民衆の教育経験: 農村と都市の子ども (シリーズ日本近代からの問い 3)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784250200175

作品紹介・あらすじ

学校、社会、家族…それぞれの眼差しのなかで子どもはどのように教育を受容していったのか。国民化教育による統合とその対抗過程に浮かび上がる近代日本社会。

感想・レビュー・書評

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  • 民衆の教育経験を、単に国家による囲い混み、国民化の過程としてでなく、民衆のがわから教育をとらえ返し、多様な可能性を示唆する。しかし、やはり時代の制約というものは付き物であり、そのギリギリの際を‼️いかに描き出すかに挑戦した作品といってよい。
    ただ小論の集合であることは間違いなく、また教育史は著者にとってメインテーマでないため、論考に深まりが見える部分は少ない。思想的に評価されるのは最後の吉原幸子についての部分だと思う。

  • とても面白かったです。
    内容も興味深いのですが、それよりも、歴史学に対する態度が、
    とても参考になりました。

    国民国家と国民をダイレクトに結びつけて近代を語らず、間に「社会」
    (の「矛盾的過程」)を考えるという視点。
    これはここのところ問題になっている(と思われる)国家のあるべき
    構成体は、近代国家成立とほぼ同時に目指された自立した「個人」か、
    あるいはある一定の価値観(これは歴史認識であることも多々ある)
    「共同体」か、というともすれば二者択一的な議論に対しても有効な
    視点ではないかなあ、と思うから。

    何言ってるかわかりにくいかもしれないのは、自分でもうまく整理が
    出来ていないからですが。

    やっぱ歴史は矛盾を起動力として展開するんだよな。きっと。
    ヘーゲル的な視座に共感を覚える今日このごろなのです。

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著者プロフィール

早稲田大学教育・総合科学学術院特任教授。日本近現代史。『戦争と戦後を生きる 1930年代から1955年』(日本の歴史15・小学館)、『語る歴史、聞く歴史』、『増補版 民衆の教育経験』(以上、岩波書店)、『「生存」の東北史』、『「生存」の歴史と復興の現在』(以上、共編著、大月書店)他。

「2021年 『戦争と性 34号 特集:性暴力のない社会へ──「自分ごと」として考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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