玉の輿ご用意しました (キャラ文庫 く 3-1)

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784199008726

作品紹介・あらすじ

高級車に狙いをつけ、当たり屋を決行!! ところが、それを見破られてしまった!? 初めての大失態に、内心焦る青依。けれど車から降りてきた男・印南は、青依の痛がるそぶりに顔色一つ変えない。それどころか、平然と「通報されたくなければ言うことを聞け」と命令してきた!! 厄介なことになった、と思いつつ拒否権のない青依に、印南はなぜか「9ヶ月間、俺の恋人のフリをしろ」と言い出して!?

感想・レビュー・書評

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  • すらすらと読めて、面白かったです。
    正直なところ、星五つか四つかというところで迷ったものの、クセのない滑らかな展開、作風が良いと思ったので、星五つにさせて戴きました。

    主人公の青依は学歴コンプレックスをいだき、更に就職も上手くいかずで、「当たり屋」稼業でつるむ仲間を「友達」だと無理に思いこんでいました。
    彼女を作っては、その家に転がり込み、いわゆる「ヒモ」状態で女の家を転々としていたある日、女の家からも追い出され、当たり屋仲間の家に居候することになります。
    受けの以南と出会ったのはそんなときで、青依が以南の車の前に「飛び出した」ことがきっかけでした。彼は以南をカモにしようとしたのですが、大失敗。
    ―通報されたくないなら、期間限定で恋人のふりをしろ。
    と、逆に脅迫される始末。
    青依は渋々ながら、その要求を受け容れ、二人の同棲生活が始まります。

    青依の生き方は、けして褒められたものではなく、むしろ、最低の生き方ともいえるかもしれません。それでも、彼の根っこはキレイなままだったのですね。だらこそ、
    ―これではいけない。
    と、気づき、また好きになった以南にふさわしい人間になりたいと願うようになったのだと思います。
    読んでいて、とても爽やかな優しい気持ちになれる物語りでした。
    余談ですが、先日もBLの好きな娘と話したのですが、BLというジャンルに拘り過ぎて読まず嫌いだと勿体ないな、、、と思う作品が実はたくさんあることに最近、気づきました。
    逆にいえば、無理にBLという設定でなくても、男女間の恋愛でも成り立つということでもありますが、とにかく、ジャンルに関係なく素晴らしい作品がBLにはたくさんあると思います。

  • 最初のうちは攻の勝手な言動に「言葉足りないだろ!!」「言い方もっとあるでしょ!!」とイライラしっぱなしでした!!
    最近とにかく涙もろくて、理不尽な攻の言動に耐えて頑張る受が可哀想で泣けました。

    “当たり前って怖いな”と考えさせられる作品でした。
    自分では分かって(出来て)当然であり“こんなこと”でも、立場が違えば未知のことであったりする。
    卑下するつもりはなくても「え、知ら(出来)ないの?」と言ってしまえば、受け手は馬鹿にされたように感じることもある…難しいなと思います。
    いろんな人から馬鹿にされ、蔑まれてきて反発し、時には泣きながら懸命に生きてきた受がやがて玉の輿……まさに現代版シンデレラのようなお話しでした^^

  • 学ぶ機会と愛情をかけられずに育ったある意味無垢な青年、青依
    裕福で不自由なく、しかし感情面不生育なエリート印南
    元当たり屋と残念なエリートが織り成すハートフルで、お互い成長し合うストーリーとテンポよい流れが楽しめるシリーズです
    印南が残念なエリートすぎて、発言がホントに残念なのが、青依を理解しようとすることで、己の足りなさ時価無さに気づいていく姿と、青依がこのままではダメだとしっかり生きることを考える姿がとても良いです。お互い初恋なのに初々しさより不器用さが愛おしいです

  • 最初はお互い毛嫌いしていたけど、徐々にお互いを分かり合い、仲を深めていくところがよかった。

    主人公が攻めに「おかえりなさい」やら、料理頑張ったり
    攻めが地味に萌えてたり、お礼しているのも良。

    徐々にほのぼのlove

  • 王道の面白さ。当たり屋をやっている主人公が、飛び込んだ先で見破られ逃げ損ねてしまう。だが車に乗っていた男は、元彼を見返すための恋人役を探していて、主人公を警察に突き出す代わりに恋人役を提案してくる―。
    受が元気の良い男の子。言葉遣いが汚いのはご愛敬だけど、好感が持てる主人公でした。強がってはいるけど、たまに見せる素顔がキュンとくる可愛さ。そりゃ仕事ばかりの攻も落ちるよね。
    マイフェアレディほど主人公が蝶のように転身はしないけど、それもまたこの後のお楽しみ。続編、読みたくなった。

