飛田で生きる 遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白

  • 徳間書店 (2014年10月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784199070143

みんなの感想まとめ

生々しい風俗街の内情を描いたこの作品は、複雑な人間ドラマと商売の厳しさを浮き彫りにしています。著者は、経営者としての視点から、性産業の現実をリアルに伝え、そこで生きる人々の悩みや葛藤を丁寧に描写してい...

感想・レビュー・書評

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  • 年末最後の投稿となります。予想通り濃ゆい締め。(ヘイルメアリーを挟んだ意味が皆無)
    さて『飛田の子』でも書いた通り、アングラな場所を写真に収める事を生き甲斐としている女友達が、写真で食べて行けるか見定める挑戦をしたい、との事で(後で知ったけど)飛田新地にお付き合いする事になりました。
    有名な料亭街(という名のアレ)は全面撮影禁止なので撮影場所は唯一女性も入れる元遊郭をそのまま流用した料亭『鯛よし百番』です。

    本作も読みたいのですが、今回は体験記となります。一人で『青春通り』も歩いたりとかなり長くなりますので2回に分けたいと思います。
    ご興味のある方はゆっくりとお付き合い下さい。
    それでは行くぞー!第1回目は『鯛よし百番すごすぎた』の巻。
    カルチャーショックを皆様にもお裾分け!

    世はクリスマスイヴ。そんな性…じゃなかった、聖夜に携帯を取り出せば怖いお兄さんが飛んでくる、と真偽不明の噂を知ったのでGoogleマップを印刷して地図を片手に阿倍野に降り立つ我々。
    速攻で道間違える。えぇい、やってられるかあ!ギリギリまでは行けるだろ!と結局スマホのナビを使う(貧弱な現代人)
    女の子が座って呼び込みをしている『青春通り』は通れないので、当時の抜けを阻止する為に建てられた『嘆きの壁』の裏側から攻めました。

    スマホをしまい設えられた階段を降りると喫煙所があり、早速楽しんできたらしきお兄さん集団と遭遇!女連れの私は緊張しつつも会話の盗み聞きを試みようとした途端「ありがとうねー」の声と共にショッキングピンクの灯りが灯った店からお兄さんが出てきた!!
    まずい、青春通りがもう目の前じゃないか!
    慌てて百番への道に逸れる。

    数分で辿り着いた店はまるで100年前にタイムスリップしたかのような建物でした。確かに映画等で目にした遊郭はこんな感じだった。赤い勾欄の並ぶ軒下に赤い提灯がずらりと下がっている壮観さ。大正時代の遊郭建築の粋を集めた建物だけあって素晴らしい存在感(国の登録有形文化財にも指定されています)

    入口を入ると下駄箱がズラリ。その傍らに虎の屏風。そしてその脇に遊郭と言えばの太鼓橋があるのですが、そこに小さな庭があり遊び心で男性器と女性器を模した大きな岩がズドーン!!
    女将さんいわく、当時は機械も無かったのでわざわざ手作業で運んで掘ったとの事。

    実は初めての客にはまず女将さんが丁寧に店内ツアーをしてくれるのです。これは歴史探訪としても価値がある!
    食事をする部屋は2階にあるのですが、1階だけでも見所満載。当時は1回が待合室になっており、一旦応接室のような部屋で男性が写真を見て女の子を選び、そこで鼻の下を長くして女の子が迎えに来るのを待っていたそうです。(女将さんジョーク)

    しかしこの待合室の金のかけ方が異常。いや、全体的に異常。
    この建物は、かつての客を驚かせるために日本の有名な名所を室内の意匠として取り入れています。家康を祀る日光東照宮の『陽明門』を模した豪華な門があるので、徳川家の家紋である『三つ葉葵』の装飾が待合室にドーン!!
    今なら著作権侵害で訴えられるて、これ。
    とにかくこの建物は、当時の職人たちが「日本中の名所をここに集めてしまおう」という遊び心と贅を尽くして作った大正時代のテーマパークのような遊郭建築だそうで、売ったら何千万どころじゃ効かないであろう絵も沢山飾ってあります。

