- Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
- / ISBN・EAN: 9784199050022
作品紹介・あらすじ
あんたは"本当の空っぽ"というものがどんなだか理解できるか?底無しの空間が永遠に広がる絶対真空に放り出されることなんざ、想像もできねーだろう?だが只の学生のはずの俺、工藤兵吾はその虚空で戦争するハメになった。無限に襲いくる敵を、俺が駆る超光速戦闘機(ナイトウォッチ)で倒さねば人類は終りだというのだ-混乱する俺の前に現れたのは、悪夢のような幻影と、人間に科せられた苛烈で空虚な現実だった。現実と超未来、果てなき宇宙と揺れ動く少年の想い。ふたつでひとつの、近くて遠いおぼろな夜空の戦記。
感想・レビュー・書評
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ナイトウィッチシリーズその1。
テーマは、人類は皆眠っており、その中で同じ夢を見ていて、その夢が皆が思う現実世界。実際の世界は、ごく一部の人が未知の宇宙人と戦っている、という世界観で、主人公が何故か突然戦いに巻き込まれる、というお話。
宇宙への虚無感や孤独感を楽しむ作品なんだと思う。SFとラノベの中間みたいな印象。舞台設定は深淵な印象な一方、あまり深く考えてもしょうがないかな、とも思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読み始める前に想像したよりも甘い。2つの世界を行き来すること、仮想現実(どちらが?)や両者が混ざる時の表現は興味深かった。
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名作SFキャンペーン。なつかしいなブギーポップとか、と思いながら読んだ。
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上遠野浩平作品の、SFとしては鉄板の宇宙系SF。
スターウォーズ等の様なド派手感はありませんが、
相変わらず上遠野先生らしい、淡々としつつ都市伝説感のある、内容です。 -
虚空を航る幡種船。架空世界で生きる眠る人々。人類を守るため超光速戦闘機を駆り、正体不明の敵と戦う。設定のスケールは大きいのですが。キャラの魅力か、物語のドラマ性か、人間への深い洞察力なのか、とにかく何かが足りないのです。読みやすいけど記憶には残らない小説かなと思いました。
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虚空と存在と前進の話。ナイトウォッチシリーズ第一弾。つい最近星海社から新装版が出たらしいケド積読癖が祟り、もうこっちを買っちゃってたんでこっちを怒りの登録。淡々とした文章ながら、スペースオペラと現代の日常を共存・交差させる世界設定が面白い清々しいほどのジュブナイル。独特の世界だけにもっと掘り下げて欲しい箇所は残るもののかなり好きな設定なので野暮なツッコミは、まぁいいじゃん。俺もこういうのに憧れてた少年だったんだよ
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普通の高校生だったはずの工藤兵吾が戦闘機“ナイトウォッチ”に乗って、人類の敵である虚空牙と宇宙で戦うというSF小説。一般人だった主人公が敵と戦うという導入部分は王道な雰囲気。ただ、世界観に一工夫あり。兵吾が生きてきた世界は仮想現実なんだけど、絶対真空の世界というあまりに現実離れした現実から、心を保護するために作られた仮想現実だったという設定が面白い。壮大なスケールのSF設定やバトルが、人の心の問題に収束していくところは上遠野先生らしい魅力にあふれていると感じる。敵である虚空牙と人類の関係性の洞察についても興味深く読めた。
ちなみに、難しいSF用語が時々出てくるものの、正確に理解する必要はないので、SFが苦手という方でも読みやすいと思う。そもそも、ナイトウォッチの形状自体もよくわからないし、兵器もなんかすごそうぐらいでも面白く読める。ネーミングセンスがカッコよくて好み。タイトルが詩的でいいし、ナイトウォッチの名前(マバロハーレイなど)も未来的な響きがして作品に合ってるよね。
また、同作者のブギーポップシリーズとも繋がっているので、既読だとより楽しめるはず。未読な方は2作目のVSイマジネーターあたりまで読んでみると、にやっとできるポイントがあるかも。
あとがきにあるロマンの話も好き。「僕らはたぶん、まだすべてのことを星座のように『本当はあんな形をしていないのは知ってるけど、でもそう思えば楽しいじゃないか』と言えるほどには世界を見ることができていない。」という一言が印象深い。この本を読んでいるぼくらも兵吾たちと同様に、先が見えない夜に立っている。その夜に何を視るのか。虚無か、星の瞬きか。どちらにせよ、ぼくたちはただ先に進むしかない。 -
虚空牙は割とどこにでも出てくるので、手始めに読んでみてください。
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長編SFシリーズの第1段です。
ブギーポップをはじめとする、上遠野作品のほとんどがそうですが、心の描写が多いし、うまいですね。
人間関係というかなんというか。
マトリックス的世界観で敵と戦い、その敵の目的を理解し、撃破。
だが最後に主人公は…。
といった感じですね。
非常に面白いです。
実際、読むのは2度目だったりするんですけど、やっぱり面白く読めました。
長編ということになっているけど、意外と手早く読めるのは、惹きこまれるからかもしれません。