雛鳥は汐風にまどろむ (CHARA コミックス)

著者 :
  • 徳間書店
4.09
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本棚登録 : 352
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784199607431

作品紹介・あらすじ

事故で亡くなった姉の子供・歩を引き取り、海の見える町に引っ越してきた勇一。
新天地での初めての子育てに悩んでいた勇一が出会ったのは、町で惣菜屋を営む元ホストの陵だ。
ガッツリ胃袋をつかまれすっかり常連となった勇一に、「あなたのこと、もっとよく知りたいです」と口説くように囁やかれて…!?

感想・レビュー・書評

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  • 感動物。泣けます…陵の過去が切なく、歩と自分を重ねるストーリーがすごく良い。(あと、島村ママができる脇キャラすぎて、良いです)

  • ▼あらすじ
    事故で亡くなった姉の子供・歩を引き取り、海の見える町に引っ越してきた勇一。
    新天地での初めての子育てに悩んでいた勇一が出会ったのは、町で惣菜屋を営む元ホストの陵だ。ガッツリ胃袋をつかまれすっかり常連となった勇一に、「あなたのこと、もっとよく知りたいです」と口説くように囁やかれて…!?

    ***

    ストーリーの完全度:高い
    トーン:せつない・シリアス(やや高)
    エロ度:普通
    萌え度:普通
    総合評価:★4.0

    積み本崩し。初読みの作家さん。
    丸々一冊表題作で、見た目も中身もそこそこ厚みのあるお話でした。
    ほのぼのしたシーンも多いですが、どちらかと言えばシリアス寄りな雰囲気の作品で、受けが主人公…と見せかけて実は攻めが主人公のお話でした。

    ストーリーはまぁ、悪くはないです。たっぷりページを使ってるだけあってなかなか読み応えのある作品に仕上がっていると思います。
    ただ、勇一よりも陵を中心にしたお話だったので、ノーマルな筈の勇一がなぜ陵を好きになったのか、その辺が少しふわっとしていて分かりづらく、最後まで疑問が残るところだったかな。

    あと、これはかなり個人的な問題なんですが…攻めがちょっとイメージと違って残念でした。訳あり気な雰囲気は漂わせてたけど、思ってた以上に訳ありだったというか何というか。
    人のものにしか興味を示せないっていう性癖はまぁ、育ってきた環境を考えれば何となく理解出来ますし、義兄の彼女を寝取るのも心情的には理解出来ます。ただ、義母まで寝取るのはちょっとなぁ…。陵にとってはただの復讐でしかないのかもしれませんが、義理とはいえ母は母だし、流石にそこまで行くとやり過ぎだろ…と若干引いてしまって。私が狭量過ぎるのかもしれませんが、生理的にちょっとね…(^^;)
    ただ、余裕のあるキャラと見せかけて意外とヤキモチ焼きで子供っぽいところは可愛いと思いましたし、勇一を初めて抱く時に見せた不安げな表情と「嫌がんないで」 って台詞には不覚にもキュンとしてしまいました。

    あと、この作品の中で一番良かったのが受けの甥っ子の歩。感情を殆ど表に出さないキャラで、口数も少ないし最初は可愛げのない子供だな〜と思っていたのですが、だからこそ「おれのことキライにならないで」って感情をあらわに泣きじゃくるシーンは衝撃的でしたし、思わずうるっと来てしまいました。しかも、海でシーグラスや貝殻を集めてた理由がまた健気で…!めちゃくちゃ良い子じゃん…!(泣)
    最後は二人して勇一を取り合っていてほっこりしましたし、これからも三人で仲良く暮らしてほしいな、と思いました(^^)

  • ちびっこが出てくるBLにめちゃめちゃ弱いのですが、これまためちゃめちゃ心が洗われる綺麗なBLを読んでしまったという気持ち…
    分厚いしストーリーはしっかりしているし綺麗にまとまっているし安心して人におすすめ出来る。

  • ボロ泣きしてしまいました…!
    海の見える町に小学生の歩と引っ越してきた勇一が、そこで惣菜屋を営む元ホストの陵と出会う事から始まる、魂の再生の物語です。

    陵はイケメンで客の扱いがさすがでw勇一にも親切で、そんな彼のおかげで真面目ゆえに自分を追い込んでしまっていた勇一が癒されていくのは、当然のことで。
    子供を育てる親や、勇一のように親代わりをしている大人の立場がとてもリアルに、でも優しい視点で描かれていて、子供の寂しさや不安だけじゃなく大人の不安や辛さもしっかり描かれていて胸に刺さりました。
    歩が最初は冷めた子供かな…?と思ってたら、ほんとに子供らしいというかいじらしいというか、胸がぎゅってなっちゃいました…勇一も歩との距離感がつかめなくて悩んでたけど、歩はもっと不安だったんだよね…泣けました。
    勇一が歩を心から愛してるオカン体質で、ほんとによかったです。
    島村さんの存在は大きかったですよね。母親として素晴らしい人です。そして、なんか陵と勇一のことも察してるよね?

