- 本 ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784251009418
作品紹介・あらすじ
愛する者の死がもたらす悲しみを、徹底して見つめる中から浮かびあがる、命あるものへの慈しみと深い慰めを、詩人・谷川俊太郎の翻訳でおくる感動の絵本。世界9ヶ国で発売。
感想・レビュー・書評
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悲しくなったとき、具体的にこうすれば大丈夫だというのは、おそらくないのであろう。
だからこそ、その内容によっては、底なし沼のように深くはまりこんでしまい、二度と出られなくなるのではないかと、絶望感に襲われることもある。
そんな感情に、どう向き合えばいいのか?
という問い掛けへの、いくつかの答えを模索しているようにも感じられた本書は、物語の主人公の体験から、大人の絵本に思われたが、子どもにとっては、大人が子どもっぽい姿をさらすことになる程に、悲しみが、『とてつもなく、やっかいであるもの』を実感するのに良いのかもしれない。
主人公の悲しみについては、私には、その実体験がないため、正直なところ共感できなかった。
だが、その悲しみをやり過ごすために、様々な考え方や行動により、試行錯誤を重ねている点には、繰り返し本書を読むにつれ、少しずつ実感として湧いてくるものがあり、最終的に不特定多数の人に視線が向いてしまうのは(ただそこに居るだけなのに)、そこに人間の存在意義があるような思いに駆られ、思考能力があることも、悲しみをやり過ごすことができるのも、人間の持って生まれた、ひとつの力になっていて、それを他の人に与えることもできる素晴らしき存在なのではないかと、改めて、自分自身を誇りに思う考え方もありなのではないかと、感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
悲しみに浸る絵本。
タイトルのままだった。
悲しみは時を選ばす、人を選ばず、突然やってきて君を見つけるという表現に共感してどきっとした。
悲しみから抜け出そうと色々やってみるけど悲しみは確かなものとしてあって、何をしても悲しみは悲しみのまま。
なんだか救いのない絵本のようだけど、それでも時間を過ごしながら暗闇の先の光があることを信じたいと感じさせるラスト。-
2025/02/11
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2025/02/12
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本当です。亡くなられたのが残念でなりません。数年前、地元の美術館で谷川俊太郎さんの展覧会がありました。谷川俊太郎さんの愛用品や詩が見れて、と...本当です。亡くなられたのが残念でなりません。数年前、地元の美術館で谷川俊太郎さんの展覧会がありました。谷川俊太郎さんの愛用品や詩が見れて、とても良い展覧会でした。もういらっしゃらないことが悲しい限りです。2025/02/12
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大切な人をなくして本当に悲しくて、その悲しみに浸ってさめざめ泣き続けたい時にいい本だと思う。
今は考えたくないけれど、その時がきたらまたページをめくろう。 -
この本はある程度心が元気な時に読まないと心が悲しい方へと引っ張られてしまう。
入り込みすぎてしまう私が原因なのかもしれないけど。
悲しみをどん底まで悲しんだら見えてくる光がある。
立ち直る一歩になる。
でもそのどん底までの道のりが辛く険しい。
そこに行き着くまでに自ら命を終えてしまう選択をする人もいる。
絵本にしては深すぎて。辛すぎて。
子ども達への読み聞かせじゃなかったら途中で閉じていたかもしれない。 -
実家の母親の本棚で見つけた一冊。婦人公論や詩集、山歩きや草花の本がひしめくなかで異彩を放っていた。悲しい内容だけれども、深い慰めを感じた。悲しみの無い人生なんてないけれども、できるだけ明るい面を見て穏やかに生きていこう。悲しみはそっと心の中にしまって
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心にしみる
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最愛の息子エディ-を亡くし、悲しみの日々に暮れる「わたし」の苦しい思いを語った『悲しい本』という名の絵本。 悲しみのどん底にある時に、楽しかった頃のことを追想すれば、今はもういない喪失感に気付いて、なおさら悲しみが増してしまう・・・。こんな悲しみを癒してくれるのは、共感してくれる誰かと、時間の経過を待つしかないのかも・・・。 悲しみを乗り越えた先には、耐えがたい試練を耐え抜いた新しい「わたし」が存在しているかも知れない。
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悲しみに優劣はない。
元気になることだけが正解じゃない。
無理に笑わなくていい。
うずくまってていい。
ぐちゃぐちゃに泣けばいい。
朝なんか来なければいい。
人に会うのが煩わしくなったとしても、それで正常。
いつまでもくよくよしてていい。
元気になるタイミングも、笑える瞬間も
全部、自分が決めればいい。
大切な人を喪ってしまった悲しみは
考えようとする力を奪い、時間を止めてしまう。
止まった時間を動かすことを急がないで。
私の止まってしまった時間を動かしてくれた一冊。 -
愛する息子を18歳で亡くした父親の悲しみ。
悲しみのどん底に落ちた人に寄り添うことほど難しいことはないけれど、この本は安易に「励まし」や「共感」などしない。ただ、愛する人の死がもたらす悲しみを淡々と見つめる絵本。
私たちと共に、悲しんでくれる絵本。 -
自分自身、年齢を重ねて愛する人をなくす経験が最近増えてきたように思います。これから、もっと増えていくことでしょう。生きていくことは愛する人を見送ることなんですね。悲しみに真摯に向き合って行きたいと思います。
著者プロフィール
マイケル・ローゼンの作品





