日本の神話 (第1巻)

著者 :
  • あかね書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784251008213

感想・レビュー・書評

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  • 今読んでいる多和田葉子さんの連作(『地球にちりばめられて』以降三部作)のモチーフに日本の神話が使われていて、日本の神話を理解したいなと思って手に取った。
    絵本まつりを定期的に開催している私としては、気になっていた赤羽末吉さんの作品を手に取れるのも一石二鳥で嬉しい。

    6巻シリーズ一作目の本作は、伊邪那岐と伊邪那美による国(日本)作りについて。

    物語上での伊邪那美のあり方について、「女性の子を生む力」に神秘と魔力を見出した語り口?と途中まで思ってたけど、最後には伊邪那岐も子を生み始めてて、神々はどのように子を生めることになっているのか気になった。

  • 赤羽末吉氏・舟崎克彦氏による日本の神話・全6巻のなかで、いちばん最後に刊行されたのが、この第1巻「くにのはじまり」です。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 
    折込付録の解説を読み、第1巻が最後に刊行されたと知ったときは、思わず「スター・ウォーズかよ!」と言ってしまいましたが(失礼)、その理由を知り、「なるほど」と納得しました。

    日本という国がまだ生まれる前の世界、つまり神だけしかいない世界から、この神話は始まります。
    始めの絵には、はじめての神・天之御中主(あめのみなかぬし)、男神・伊邪那岐(いざなぎ)、女神・伊邪那美(いざなみ)が現れるのですが、3神が在るその世界の色合いが、もうすでに「神だけの世界」の色合いであることに、驚きました。

    金とも黄色とも黄土色とも言いきれない、ふしぎな色合いの空間…
    神々の在る世界を、そのままに現した赤羽末吉氏の絵に、まず圧倒されます。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    はじめの島を生みだしたあと、男神・伊邪那岐(いざなぎ)、女神・伊邪那美(いざなみ)は夫婦となり、次々に日本の島々と神々を作っていった。

    しかし伊邪那美(いざなみ)は、火の神を生むと同時に、その火に焼かれて亡くなってしまう。

    悲しみに暮れる伊邪那岐は、ひとめでも妻に会いたいと、死者の国である黄泉を目指していく。

    しかしそこで伊邪那岐が目にしたのは…

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    生の国にいる伊邪那岐と、黄泉の国にいる伊邪那美が、厚い扉1枚を隔てて、向かい合うその姿を、赤羽末吉氏は“横”のカメラワークでとらえました。
    左手に伊邪那美、右手に伊邪那岐が描かれ、その間に石の扉が描かれているのです。

    扉を隔てて向かい合うところを描くとき、両者のうちの1人の肩ごしに、相手を描くことが多いように思いますが、そうではなく、画面を2つに割って伊邪那岐と伊邪那美を描くことで、もうすでに在る世界が異なってしまった両者の哀しみをも、絵から伝わってきます。

    「なんという、すごい絵なんだろう…」

    赤羽末吉氏の考えに考え抜かれた絵に、ただただ驚くばかりでした。

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    この絵本は、小2の娘に読み聞かせをしました。

    聞き慣れない言葉が多いため、その都度補足が必要でしたが、補足を聞きつつ絵を眺めることで、娘も話を理解することができていました。

    またちょうどその頃、読書週間ということで、学校に提出する読書カードがあり、娘は「この本の絵を描いてもっていく!」と言い、「くにのはじまり」の表紙絵を描いていました。

    「くにのはじまり」というタイトルなのに、国が作られるところではなく、伊邪那岐が雷神に桃を投げつけている絵が表紙に使われており、その選択がおもしろいなと思いました。

    娘に、どうしてこの表紙絵を描こうと思ったのか尋ねてみたところ、「あのね、鬼(雷神)が逃げるところがおもしろかったから」とのことでした。

    なるほど、子どもから見たらこの表紙絵はそう見えるのですね。
    娘の回答を聞いて、この挿し絵が表紙になった理由が、わかった気がしました。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    なお本書は、1987年にトモ企画より刊行された絵本の復刻版として、あかね書房から1995年に刊行されました。

    日本の神話・全6巻の初版(トモ企画)は以下のようになっています。
    第1巻「くにのはじまり」1987/6/25
    第2巻「あまのいわと」1987/4/20
    第3巻「やまたのおろち」1983/1/20
    第4巻「いなばのしろうさぎ」1984/2/20
    第5巻「すさのおとおおくにぬし」1985/3/1
    第6巻「うみさちやまさち」1986/2/10
    (折込付録より引用)

  • 全6冊の日本の神話シリーズ。
    赤羽末吉さんの絵がいいです。
    こうして読むと日本の神って本当に人間臭い。

  • 「日本の神話が赤羽画伯の手で美しい絵本になった。第1巻は国生みの話。伊邪那岐・伊邪那美の二人が日本の島々を生んだ話、死んだ妻を恋うて伊邪那岐が黄泉の国へ赴く話など。再刊。」

  • 夫婦の形も色々に描かれている

  • 9分。小2に寝る前の読み聞かせとして。

    最初は聞き慣れない言葉が多く落ち着かない様子でしたが、世界をまぜると島が、あたりからすっかり引き込まれて聞くことができ、イザナミを迎えに行った黄泉の国の鬼の様子に見入っていました。
    赤羽末吉さんの描く、絵巻物のような絵が素晴らしく、言葉のリズムも読んでいて気持ちが良い。おすすめです。

  • 日本がこうやってできたというのは、知らなかった。神様がいなかったら日本はなかったという考え方もあるんだな。
    イザナギとイザナミのけっこん式は、楽しそうだった。柱の周りを回るのがおもしろい。
    ぼくも、天のぬぼこがほしくなった。新しい島を作って、そこに家族で住みたい。(小4)

  • くにのはじまり。神話っておもしろいな。歴史やこの世の悠久さや奥深さ。そういったことを側で感じられる。この視点がおもしろい。

  • 8分

  • 色合いがとてもきれいで上品。
    黄泉の国の岩戸のあたりの描写が、本当に気味の悪い場所という感じで、怖さを実感してしまった。

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著者プロフィール

舟崎克彦  東京都生まれ。学習院大学卒業。白百合女子大学教授。「ぽっぺん先生」物語シリーズ(岩波書店)で路傍の石文学賞、『雨の動物園』(岩波書店)で国際アンデルセン賞を受賞。作品に「日本の神話」シリーズ(あかね書房)他多数。

「2013年 『クレヨンマジック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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