ホライズン (キャラコミックス)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 160
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784199601958

感想・レビュー・書評

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  • 藤たまきさんの作品は、幼い時に大人に因って性的に翻弄され、自己を肯定できなくなってしまう少年と言うものがキーになっている。ジョナサンもその一人で、彼は自分を汚ない者と考え、汚ない部分をひたすら隠して美しい者で在りたいと熱望する。ナサニエルは、逆境によって生まれ、それを肯定して強靭な精神力を育てながら生きており、二人は凹凸の様に違っているからこそ惹かれて行く。この作品は予備知識なしにずんと読んでしまう方が絶対にいい。ラストでずんと来る。藤たまきと言う作家は、萩尾望都先生の作風の系譜でりつつBLに特化させている、と言う印象が凄く強い。
    性に奔放なのを単に「ビッチ(アイコンとしてのビッチであって、背景も虐待を受けたとか、美形なので小さい時から男に悪戯されていたとか掃いて捨てるような感じ)」として描く人と、性の依存症として捉えている人と、この辺りはくっきりとした分かれ目だよなぁ。

  • 引用
    僕はあなたを知っていました。それがあなたの全てでなくても。僕はあなたを愛していました。今まで僕は、美しいものばかりになりたがってばかりいた。誰かに愛されたがってばかりいた。僕は弱くて――。自分は汚い。自分は価値がない。人に嫌われたくない。人に愛されたい。考えることは、そんなことばかり…。自分勝手で子供っぽくて。自分のことばかり考えていたんだ。ずっと甘えてばかりいた。君が僕のことを考えている間。逃げてばかりいた。隠れてばかりいた。僕はこの重荷を吐き出すことをずっと恐れていた。神様僕は、告白します。自分を見せるのです。僕を知っていると言ってくれる人に…。「嫌いだ」と言われたら、僕はちっぽけなもになる。ただの矮小なもになる。すべてのカラが打ち砕かれる。遺産も信頼もきれいな物も全てなくしてしまったら――。僕は人でないものになり羽が生えて飛んでゆく。汚い自由なものになって初めて走り出し自分を見つける。そうしていつか遠い未来走っていった地平の先にもう一度小さなチャンスを見つけて、もう一度君にめぐり会うのだ。「久しぶりだね君、ねぇもう一度やりなおさないか?」

    .

  • 藤さんの作品を読むと、白黒まんがでも光が表現できるんだなとびっくりする。これは特にそう。

  • ぎゃー、表紙出ねぇぇ!!!すごいヒットした作品なので残念。
    終わり方が秀逸です。ジョナサン・・・。
    シーナの方を読んだことがないので、今とても読みたいです。4巻ね・・・!

  • 完結した精霊日記の登場人物ナサニエル神父の過去。
    4巻に出てきたそこの不明点を補完するお話。
    繊細な藤たまきさんの作品の中で一番好きな本です。
    何度も読み返したのに泣けてしまう。

  • うふふ神学校もの。

  • 結末に驚きました。
    初めて読んだ藤たまき作品だったので。

  • シーナシリーズの番外編に位置づけられる本作。もうこれはBLの域を超えた名作だと思う。

  • すきすぎ

  • 「ミスターシーナの精霊日記」に登場する神父・ナサニエルの過去の物語。藤たまき作品の中で最も哀しく残酷なストーリー。生まれ変わることを切に望みながら果てていく少年ジョナサンの人生の果敢なさが泣かずにはいられないほど強烈に美しい。「ミスターシーナ」の5巻で完結する物語なので、是非5巻を読む前に読んで欲しい一冊。

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