    初っ端からすげー!と口をあんぐりさせていましたが、2階もすげー!
    紫の階段で上がるのですが、ここは京都の三条大橋を模しています。大橋を渡って別の世界へ行くという粋な演出だったそう。こりゃあ当時のやる気満々な御仁方はワクワクが止まらんだろ!と思いましたが、一応レディーである友達には言いませんでした。
    気遣いのできる男、それが私(黙れ)

    なんと我々が通されたのは1番人気の部屋、静岡県にある東海道五十三次の24番目の宿場町『島田宿』の道標がどーんと立っている部屋で、中は勿論畳なのですが、一段高くしてある奥は屋形船の形をしています。
    当時はこの船の上で遊女とベッドイン(布団インか?)していたようで、対面する廊下には見事な富士山の絵が書かれており、襖を開けると寝転びながら富士山を眺められる訳です。
    天井には川渡しをする船頭の姿が掘られてあり、これは有名な彫り師の作品だとの事。
    ちなみに廊下の至る所には雲の形をした木彫りが飾られてあり、道を歩いているようにしてくれる遊び心らしいです。

    百番では他のお客さんが居ない場合、自由にどの部屋でも入って良いし写真も取り放題です。イヴの夜は暇らしく次のお客さんが来るのは30分後。その後も3組程しか来ないのでゆっくり見て下さいとの事なので、先ずは見て回る事に。
    我々の部屋以外は案外シンプルでしたが、お高そうな絵や扇子が飾ってあったり、やはり天井への拘りが凄い。
    ある部屋では格天井と言う、日本の建築でも特に格式の高い場所に使われる様式が取られており、升目の一つ一つに手書きの草花が描かれています。
    (これ、お寺で見たやつだ…とまたあんぐり)

    寝転がる事が必須なので、どの部屋も天井の意匠が凝っています。遊郭、恐るべし…

    大阪大空襲で他の遊郭は焼け落ちてしまった中、百番だけが奇跡的に残り、改装などもされつつほぼ現存という形で残っているそうですが、とんでもない貴重な文化財という事を肌で感じました。
    そりゃあもう建付けも悪くなって、襖開けるのもギギギ…と力を入れねばならぬ箇所も幾つか。それさえもロマン。

    よし、今夜は鍋のお供に熱燗デビューしちゃうぞ(yukimisakeとかハンドルネーム付けてる癖に呑んだ事ない)雰囲気を全力で楽しむんだ!とお腹の減っていた私に彼女は違う意味で爛々と目を輝かせていた。

    「思ったより写真撮り放題やし、1番人気の部屋…。これは、大道さんが私に撮れと仰っているんやわ!!」

    森山大道さん、ご存知でしょうか。モノクロで写真を撮られる方で野良犬の写真が有名でUNIQLOからTシャツも出ています(実は私も持っている)
    ストリートスナップの神のような方なのですが、とにかく彼女のやる気に火が着いた。

    「与えられた制限時間は恐らく多くても2時間や!撮るよ!ユキ本気出せ!」
    「え?は、はい?(鍋の用意されてるのに?)」
    「私が出した指示には文句言わずその通りにやるんよ?!」
    「は、はい?!(なんか人格変わってへん?)」
    「衣装チェンジは2分でやって!」
    「え?着替えんの?!(その大荷物は服か!)」
    「私はこの世界観を切り取りたいんやから、その1部として我を捨てるんやで!」
    「はいっ!!(やばい、怯んだら殺されそうだ)」
    「ユキと友達になれた事に感謝してるわ、ありがとう、大道先生ありがとうございます!!」
    「…(なんか扱いの差がすげぇ…)」

    そんな訳で、フルメイクを施された私は目の前に人参をぶら下げられた馬のように鍋も熱燗もお預けされ、服と場所を変えつつ、飛び交う指示(という名の怒号)を受けて芸術の一部として切り取られていったのでした。

