顔のない男 (キャラ文庫 こ 2-6)

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784199002731

感想・レビュー・書評

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  • これ音から入ったというか、声が三木さん×じゅんじゅんってことで(笑)
    一応音を聞く前には読んだんだけど、いや~脳内でしゃべるしゃべるあの声で!
    大変楽しかった!

    あと内容もBL的な面白さももちろんだけど、ストーリー的にも面白かったなあ
    ラストにどうもっていくんだろうと…。

    ドラマCDは裸で食べさせあいっこするところがカットされててとってもとっても残念でしたー!と、小説貸してくれたこでまりさんが申しておりました(笑)

  • 新人俳優の音彦に、大手映画会社から出演依頼が。
    相手役は天才俳優と名高い飛滝。
    そして出演条件は飛滝と同居する事であると。
    役柄で兄弟のために2人で兄弟として暮らせと。
    そして音彦の前に現れた飛滝はいきなり「兄」として甘やかしてくるが…。

    途中まで「兄」になりきりどれが本当の飛滝なのかが全く分からなくて戸惑う音彦にドギマギしちゃいました。
    作品名通り「顔のない」飛滝に翻弄される音彦。
    でも途中から垣間見せる飛滝の素顔に音彦も心が決まりそこからは音彦の男前な行動がカッコよかった!

    飛滝を自分だけのものとして扱う監督の桐生には音彦にした事とか腹が立って仕方なかったけど飛滝がちゃんとわかってくれていたのでホッとしました。

    あとがきにもありますが人は誰しも色々な顔があるのは本当な訳で。
    「面白い」の意味が中にある様にそういう事から来てるのかと知り納得しました。

    先生の「紙の白さが…」
    はい、「面白しろく」なりました!

    では次巻「見知らぬ男」へ行きます!

  • ▼あらすじ
    新人俳優の音彦に、大手映画会社から出演依頼が舞い込んだ。
    相手役は天才俳優と名高い飛滝。
    けれど、出演条件は飛滝と同居すること!? 
    映画の設定通り、兄弟として暮らし始めたとたん、“兄”として必要以上に甘やかし、触れてくる飛滝。
    毎夜“弟”を抱きしめて眠る飛滝に、音彦は不安を募らせる。
    そしてついに、兄弟の一線を越える夜が訪れて!? 
    バックステージ・セクシャルLOVE。

    ***

    ストーリーの完全度:非常に高い
    トーン:せつない
    エロ度:普通
    萌え度:非常に高い
    総合評価:★5.0

    『顔のない男』シリーズ、第一巻。
    ちる○るで剛しいら先生の作品を調べると生前数多くの作品を残した事が分かるのですが、その中でもダントツで評価が高いのがこの作品です。
    あらすじを読んだ時に絶対にハマる、という予感があったので3巻まとめ買いしました。

    結果、私の予感は間違ってなかったです。
    夜中に読み始めたのですが、もう面白くて面白くて、夜が明けるのも構わず一気読みしてしまいました。

    CPは天才俳優《飛滝惣三郎》×新人俳優《篁音彦》。
    音彦は俳優と言えど過去に出演した作品はどれもパッとしないチョイ役ばかり…よくある顔とスタイルだけが取り柄の、特にこれといった個性のない若手俳優です。
    そんな俳優として伸び悩む彼の元に、幸運にも大物映画監督である《桐生尚史》から映画の出演依頼が舞い込みます。
    桐生は国内では有名なヒットメーカーで、知名度を上げたい音彦にとってはまさに願ってもないビッグチャンス。

    桐生に呼び出された音彦は映画の原作本を渡され、主人公の弟役を任されるのですが、肝心な主役についてはその場でははぐらかされてしまいます。
    その後、二人は桐生の案内で近くにある人気のラーメン屋で昼食を取るのですが…。なんと、そこでラーメンを作っていた無愛想な男こそが今回の映画の主役、飛滝惣三郎だと桐生は明かします。

    俳優であるはずの飛滝が何故、ラーメン屋にいるのか。その理由は最後に本人の口から明かされるのですが、飛滝はどんな役でも完璧になりきってしまう天才です。殺人犯を演じたら本気で相手を殺しそうになるし、ラーメン屋を演じたら本物のラーメン屋にだってなってしまう。まさに究極の憑依型俳優、それが飛滝惣三郎という男なのです。