    歩も見かけによらないかわいい性格だったけど、陵のギャップ感はさらに激しかったです。
    表と裏の顔が違いすぎて引いちゃうかもだけど、そうなってしまった切実な理由が彼にはあったんですよね…
    とは言え愛情の飢えを、誰かの大切なものを奪う事で解消していた過去とか、荒み具合がハンパないんですけどね…
    まあ大体、元ホストが海の見える街で総菜屋してるって設定で、絶対ワケアリと決まってるんだけどw
    ちょっと歪んでた陵も、素直で正直で一生懸命に毎日がんばってる勇一に心を動かされて、ピュアな心を取り戻いていく姿がすごくよかったです。
    海のシーンは涙が止まらなかったです。
    こんなに泣くとは思わなかった…

    エロ的にはキスシーンにドキドキさせられました。勇一がアラサーなのにもしかしてまっさら?妖精さんになる手前だった??みたいな初々しさでwww
    そんな勇一に百戦錬磨の陵が…たまらんかったです。
    あと、陵はお総菜屋さんだから当然おいしいおかずがてんこ盛りで、色々な欲を満たしてくれる男なんだな~と勇一が羨ましくなりました。
    「卵焼き」「シーグラス」がキーワードです!

    センセの描くキャラが美形で大好きなんです。子供もかわいいし、平凡そうに見えるストーリーが実は練り込まれててものすごくじわじわくるし、ほんとに気に入っています。

  • いやほんと南月先生流石の一冊でした…。
    この分厚い一冊に胸アツでした…

    イケメンでミステリアスな惣菜屋さん×訳あり子持ちサラリーマン。
    姉と両親を亡くし甥の歩を距離感に戸惑いながらも一人で育てる勇一と引っ越し先近所で惣菜屋を営む陵。

    前半は勇一と歩が家族になる話。最初は勇一はすごく冷静な男の子だなーと思っていたけど回想で嬉しそうにセミの抜け殻の話をするシーンや「キライにならないで」と泣いてしまうシーン。頼る大人が勇一しかいない不安定な足場で必死で良い子であろうと不安を押し込んで我慢していたんだなあと。

    後半は陵のエピソードが明らかになる。実の母親を病気で亡くし愛情に飢え他人の愛情を横取りする事で本当の愛情を確かめようとしていた過去。兄の彼女はまだ…にしろ義母を寝取ったのは流石にと思ったけど、そのことを何とも思わないほど飢えていたのかなとも思いました。勇一の無垢な愛情に救われて良かったです。そして陵の人様向けの大人っぽい表情と勇一と歩に見せる子どもっぽい表情のギャップがすごく萌えました…

    “形も大きさもわからない不可視な存在”である愛情、勇一は持ち前の包容力で陵も歩も幸せにしていくんだろうね。

    島村さんはシングルマザーで大変な立場にも関わらず素敵なママさんであんな人がいれば陵や歩など親を亡くした子どもも幸せになれるんだろうな〜と、素敵な人でした、島村さんに幸あれ!!

    そしてなんといってもくっついたあとの陵のガキっぽい可愛さ、歩と勇一をとりあう可愛いギャップはすごく可愛いかった…
    カバー裏最高。
    これから3人で幸せになる続編読みたいなあ〜

  • ★3.8

  • めっちゃよかったー。末永くお幸せに

  • お惣菜屋さん×勇一・歩親子。もう親子でいいよね。すごくよかった。お惣菜屋さんがイケメンでコミュ力高くて料理も上手なのに、なのに!思った以上に色々キズだらけだった。歩もすごくいい子だし、歩を見守るお惣菜屋さんが大人の仮面を脱いでて底の本音まで見せないまでもほぼ素で接しているのがよかった。もちろん勇一もがんばってるよ!大変だよね、子育て。勇一を取り合うお惣菜屋さんと歩がかわいかったです。
    シーグラスが所々出てきますがシーグラス自体も綺麗だし、お話にも綺麗に絡んでてすごく好きです。
    そしてうれしい分厚さでした。

  • 帯にあるとおり、愛と再生の物語。
    両親と姉を事故で亡くし、シングルだった姉の子だけが残された。
    勇一と歩。二人で海の近くに住むことに。
    家事が出来ない勇一は、お惣菜屋さんに頼りまくり。
    そこのオーナーでもある稜。
    元ホストでもあり、複雑な育ちをしていて、ひねてる。人のものを取ってはポイというクズだった。
    3人で一緒に過ごすようになり、お互いかけがえのないものとなる。

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