    これ、流石に使用許可がいるのではと危惧する私に、賞が採れて大衆の目に晒されないといけなくなったら許可を取る、と言っていたのですがちょっと待て。
    私への許可は要らないのか、大衆の目に晒されたくないのだがと抗議するも、要らんやろ、と一蹴されました。
    因みにバイト代は出世払いです。解せん。

    まあ私のすったもんだは置いておいて、鍋はちゃんこ鍋やすき焼きも選べます。
    評価サイトでは味を酷評するクチコミも多いですが、私はめちゃくちゃ美味しかったです。
    もし行かれる方がいらっしゃいましたら、飛び込みでは断られる場合があります。実際に入れ違いで飛び込みで来た方は断られていました。

    暇な時だからかもしれませんが、一度入ると時間制限は無いようで、我々は4時間近く滞在しました。
    惜しむらくは私の自由時間がほぼ無かったせいで、自分では写真をあまり収められなかった事です。
    本当に貴重な文化財なのだと肌で感じれたのでまあ良いとするか。

    部屋の窓を開けると、目の前にはアパートが隣接しており、遠くに青春通りの提灯が見える。
    まるで異世界に飛び込んだようでした。

    そのまま帰ろうとしていた私なのですが、この後一人で青春通りと1本外れた、年上の方が座っている通りを練り歩く事になるのですがその話はまた次回。

    ここまでお読み下さった方、お付き合い下さりありがとうございました。
    あと1回、ご興味ある方はお付き合い下さいね。

    本丸はもっと凄かった…。

    • yukimisakeさん
      ゆーきさん、そうなんです(>_<)
      京都は2回程行ったんですが方向が違いすぎて!
      朝から行きたいので、来年にミッフィーちゃんに会いに行きたい...
      ゆーきさん、そうなんです(>_<)
      京都は2回程行ったんですが方向が違いすぎて!
      朝から行きたいので、来年にミッフィーちゃんに会いに行きたいです♪
      ミッフィーパンとかあるかな(・ⅹ・)
      後半戦は…もう…笑
      今夜あげますね!
      2025/12/29
    • yukimisakeさん
      1Qさん!1Qさん!!
      要らないとは何事ですか?!笑(>_<。)
      次はもっと長いかも!もう、お姉さんよりおばさまに圧倒されました…
      僕はむふ...
      1Qさん!1Qさん!!
      要らないとは何事ですか?!笑(>_<。)
      次はもっと長いかも!もう、お姉さんよりおばさまに圧倒されました…
      僕はむふふな夜は過ごせたのでしょうか…(*´﹃`*)
      2025/12/29
    • yukimisakeさん
      8さん、そうだ!お高いカメラ持ってたんでしたっけ?!
      木村伊兵衛は、賞にもなってる方ですよね、美しい彼で知った情報笑
      ほんまによくご存知です...
      8さん、そうだ!お高いカメラ持ってたんでしたっけ?!
      木村伊兵衛は、賞にもなってる方ですよね、美しい彼で知った情報笑
      ほんまによくご存知ですね!友達と話が合いそう♪上田さんのインスタ見てきましたけど、美しいですね!風景写真にヌードまで!僕からしたら皆凄いってなるけど、なんか違いがあるんですよね。
      2025/12/29
  • ・生々しい風俗街の内情がよくわかる。まさにドラマやとしか言いようがないが…
    ・難しいよね、セーフティネットになっている反面、そもそもそれでいいのか。身体を売ることを認めてしまっていいのかって考えてしまう。
    ・噂には聞いていて、えらく高い料金やなと思っていたけど、本番ありなのか…。しかしシャワーもない環境だとやっぱり病気が心配だよね…
    ・全然知らない世界だけど、やっぱり商売をやっていくのは大変だわ…

  • 今に生きる赤線地帯、遊郭の風情と隠微さを醸す歓楽の秘境・飛田新地。本書は第三者によるルポルタージュではなく飛田の「住人」である筆者がその内部事情を赤裸々につづった貴重な記録でございます。




