きいろいばけつ (あかね幼年どうわ (33)) (あかね幼年どうわ 33)

  • あかね書房
3.95
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本棚登録 : 1191
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (75ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784251006936

作品紹介・あらすじ

きつねの子が、丸木橋のたもとできいろいばけつを見つけました…。子ぎつねのばけつへの想いを優しく温かく描く。

感想・レビュー・書評

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  • そんな、まさか・・幼年童話で泣くなんて。
    ところが、そのまさかの事態が起きたのだ。
    ラスト、72ページ目で涙がぶわっと出てしまい、その後は何も読めなくなってしまった。

    小2の教科書にも採り上げられているし、夏の課題図書にもなったことがあるので、
    ご存知の方も多いかもしれない。
    きつねの子が丸木橋のたもとで偶然見つけた黄色いバケツ。
    誰の忘れ物だろう?
    前からこんなバケツが欲しかったきつねの子は、うさぎとくまに相談して、落とし主が現れるまで一週間待つことにする。。。

    ああ、そういえばこんな気持ちになったことがあるな、と誰しもが思うことだろう。
    欲しくてたまらないものが、いつか自分のものになった時のことを想像してうっとりする。
    月曜日、火曜日、と過ぎていく時間が、子どもにとってはどんなに長かったことか。
    でもきつねの子は、その間がそれは幸せだったのだ。
    雨が降れば心配で見に行き、汚れたらきれいにして、時に話しかけ、中に溜まった水に映る月を眺め、棒切れで自分の名前を書く練習までする。
    次の月曜日には自分のものになるかもしれない。どうかそうなりますように。
    あてのない夢を描き続けるきつねの子が、たまらなく愛おしい。

    それだけに、自分のものにはならないと分かったときの、きつねの子の言葉にも驚く。
    この子は、待ち続ける一週間に、しっかり心が成長したのだ。
    どれほどの思いを込めてバケツと過ごしてきたか。
    愛情をかけた分だけ悔しがっても構わないのに。
    きっとこの子にとって、黄色いバケツのことは宝物のように心に残るだろう。

    童話とはいえ75ページもあり、すべての見開きページに挿絵が描かれている。
    このお話しにはこの挿絵以外あり得ないと思うほど可愛い絵だ。
    ためらいや戸惑い、恥ずかしがる顔やどきどきする嬉しさ、どれもストレートに伝わってくる。
    起承転結もきっちりとしているので、小2でなくても読み聞かせに出来るだろう。
    約15分。5,6歳からOKかな。
    子どもの頃に抱いた待つことの喜びと憧れを、はるかな気持ちで思い出す幼年童話の傑作。

  • 足りることを知っている姿はときに潔くて清々しいな。
    キツネの子がいじらしい。

  • 5歳1ヶ月

  • きつねの子がいじらしい。結局自分のものにできなかったきいろいばけつだけど、本当に大事にしていたからこそ、後悔せず、「いいんだよ」と言えたのだと思う。
    こういうお話を書けるのってすごいと思う。子どもから面白さをきいて、大人になってから読んだので、こういうお話をいいなと思える子どもも素敵だと思った。
    幼年童話で、すぐに読める本だけど、私には衝撃的で、いろいろ考えた。

  • 2冊有り

  • 「きつねの子が、丸木橋のたもとできいろいばけつを見つけました…。子ぎつねのばけつへの想いを優しく温かく描く。」

  • 誰のものかわからない、すてきな黄色いばけつを見つけたきつねの子。1週間持ち主が現れなければ自分のものにしようと決めますが…その1週間の様子を読み進めるうち、きつねの子のばけつに対する思い入れがじわじわ伝わってきて、最後はなんとも言えない気持ちになりました。

  • 喜んでるきつねくんが
    とってもかわいくて、だからこそ
    最後はなんだか悲しくなってしまった。

  • 【読み聞かせ用】クマの子もウサギの子もバケツを持っていて、キツネの子も自分に似合うバケツが欲しかったのでしょうか。一週間経てば、バケツは自分の物になると思う気持ちがいじらしいです。一週間の間に、キツネの子が成長していく姿が描かれています。75ページありますが、半分は絵なので読みやすいです。5歳の娘も読んで欲しいとせがむ本でした。

  • きつねくんが可愛らしい。一緒にわくわく楽しみに待っていたけど、まさかの結末...でもきつねくんの前向きさに救われた。

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