    この二人は兄弟という役になりきって共同生活をする事になるんですが、桐生の指示で、最初は音彦が一人で生活を始めます。それから何の音沙汰も無く一週間が過ぎ――突然、何の前触れもなく飛滝が“兄”として帰って来たところから二人の奇妙な共同生活(お芝居)がスタートするのです。
    突然始まった共同生活に慣れず困惑気味の音彦を他所に飛滝は弟を盲愛する兄に身も心も完璧になりきります。
    飛滝は割と早い段階で音彦に性的な悪戯を仕掛けてくるのですが…彼の言葉や行動はどこからが演技でどこまでが本心なのか分からないんですよね。

    そんな飛滝に最初は困惑しながらも、彼に優しくされ、愛される内に次第に惹かれていく音彦の心理描写が丁寧に描かれていて良かったです。
    とにかく飛滝はタイトル通りの男で何を考えてるのかもさっぱり分からないのですが、二人がついに一線を超え、縁日で掬った金魚を放置して死なせてしまった辺りから、少しずつ飛滝の素が見え隠れし始めたような気がします。(飛滝が金魚を埋めてくるといって一日帰らなかった展開はほんとナイスと思いましたね笑)

    兄弟として親密過ぎる関係を続けていた二人ですが、終わりは突然やってきます。
    撮影が始まり、二人はぶっつけ本番で演技をする事になるのですが、一つ意外だったのが桐生の飛滝に対する執着心の強さ。スタッフを酷使して常軌を逸した撮影を続け、飛滝を心身共にボロボロにしていくので、最後飛滝はどうなってしまうのかとハラハラしてしまいました。
    同時に、芝居が終わった後の二人がどのような関係性に落ち着くのか、気になったのもまた事実で。

    そうしたら、思ってたよりもずっと素敵な終わり方で、心の中で拍手喝采でした!とにかく最後の方は音彦が情熱的で、弾丸のように喋る音彦に対してぼんやりと受け答えする飛滝の温度差とかも新鮮だったし、そんな中でも飛滝が初めて音彦の名前を呼ぶシーンはこちらまで感動してしまいました。
    飛滝は一度役に入り込むと戻るのが大変らしいのですが、これからは音彦が傍にいてくれるから安心ですね。
    次巻はまた違った顔の飛滝が見られるらしいので、これから読むのが非常に楽しみです。また一つ、お気に入りのシリーズが増えそうな予感…♫

  • よかっっ…た…。どんな役にもなれる天才×売れない新人俳優。そんなふたりが役作りのために同居する話。役になりきって接するために攻めである飛滝の感情が見えづらいのがいい。
    それってほんと?それとも演技?ってはらはらしながら読んじゃった。受けである音彦は衒いがなくてわかりやすく、共感しやすい人間で好感が持てる。それに彼が飛滝を好きになるのも納得。あんなに甘々にされたらね…そりゃあね…。

    飛滝のほうはいつ音彦を好きになったのか?って明確にココ!って描写はないんだけど、やっぱり徐々に落ちていったんじゃないかなって考えてます。
    思ったことが素直に顔に出て演技があんまりうまくなくて意外と甘え上手な音彦に、なんでもできそうだけどこれまた意外と恋愛下手な飛滝が知らぬ間に落ちちゃったのかなって考えるとにっこりする。
    それにしても演技中とはいえ近親相姦してるの、近親BLが好きな自分にとってはサイコーってしか言いようがなかった。なんとなく演技中のふたりの性格って、ナイトヘッドの直人と直也を彷彿とさせる。実際の音彦は感情表現豊かでおしゃべりだし、飛滝はもっとぼんやりとした不思議ちゃんみたいな男なんだけどね。そういうギャップもよかった。

  •  まだまだ売れない俳優であった篁音彦の元に、大手映画会社から出演依頼が舞い込んだ。
     半ば、現実感のないまま、指定された場所に赴くとそこには有名な映画監督である桐生がいて、何の説明もなくラーメン屋に連れて行かれる。
     そこで働いていたのは、かの有名な俳優である「飛滝惣三郎」だった。
     飛滝は、一年前に桐生の作品に出てから姿を消し、それ以降どこにも姿を見せてなかった。
     そんな飛滝がラーメン屋になりきっている姿を見せた桐生は、突然、今日から飛滝と共に「兄弟」として生活するように言い渡される。
     当然、俳優とはいえ、ほとんど仕事のない音彦には選択権はない。
     桐生に用意された一室で、飛滝と二人っきりの行き過ぎた「兄弟」としての生活が始まってしまう。
     当初は、24時間演技するなんてとんでもない、と思っていた音彦だったけれど、徐々に飛滝の演技に引きずられていってしまう。
     しかし、ある日、演技としての一線を越えてしまった飛滝が音彦を抱いたことで、二人のバランスが崩れてしまう……