    飛田―僕がこの界隈のことを知ったきっかけは作家、黒岩重吾の小説がきっかけでした。株で失敗し、原因不明の奇病に全身を冒され、西成で息を潜めるようにして生きていたころに飛田に勤める「おねいちゃん」たちと交流があったのだそうです。

    本書は「遊郭」を10年経営し、現在はスカウトマンとして「飛田に生きる」住人が書いた「裡側」の赤裸々なまでの記録です。以前、ここでも紹介した「さいごの色街・飛田」では遊郭を経営する親方のことを『仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌の八徳を失った者、また、それらを忘れさせるほどおもしろい所』の意である『亡八』というまことにショッキングな言葉で揶揄されている、という箇所を思い出し、これは当事者が書いた手記なんだということを改めて思い出しました。

    筆者は高校時代の柔道部の先輩であり、再開したときは裏の『住人』になっているであろう『村田さん』から飛田での遊郭経営の話を持ち込まれます。ある程度考えた後、『いかがわしい場所とか言われるけど、そういう場所で人間の道極めるのもオモロイで』という言葉が後押しとなって、筆者は「実地検分」の後、料亭を持つことに踏み切ります。ただ、そのときの不動産屋の主人が言った
    「店の女の子には、気いつけていな。女の子しゃべりおるから」
    ということを後年筆者はイヤというほど思い知らされるのです。

    飛田のシステムはかつて赤線、青線というものがなくなって、大阪の遊郭は、東京がソープという形態で残ったのに対し、料亭での仲居との自由恋愛という形で残ったのだそうです。たとえば15分のちょんの間(意味はご察しください)は11000円。取り分はおばちゃん1000円、女の子5000円、店(親方・マスター)5000円が相場で、時間によって変動するというのは言うまでもありません。

    念願かなって店を持つことになるも、筆者は女性の持つ『業』というものにとことん振り回されるようになります。たとえば、店の売り上げは「オバちゃん」(あるいは『遣り手婆』)しだいだというのだそうですが、いい『オバちゃん』につけばいいのですが、悪い『オバちゃん』が入ると、売り上げを盗まれたり、気に食わない『女の子』をいじめたり、少しでも店の経営が傾いたりすると彼女たちの『ネットワーク』を利用してさっさと別な店に移るんだそうです。この「むきだし」感に、まずは衝撃を受け、店に来る女の子がさまざまな「事情」をもって「苦界」である飛田に飛び込み、あるものは目標だった額のお金をためて飛田を去り、あるものは飛田の持つ「魔力」からそこから離れられなくなり、とことんまで「堕ちて」行ってしまう…。人間の持つ「性」という根源的なものを「商品」として売買している現場に立っていた人間だからこその視点に衝撃をさらに受けてしまいました。

    ここにつづられているミもフタもないやり取りは虚飾を排した人間の生々しい姿です。そこには金があり、それを掴むものもいればそれによって堕落してしまうものもいる…。いつの時代も変わらない「真実」があるような気がいたしました。現在、筆者は料亭をたたみ、そのときに培った経験を生かして「スカウトマン」として現在も飛田界隈の「住人」として活躍しているのだそうです。妖しい魅力を今でも放ち続ける「さいごの色街」飛田。本書はそこに生きる人間の貴重な証言であり、また記録であると思います。

    ※追記
    本書は2014年10月3日、徳間書店より『飛田で生きる: 遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白 (徳間文庫カレッジ)』として文庫化されました。

  • ただただ飛田で、いきたかった。

  • 飛田新地で親方(マスター)として新規開店した著者。開店に3ヶ月以上の期間を要して、水商売から引き抜きやスカウトに励む日々。電気会社のライト工事に7~8万円とか利益を出すためのコスト面が聞いたことないことばかり。勧誘おばちゃんの7割が飛田経験者だったり、キャストが飛ばないための工夫や人間関係がとても深かった。辞めたあの子は2軒先が当たり前の世界。暴力団禁止法の中でどうフェアに出し抜くか。

