- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784199070327
作品紹介・あらすじ
串田孫一『考えることについて』は、1955年に初版刊行。その後、加筆修正・再刊行など形を変え、多くの読者に愛された串田思想の入門書的存在。79年の旺文社版から36年ぶりの再文庫化。考えることについて、見ることについて、愛することについて、孤独について、不安について。それぞれ普遍的なテーマを取り上げ小気味よく綴る至極の文章は色褪せることがないばかりか、現在も新鮮な輝きを放っている。串田和美氏による特別寄稿文を収録。
感想・レビュー・書評
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レビューを書けるほど読み込めていなくて、とりあえずサラッとひと通り読んだ、という感じ。
一つ一つのタイトルがとても分かりやすくて、◯◯ことについて、で語られてゆく。
怒ること、泣くこと、働くこと……などなど、人というのは色々の反応や行動をし、また、それが何故起こるのかについて疑問に思うものなんだよなぁと得心してしまった。
そして、こうした言葉で明かされることが、時に救いをもたらしたり、時に反発を起こすこともある。
串田孫一という人の目には何が映っているのかが、よく描かれていて、そのフィルターを通して見る人間は完璧ではないのだけれど、決して滑稽に描かれているわけでもない。
どこか冷ややかに、でも底には温もりがある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
考えること、見ること、知ること、疑うこと、作ること、笑うこと、運命、孤独、悲哀、嘘、羨望、嫉妬 について、著者が分り易くエッセイで語る。定義でもなんでもない。著者の優しさが伝わってくるような文章が多い。それは鳥、動物、花などが度々登場し、それらの気持ちを忖度するような文章に表れている。「嫉妬」の中で印象に残る言葉は「恋する人は肉体をも勿論求めるでしょうが、それ以上に心を求めている」「想い出」は話すときになると幾らでも粉飾をほどこすことが出来る。想い出は秘められたままがよい。外へ出されるときは慎み深いのがよい」は至言である。「手紙」では詩の勉強へのアドバイスとして、「自分の日記や手紙をていねいに、緊張して書くように」との言葉、そして「日記へ向う自分はわがままなもの」という正反対のような言葉。「日記は心理的な休息、娯楽、ご馳走、怠惰な行為、見せかけの仕事」とのアミエルの言葉も紹介されている。日記について考えさせられる。「不安」ではパスカル、キルケゴールなどについて詳しい。
著者プロフィール
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