“学校から仕事へ”の変容と若者たち 個人化・アイデンティティ・コミュニティ (AOKI教育LIBRARY)

  • 青木書店 (2010年4月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784250210051

作品紹介・あらすじ

不安定化を増す時代それでも"つながり"を頼りに自らのアイデンティティを紡ぎ出す。新自由主義・グローバル化の中で、若者の移行過程が変容した「後期近代」。先行するヨーロッパの議論を踏まえ、5年にわたる聞き取りや、アンケート調査から、日本の若者たちの今を描く。

みんなの感想まとめ

現代の若者が直面する就職活動の課題を深く掘り下げた本書は、学校から仕事への移行過程におけるアイデンティティの変容を描いています。日本の特有の雇用慣行が、若者たちの職業定着率にどのように影響を与えている...

感想・レビュー・書評

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  • 就職活動期の学生達のケーススタディから、その後の職業定着率を分析しています。どのようなタイプの人が職業定着し、しっかりとした人生を歩み、どのような人が点々と職業を変えるような人生となってしまうのか。

    日本では、学校を卒業すると即企業に入ることが求められていますが、そのような慣例は日本だけであり、その前提には日本の雇用が政策として行われずに企業主導であったことを指摘しています。つまり、今、就職難に直面する若者たちの実態は、よく言われるように、個々人の自己分析だのモチベーションだのと言う問題ではなく、企業が雇用を担保できなくなったに過ぎない、と指摘します。海外ではこれら雇用の担保は政策として行われてきた歴史的経緯があります。日本の人材育成に関する国策では、モチベーションやら人間力なる言葉が躍りますが、よーく考えると、それって、就職難の問題を、個人の所為にして政策上の課題と捉えていないということです。学校を卒業したら、すぐに就職<しなきゃいけない>のは、企業がそれを求めるからに過ぎないですよね。

    更に、若者たち個々人の動機づけについて、ギデンズを引用して、ストーリーの連続性から分析を試みています。学校の中退や、就職浪人、親族の不幸などによる進路の変更が、その若者のストーリーの連続性を失わせ、その後の人生で、職場を転々とするような事態がおきている。とりわけ、フリーターなどになってしまうと、個人のストーリーを復帰する機会を失いがちであることをケーススタディから明らかにします。ちなみに、フリーターのネットワークは、お互いの心の支えになるような社会関係資本的な存在であるが、就職・転職などの実利に向かない分析もしており、改めて社会関係資本の形は難しいものだな、と思いました。

  • 高等教育関係の仕事と学修に向きあう中で、忘れている存在が学生である若者そのものである。

    得てして完成されたものとして大学等の高等教育課程に入り込んでくると思っていたものが、中等教育から家庭、学校、友人、社会との様々な関係の中で、若者が自己同一性を変容し構成させていくことが分かった。

    本書の中での「存在論的安心」「社会関係資本」という概念にはアッと気づかされる重要なものであり、本書との出会いは貴重であったと感じている。本書等をもとにした著者による集中講義を楽しみにしている。

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著者プロフィール

首都大学東京名誉教授

「2017年 『危機のなかの若者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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