  • こういった性産業を
    すぐに是か非かを議論したがるが、
    内情を知らないなかでの議論は無意味。

    確かに必要としている人もいる
    でも、多くの人がそこで潰れているのも
    また事実。


    見ず知らずの男に今から抱かれるというのに
    それを誘うように、満面の笑みで笑え
    笑えるはずのないのに笑う
    人が持つ悩みや葛藤、黒い部分もみえた


    大阪の知っていたい一つ。

  • 飛田での店の経営は、人間の良い面も汚い面も含めて、人間を深く知ることが出来る仕事だと思った。
    著者が飛田で働いていた間、精神的に落ち着かない日々を過ごしたことが容易に想像出来た。

  • 著者の杉坂圭介氏は、30歳を少し過ぎた頃にリストラに遭い、深夜のファミレスでアルバイトをしながら就職活動。そんなとき、高校時代の不良先輩から何年かぶりに連絡があります。どこで聞きつけたのか、杉坂氏のお父様が亡くなって、保険金数千万円を杉坂氏が受け取ったことを先輩は知っていました。それを元手に遊郭のオーナーにならへんかと。

    オイシイ話には罠がある。そう警戒はしながらも、甘い言葉に乗ってオーナーに。2002年に店を持ち、10年続け、現在はスカウトマンとして関わる杉坂氏。飛田では、中のことを外の者が触るべきではないと、写真撮影はいっさい禁止、マスコミの取材に応じることもほぼ皆無だそうです。だけど、あべのハルカスなどもでき、消されてしまうかもしれない遊郭。実情を書くことで、この街がなぜ必要とされてきたのか、これからも必要であるということを杉坂氏は訴えています。

    ヤジウマで読みはじめ、読みおわった今もそのノリのままではありますが、ほぉぉぉぉ、へぇぇぇぇと思うことたくさん。飛田のトイレはすべて和式。そのほうが局部を洗いやすいから。飛田以外の新地にはシャワーのあるところもあれば、公衆便所しかないところも。

    いちばん目からウロコだったのは、遊郭を利用した客にはどの店でもペロペロキャンディーを渡すということ。キャンディーを舐めているお客さんはすでに「終了」しているので、おばちゃんたちも声をかけないそうです。そんな目安があったとは。

    新規開業に当たっての申請等、手順あれこれ。店を開けられると決まったら、今度は女の子のスカウトに奔走。できるだけたくさんの女の子を店に置いておくのだと思いきや、店が抱える女の子がみんなちゃんと稼げるように、数人だとか。飛田で働こうとやってくる女の子の諸事情。女の子同士のトラブルなどなど。親方稼業は楽じゃない。

    飛田を歩いて衝撃を受けた私としては、さまざまな事情を知りもせずに、治安がどうとか外聞がどうとか、そんな建前だけで消えてほしくはないなぁと思うのでした。

  • 中の人の、それも使用者側からのエッセイというだけで
    ちょっと希少価値はある。

    中身はそんなにセンセーショナルではないし、
    目を引くところはなかった。
    しかしそれは率直な記述であろうと
    著者が配慮した結果ではあるだろう。

    特にこの手の事業を立ち上げた人のエッセイには
    「自分はこの件に関して一通り見渡せている」という
    鼻持ちならない感じがプンプンする人もいるので、
    分をわきまえてる感じ好感が持てる。

    ぶっちゃけもうちょっと
    コミュニケーションとったほうがいいんじゃないの
    とか思うとこもあるけど、
    距離感を間違えると怖いので
    近寄れないとかもあるんだろうなぁ。

  • 「さいごの色街 飛田」とは違い、元親方の書いたもの。より真に迫った、本当のことが沢山書いてあったと思う。特に料亭の中での女の子の内情については、こちらの方が詳しかった。サラッと書いてあるけれど、親方もなかなか汚いことをしているなぁ。でもそれ以上に女の子は強い、したたか。最後のミズホの啖呵が切なかった。