  • ★3.8

  • 久々読んだBL小説。
    あっさりアサリ汁のような気もするけど面白かったヾ(≧∇≦)〃
    "当り屋"をやってる20歳の江鳩青依。
    青依と仲間が目を付けた高級車に当たりに行くが失敗!!
    このまま警察に突き出されるのかと思いきや
    相手の会社社長の印南高嶺と
    同僚兼秘書兼友人の酒匂はある条件を出してきた。
    どん底生活で"当り屋"の仲間にも見捨てられた青依は喜んでその話に乗るが…。
    青依は家庭環境のせいでこんな生活をしてるけど根は素直ないい子。
    片や印南は高慢な雰囲気があるが意外と不器用さん。
    そんな2人の恋物語

  • お金持ち×当たり屋
    タイトルと内容関係ないやんwとツッコミつつ、価値観も境遇も混じり合わない二人が喧嘩しつつも歩み寄って近づいていく描写がとても良かった。

  • 当たり屋って?何?
    なんて思ってましたが、なかなか面白い話でした。
    印南さんは表情筋のないタイプだったのに、あおいと接しているうちに、だんだんと人間っぽくなってきた。
    なかなか壮絶な生い立ちだけど、ヒモしたり、当たり屋したり、中卒だと仕事ないよねえ。

  • ▼あらすじ
    高級車に狙いをつけ、当たり屋を決行!! ところが、それを見破られてしまった!?
    初めての大失態に、内心焦る青依。けれど車から降りてきた男・印南は、青依の痛がるそぶりに顔色一つ変えない。それどころか、平然と「通報されたくなければ言うことを聞け」と命令してきた!!
    厄介なことになった、と思いつつ拒否権のない青依に、印南はなぜか「9ヶ月間、俺の恋人のフリをしろ」と言い出して!?

    ***

    文句無しの★5です。
    久し振りに読み終えるのが惜しいと思えた作品で、最初から最後まで楽しく読む事が出来ました。
    正直、読む前まではまさかこんなにも萌えられる作品だとは思ってなかったです。

    この作品、受けも攻めも最初の印象はそんなに良くありません。
    受けは中卒でヒモで当たり屋という絵に描いたような底辺だし、攻めは攻めでセレブだけど発言や態度に思い遣りがなく、かなり傲慢で冷たい印象。
    でも、読み進める内に二人の良い所がどんどん見えてくるんですね。

    まず、青依(受)が凄く良い子だった…!
    口は悪いし、育ってきた環境が環境なだけあって二十歳にしては子供っぽいのですが、思ってたよりも健気だし真面目だし頑張り屋さんだしで、好感度がみるみる上がる(笑)
    攻めの為にお子様ランチを作ってあげるシーンはほっこりしましたし、その他にも攻めの要望をちゃんと叶えてあげたり、攻めの理想に少しでも近付こうと努力する辺りに物凄く好感が持てました。

    また、印南(攻)は最初こそ『嫌なやつ』という印象の強いキャラでしたが、実際のところはそうではなく、ただ単に不器用なだけなんですよね。
    悪いと思った事はちゃんと謝れるし、お坊っちゃん育ちな割に意外と苦労してるしでこちらも読み進める内にどんどん好感度が増していくキャラでした。
    ていうか、この作品で最終的に一番変わったのって印南なのでは?と思うくらい、最初と最後では印南の印象がまるで違います(笑)
    印南は無愛想で基本的にはあまり感情を表に出さないキャラなんですが、そんな印南が青依の行動や言動で照れたり喜んだりするシーンは物凄くニヤニヤ出来ますので必見です(笑)

    そして吃驚するくらい性格が悪い印南の元カレ、“星”が登場したくだりは相手が相手なだけに少しヒヤヒヤしましたが、挑発されても毅然とした態度を崩さない印南の対応と、気を利かせた青依の可愛いらしい演技に凄く萌えました。
    欲を言えば、星はもう少し徹底的にやられちゃっても良かった気がするのですが…まぁ、あれはあれで十分胸がスカッとしたので文句はありません(笑)

    伏線の回収の仕方も見事ですし、読んでて引っ掛かるような点もないのでストレスを感じる事も殆ど無かったです。
    それどころか気が付いたらニヤニヤしている事が多くて人前で読まなくて良かったと思いました(笑)
    萌えるだけじゃなくて物語の後半ではウルッとくるシーンや切ないシーンも盛り込まれているので最後まで飽きる事なく楽しめましたし、何より最初は反発し合っていた二人が徐々に心を通わせていく様子が丁寧に描かれているのがとても良かったです。

    やんちゃ受けや年の差CPがお好きな方、エロよりもストーリーを楽しみたい方などにお勧めしたい作品の一つです(^^)

    《追記》
    なんと8月に続編が出るようです!期待大!

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