     という話でした。
     飛滝は、役になりきることでしか、自分を表現することのできない男で、音彦はまだまだ駆け出しの俳優。
     そんな飛滝に、「兄」として真綿でくるまれるように優しくされることで、徐々に音彦は飛滝に引かれていく。
     そしてまた、飛滝も音彦との偽者の日常の中で、演技にほころびを生じさせていく……という感じ物語は進んでいきます。
     音彦は、当然、「兄」を演じる飛滝ではなく、本当の飛滝を得たいと望むようになるけれど、そこは音彦も演技者の端くれ。いきなり告白して、映画のすべてを台無しにしてしまうことでなく、飛滝がすべてを演じきってからの素顔の飛滝を手に入れることを選ぶ……。
     けれど、飛滝の演技者としての魅力に執着する桐生は、映画の撮影を通じて、飛滝を壊そうとしているようにしか思えなくて、音彦はすべてを演じきった後の飛滝を、無事に「飛滝」へと戻すことができるのか……という話でした。

     なんとなく、読んでいて「演じる」ということに対する業の深さを感じさせられる作品でした。
     もちろん、私は演じる人でも何でもないので、本当にこんなことがありえるのかどうかなんてわからないんですけど、自分とそうじゃないものの境界線って実はとっても曖昧なんだろうな……って思ってしまいました。
     全体的に閉塞感があって、役柄上とはいえ、「近親相姦」的な禁忌の匂いも漂っていてとても淫靡な作品だな……と思いました。
     静かでねっとりとした作品が好きな人にはオススメできると思います。

  • ★3.0。シリーズ1。ふわふわと謎めいた話で、結末が気になって面白く読めました。しかし話の八割が演技中の攻、あまりにも掴み所なさすぎて、萌えは不完全燃焼かな。あの役者状態でいつ・なぜ受に惚れたのか、どこからどこまで素か、それは本心だと信じて良いのか、不安感が拭えぬまま終わってしまった。もっと素の状態での二人の絡みを見たかったけど、続刊で見れるのかな。風呂場でシャンプーしながらぶっかける攻には萌えつつ笑った(笑)

  • 再読。大好きなシリーズ。続きでないかな。ずっと待ってます。

  • 飛滝さんはBL界の北島マヤ!
    『スキップ・ビート』(仲村佳樹著)でもそうだけれど、役者ものは演技と素のあいだでキャラクターのジタバタするのが楽しい。

    お祭りからお風呂のくだりが大変萌え。裸で食べさせあいっこは萌えというよりなんだか笑ってしまった……!

    試写会での衆人前キッスは少女漫画ちっくでとってもよかった。

  • 顔のない男シリーズ第1弾

     2人の出会いを綴ったプロローグ的な1冊ですかね
    いまひとつぱっとしない若手俳優の主人公と、大物俳優。
    2人の出会いから、どうして恋人になったのかまでが書かれています。俳優さんの話なので、もちろん演技をしている訳ですが・・・大物俳優側の特殊事情で24時間演技をしなければならない主人公。
     時間が経つにつれ演技をしている感覚が薄れ、役が自分になって行くところも読み処でしょうね。
    とにかく本当にこんな生き方してたら大変そうな大物俳優と若手俳優の静かな心の交流が穏やかで好きです。

  • 前半は展開が読めなくてワクワクしながら読んでたけど、飛滝さんの気持ちが分かりにくかったせいか…後半からラストまで、音彦が開き直るたびに何度もバッドエンドを勘ぐってしまって、なんだかハラハラしながら読んでしまった。
    音彦くんの謎の自信と勢いはなんだか見ていて心配になってしまう。最後に飛滝さん視点の短い話とか見てみたかった。
    二人の今後が想像できないけど、どうなるんだろうなあ。

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著者プロフィール

6月9日生まれ、双子座。雑誌「小説イマージュ」(白夜書房)1996年5月号に「一枚の遺書」を発表して、新人賞と第12回月間イマージュクラブ賞に選出され作家デビュー。以後、女性向け小説を中心に様々なジャンルで活躍中。主な著作は『スワンドール奇譚』シリーズ(エンターブレイン)など。

「2015年 『恋愛事件捜査係 担当官は恋愛オンチ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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