最後の純愛

  • 徳間書店 (2005年9月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784199003646

感想・レビュー・書評

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  • ■初出一覧 
    ブラインド・ラブ…Char Selection 2004年11月号 
    最後の純愛…書き下ろし

  • 後半の受けキャラにグッと好印象です。

  • ●あらすじ●</br></br>
    結局失うなら、二度と本気の恋はしない・・・・・・。フリーライターの巨摩は、サラリーマンの芝とルームシェアをしていた。穏やかな芝は、巨摩にとって理想の相手。このまま心地よい共同生活を続けていきたい・・・・・・。ところが、芝に想いを寄せる同僚が現れ、「芝を好きじゃないなら同居を解消しろ」と迫られてしまう!!敢えて封印していた欲望を自覚した巨摩は、ある晩思わず芝をきつく抱いてしまい・・・・・・!? </br></br>

    ●感想●</br></br>
    ☆ブラインドラブ(小説Chara掲載作品)</br></br>

    あらすじからだと巨摩が、速攻・芝を襲ったようなストーリーを想像しましたが(私だけ?)、実際はもっとグズグズ・ウジウジと巨摩が葛藤し芝に押し切られた感が・・・・・・。
    <blockquote>
    安全な場所で、傷つかずに恋をする、大人らしい卑怯なやり方・・・。</br>それをどうこう言う権利は俺にはない。</br>
    芝に好意を抱きながらも、自分が傷つくことを恐れ、その好意すら認めない自分は、小久保よりも姑息なのだから。</br>
    恋愛を拒む自分の周囲で、俄に活気づく恋の予感。</br>
    「・・・クソッ」</br>
    平穏がいい。</br>
    平穏でいい。</br>
    燃え上がるだの、戦うだのはもう御免だ。</br>
    誰かを好きになったからといって、他人と争ったり気を遣ったりするエネルギーはもう自分にはないのだ。
    成就しても、その先に別れが必ずあるのなら、深い関係を結ぶ必要はない。</br>
    小久保が芝を狙うなら狙えばいい。</br>
    二人が恋人になっても、友人ならば芝との付き合いを続けることはできるだろう。</br>
    この部屋を出ていかなければならないとしても、会うことを止められはしないだろう。</br>
    それならば、それでいいじゃないか。</br>
    浅くても自分の気に入った者と長く関係を続けられる、その方がいいじゃないか。
    </blockquote>
    巨摩はもの凄〜くヘタレでございます、精神的ヘタレ攻。芝のことは好きなんだけど、同居人として好きなんだと思いこもうとしてて。ずっと自分の本心から目を逸らし、薄々気が付いてる芝の本心も見て見ぬ振りで逃げてみたりもして。攻めがここまで、後ろ向きなのは初かな。過去の恋人を亡くしたという設定ですが、その辺のことはそれほど引きずってはいないようで、暗くドロドロした感じではないです。ただ、恋愛に関して臆病というか面倒なのかな・・・日常が変わったり心が動かされることに。どうも過去の恋愛ってのもあんまり想像できないんですよ、巨摩の場合。「最後の純愛」でも昔の恋人が出てきますけど、別れ方もわりとアッサリしてて。浮気現場を目撃したけれど、修羅場とか喧嘩別れとか、ほど遠い感じで。</br>
    逆に芝は優柔不断で穏やかな男かと思いきや、一本筋の通った男らしい人。自分の意見はハッキリ言うし、巨摩にも厳しい。巨摩中心で話が進んでるんで、この話からだけだと芝は非情に解りづらいなぁ〜。</br></br>

