産経新聞、共同通信、週刊文春、文學界etc.

脳が侵され、やがて全身が洗脳されていく。
人間とは、かくも弱い生き物なのか!
(芳林堂書店高田馬場店  江連聡美)

超巨大企業・Central Factory(通称CF)は加害の責任、被害者の苦しみを取り除く「無化」を行い、人々を平穏な世へ導いてくれている。だが、人類最高のシステムに疑問を持つ男がひとり。男はCFへのテロを計画していた。なぜ男は夢の世界を壊そうとしているのか。その時、理想郷を壊されようとされている人々は……。予言的作品と話題を呼んだ物語が待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 吉村萬壱『CF』徳間文庫。

    元総理への凶弾と宗教問題を描いたことから、刊行時に予言的作品とメディアを揺るがせた超問題作らしい。しかし、読んでみると現実に起きた事件とは全く違うようで、がっかりした。

    ピカレスク小説のような、近未来ディストピアSF小説のような奇妙なテイストの小説であった。

    まるで輪廻転生のように登場人物が加害者と被害者の関係で次々と繋がって行く。罪と悲しみの連鎖は果てしなく続く。

    誰もが罪を背負い、その罪は消えることなどない。病める日本社会の本質がこの小説の通りだったとしてもおかしくはない。


    政府も加担しているというCFと呼ばれる超巨大企業Central Factoryは犯罪加害者の責任と被害者の苦しみを取り除く『無化』を行い、人々を平穏な世へ導いてくれているという噂だった。そこで働く工員たちは皆、過去に何らかの罪を犯し、通常の3倍の賃金で得体の知れない液体をひたすら撹拌する仕事に従事していた。

    数年働けば工員たちの犯罪加害者の責任は『無化』されるが、工員たちの肉体は得体の知れない液体に蝕まれていく。

    このCFの『無化』という人類最高のシステムに疑問を持つ男が、CFへのテロを計画するが……

    本体価格800円
    ★★★★

  • 生まれてから何かのきっかけで人を殺めるほど憎らしいと思う感情を持った事がないから何とも言えませんが、加害者の責任を無化する事で被害者の加害者への憎しみが消えると言うどうも納得いかないシステムを提供するCF。登場人物の北岡くんと同じ気持ちで、そんな事あるかと言いたいが、そこは巨大な組織CFが行う自作自演の見せ方、戦略により、国民が洗脳され、誤った方向に行ってしまう。概ねの国民が幸せだと言う事で有耶無耶にされてしまう恐ろしい世界がここにあります。

  • 単行本で出たときに気になっていた本、文庫本になったので早速買う。
    読んでいて不思議な気持ちになる。もしかするとCFは既に自分たちの社会にそれとはわからない形で組み込まれているのではないか。そんな気がする。そんなわけないか。

  • 起きてしまった事故事件は消せはしないけれど、責任を消す。
    実在の事件事故を想起させるような、描写があったりで、社会派小説を思わせる中、最後の1ページでうわっとなる。

  • CFという会社の経営方法と周縁の人々の話

    日本国内に666社も建物を構えるCF。請け負っている業務内容は「責任の無化」、無化が行われると対象と被対象から責任が消える。人が生きやすくなるための手段や方法として用いられている。
    人々はCFについてさざめき合う。。

    CFという巨大な茶番に翻弄される人々が描かれている。ある人は両親を殺され貧相な身体と見た目で慣れない水商売を行う女性、ある人は不倫関係の女性、ある人はCFの世話になりCFに従事することになった男、ある人はCFに傷を与えようとする男。

    彼らが周辺の人々とぐるぐる台風のようにうずまき合って、関わり合い触れ合い傷つけ合う。

    ところどころの湿っぽい陰の香りが色濃い「キモい」表現がでてくるのがこの作者の味。そこそこに気持ちが悪い。

    様々なところで文章表現が強張っているが、楽しく読めた

  • 面白かった。

    吉村さんの作品は私には過激で読めないものもあるけど、これは全く問題なく読めた。

    日本の問題を吉村さんらしい視点と書き方で深く捉えていて、構成も素晴らしく、とても良かった。
    ラストのオチが見事。皮肉たっぷりで、最高。

    帯の〈元総理への凶弾と宗教問題。刊行時に予言的作品とメディアを揺るがせた超問題作!〉というのは、私には分からなかった。私はそういう風に捉えなかったし、そういう風には感じなかった。
    もっと深い話に思えた。

  • 曖昧模糊とした無責任な風潮かと思えば溜飲を下げるが如く苛烈に責められて人生を徹底的に下る芸能人がいたりする。
    寛容であってもよいが、必要な降格や交代はやんないと駄目だと思う。
    それが無い。
    わかりにくい風潮をわかりやすく。
    実態のないものにリアルを与えている貨幣社会。
    金があれば大概のことは出来るんだろうね。

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著者プロフィール

1961年愛媛県生まれ、大阪府育ち。1997年、「国営巨大浴場の午後」で京都大学新聞社新人文学賞受賞。2001年、『クチュクチュバーン』で文學界新人賞受賞。2003年、『ハリガネムシ』で芥川賞受賞。2016年、『臣女』で島清恋愛文学賞受賞。 最新作に『出来事』(鳥影社)。

「2020年 『ひび割れた日常』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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