  • 未知の世界に触れられる良作。
    遊郭は知っていても赤線という言葉は初めて、遊郭って今もあるの?!という興味から読み始めました。
    筆者の実体験が心情を踏まえ、丁寧かつわかりやすく記されています。言葉も難しくなく、まるでドキュメンタリーか日記を見ているようにあっという間に読み終えました。
    経営する側の苦労、困難、失敗談、成功談がとても面白く、自分が働いていたらどんな人間性を露出していただろうか、と妙な想像をしてしまいました。
    良い面も悪い面もあるのはどこの職場でも同じですが、知らない世界を知る楽しみを感じられました。

  • 実際に親方として経営をしていた方が書いた本

    勝手な想像で親方業はほとんど何もしなくても儲かりそうと思っていたが、本書を読んだことで思った以上に精神的にしんどそうだなと思った。

    オバちゃんとお店の子が共謀してお店のお金を持ち逃げしたり
    オバちゃんが贔屓をしたせいで看板の稼ぎ頭が辞めてしまったり
    普通に経営者として働いた方が心身ともに安らかなのではと思ってしまった

    タワーマンションの件はそうなっていないけど、
    後から参入してきた人たちが、自分たちに都合いいように外観を綺麗にしていくのはどうなのかなーと思った
    外観を整えたとしても内に籠るだけで語弊があるが根本的な問題は消えないと思う

    買売春は一般的にみて悪いことという認識がまかり通っているが本当に悪いことなのか?
    本に出てきていた生活費と借金、兄弟の進学費用のために飛田で働いていた人は飛田がなければどうしていたのか
    性産業以外で稼げる仕事にすぐにつくことができる世の中ではないから選択肢がないのではないか
    兄弟に話して諦めてもらうのが一般的にみて普通なのかもしれないけど

    どうしてもの覚悟がある人にとってのセーフティネットなのかもしれないと思うと、働いたこともなくただ色眼鏡を通してみているだけの私のような人間がああだこうだいうのは違うなと思った

    その場所が誰かの生きる場所であるのなら強制的に排除してしまうのは果たして…

    関連書籍を読めば読むほど正解が全くわからなくなっていく

  • 自分が生きる世界とまったく違う世界で生きる人たちのことを知ることは大事。できることなら本でなく、実体験として。
    知らずに否定するなんてことはしてはいけない。


    飛田に救われ、この街を必要とする女の子たちも多くいるのだ。


    とにかく美人な子よりも、笑顔がかわいく愛嬌のある子が多くのお客さんを「上げる」。

  • 有り 384.9/ス/12 棚:10

  • この業界は世間体ネガティブなイメージがある。内側の世界に興味あっても中々踏み込みにくい。
    でも、この本読むと、その世界が垣間見れる。働く事情は様々だけどどんな仕事であれ、働く人は生活のためにみんな必死。ネガティブなイメージを持たれやすい業界だけど実情を知るとまた見方が変わりますね。

  • 社会

  • 2017.12.14 読書日記ランキングより

  • 元経営者が飛田の実態を書いてくれた。店の仕組みから従業員の女性までの素顔を。

  • むっちゃ面白い。具体的な数字にリアルなエピソード。本当に親方をやっていたからこそ書ける本だと思う。続編も読んでみよー

  • 飛田で遊郭を経営していた元親方が内側から描いた飛田の真実。先に読んだ、井上理津子『さいごの色街 飛田』は外側から飛田を描いた面白いルポルタージュだったが、本書は飛田の内側から描いている分、生々しさがあった。

    非合法と合法の境界線で働く人たちのそれぞれの事情と逞しさ…何故か哀しさが余り伝わって来ないのは大阪という土地柄なのだろうか。

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著者プロフィール

大阪府出身。繊維製品卸問屋勤務を経て、飛田新地の料亭経営者にへ。10年間店の経営に携わった後、名義を知人に譲り、現在女の子のスカウトマンとして活躍している。著書に『飛田で生きる』。

「2016年 『飛田をめざす者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

杉坂圭介の作品

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