    ☆最後の純愛(書き下ろし)</br></br>

    「ブラインド・ラブ」のその後の話となります。相変わらず、芝に思いを寄せる同僚の小久保も登場、更に巨摩の昔の男も。こいつがちょっとヤナ奴、というか巨摩の態度もなんだか芝に対して不誠実かな。原因は芝の態度からでもあるのだけど。
    <blockquote>
    こんなナリをしていながら、ふらふらしているのは自分のほうだ。</br>
    彼がいなければ生きていく方法を考えつかないし、現実的に言えば住む場所すら失ってしまう。</br>
    何度も失った恋のせいで、人を好きだと認めることさえ怖くなっていた臆病者。恋の仕方すら忘れていた。
    だから彼との今の関係で安定を得ることができない。</br>
    自分が、どれほど彼を好きだかを示す方法を知らない。</br>
    何かをしてやりたいという気持ちはやまほどあるのに、してやるコトが思いつかない。</br>
    「・・・明日、出掛けたら何か買ってやるか?」</br>
    けれど以前もそう思って出たのはいいが、自分が財布を探している間にあいつは自分の欲しいものをさっさと自分の支払いで買っていたことを思い出した。</br>
    寛容で自立した恋人は、楽ではあるのだろうが少し寂しいもんだ。</br>
    自分があいつにとって必要な人間だと自覚するのは、抱いてる時だけなのかも。それも今夜はお預けだ。</br>
    そして自分ときたら、『何をして欲しい?』と聞く度胸もないのだから。</br>
    「未だに、俺にゃあいつがどうして俺なんぞに惚れたのか、謎なんだよな」
    </blockquote>
    いちおう攻・巨摩×受・芝なんですが精神的には立場は逆のような・・・。どうも性格が男前の芝が受ということに違和感があるかも。リバも充分OKなんじゃ・・・と思わせる二人。女王様受けというわけでもなし。この二人には全く甘さがないんですよね。どちらもお互いに甘えるということをしない。ある意味対等で余所余所しい。それは、始まりが同居人だったことが大きいかも。それぞれが時間帯の違う仕事や生活に配慮しすぎて遠慮して本音でぶつかることをしない。同居と同棲になったけれど、蜜月とはほど遠いし肉体関係以外は全く変わっていないような・・・・・。</br>
    ラストの方に『ずっと強い人間も、弱い人間もいない。だからこそ寄り添っていたい』って会話があるんですけど、この言葉がこのストーリーの本筋かなって思いました。巨摩と芝の強いところ弱いところ・・・・・・理解した上でそれを支え合って暮らしていく。コレって男同士だからこその寄り添い方なのかもな、と。なかなか男女だと男の弱さを女に見せることは出来ないし、支えてあげるのも大変じゃないですか。でも、芝の弱さって・・・・・・弱さを見せられない所くらいしか思いつかないですけど!?最後に怒らせたら怖いことも判明したし、ますます芝が強くなっていく気が&#63916;ってことは、ますます巨摩はヘタレていくのか・・・・・。</br>
    欲を言うと、芝側の視点の話を読んでみたかったと思いました。凄く潔くて嫌われないように虚勢を張っていた芝の弱い部分ってのも覗いてみたかったな、と。巨摩の昔の恋人・石坂に対して巨摩には隠し通した嫉妬心を見たかったですね。結構心の中で毒づいて爆発していたのかもね、とか。想像できないですもん、芝の悪態。</br>

    最近、よく読むようになった<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?link_code=ur2&amp;camp=247&amp;tag=makishome09-22&amp;creative=1211&amp;path=external-search%3Fsearch-type=ss%26keyword=%25E7%2581%25AB%25E5%25B4%258E%25E3%2580%2580%25E5%258B%2587%26index=blended">火崎 勇</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=makishome09-22&amp;l=ur2&amp;o=9" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />ですが、実は以前はちょっと敬遠していました。作品名は忘れましたが2,3作読んだのですがあまり好きな話でなく、この作家さんは苦手かな・・・・・・と思っていたのです。でも、何気に読んだ<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?path=ASIN/4344805577&amp;link_code=as2&amp;camp=247&amp;tag=makishome09-22&amp;creative=1211">その花の馨しき色…</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=makishome09-22&amp;l=as2&amp;o=9&amp;a=4344805577" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />がとても良くて、その後少しずつ読むようになりました。<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?link_code=ur2&amp;camp=247&amp;tag=makishome09-22&amp;creative=1211&amp;path=external-search%3Fsearch-type=ss%26keyword=%25E7%2581%25AB%25E5%25B4%258E%25E3%2580%2580%25E5%258B%2587%26index=blended">火崎 勇</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=makishome09-22&amp;l=ur2&amp;o=9" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />先生もハイペースで刊行される方なのでイラストやあらすじで好みのものを選びながらですが。独特の世界がある方で、シュールというか心に傷を持ち、ちょっと恋や人間関係に臆病になった男の人を描くのが上手な方だと思います。華美な設定が無いのも嬉しい。一度敬遠してた作家さんを好きになった場合、長いおつき合いになっていくんです、私の場合。山田ユギ先生もそうでした。過去の作品を掘り返していくと墓穴を掘るケースが多々々あるんで、私好みの新作を期待していま〜す。

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