- 本 ・本 (56ページ)
- / ISBN・EAN: 9784251030115
作品紹介・あらすじ
夏のはじめのある朝、小さな女の子のいのちが、空にきえました。--悲惨な戦争の中に幼い命をとじた女の子の姿を、静かに描く。
感想・レビュー・書評
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なつの夜の くうしゅうで、かぞくと はなれ、
ひとりぼっちで まちを さまよう ちいちゃん。
(あらすじより)
途中で知らないおじさんや、はす向かいのおばさんに助けられたが、家は焼け落ちていて(ここがお兄ちゃんとあたしのへや…)、お母さんやお兄ちゃんに会えることを信じて、防空壕の中で待つ決意をした、ちいちゃん。
戦争が如何に虚しくて、哀しいものというのは、よく理解しているつもりだが、ひとりぼっちになってしまった女の子のエピソードを見るにつけ、ますます、その思いが強くなった。
いったい、誰に何の権利があって、ちいちゃんの家族は離れ離れにさせられなければ、いけなかったのだろうか?
空が楽しいところではなく、とても怖いところに変わるという、状況って、何なのだろうか?
子どもたちが、かげおくりをすることもできないくらいの、怖い空って何なの?
お父さんが、出征する前の日に家族みんなで、かげおくりをしようと言った、その心の内を思うと、涙が込み上げてくる。ただ、これを悔し涙と思いたくはない。だって、みんな楽しそうだから。
「すごーい。」
と、おにいちゃんが いいました。
「すごーい。」
と、ちいちゃんも いいました。
「きょうの、きねんしゃしんだなあ。」
と、おとうさんが いいました。
「大きな きねんしゃしんだこと。」
と、おかあさんが いいました。
上野紀子さんの絵はモノクロが主だが、時おり現れるカラーの絵が、より静かに厳かに、ちいちゃんを見守っているように感じられ、しんしんと哀しみが伝わってくるようです。
あまんきみこさんのあとがきより。
『無限宇宙にうかぶ地球星が、たくさんの子どもたちのよろこびで光りますように。
それを不可能と思うとき、すべては不可能になるのですから』
日本人だからこそ、この言葉は肝に銘じておこうと思いました。
私も、空にいる、たくさんのちいちゃんの寂しさを少しでも和らげてあげられるように、晴れた空に、かげおくりをしよう。 -
子供の読書感想文にお付き合い。
懐かしい…自分が、子供の時には感じえなかった感情が…当たり前か。
子供の感想って素直で、混じりっ気がなくて素敵。
そのまま文章にしちゃえーであっという間に書き上げた。 -
読んでてつらかった。
戦争物で子供とか涙しかでないやつ…
ちいちゃんのまわりに優しい大人がいたけど微妙な違いで命を落としてしまった。
何かが違えば生きていくことができたのに。 -
火垂るの墓
かわいそうなぞう
ちいちゃんのかげおくり
この3つは涙なしでは読めない。
泣いてるだけじゃだめなんだけど。
みんなで戦争やめさせなきゃだめなんだけど。 -
家族で過ごした幸せな生活が、まるで、空に浮かんだかげおくりのように消えてしまう…。絵本で、静かに戦争の現実をみせている、子ども達は必ず読むべき本。
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小学校の頃に触れた印象深い絵本、読んだ後に友達と校庭に出てかげおくりを飽きずに何度もやっていた事を思い出した。大人になって読み返してみると戦争の虚しさや哀しさにどうしてもやるせなさを感じる。この絵本が描かれてから四十年以上経っているけれど、人間は今もなお争いを繰り返していることがただただ悲しい。
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父の出征の前日、家族みんなで「かげおくり」をした空に、米軍の爆撃機が姿を見せるようになった。そして、ある夏の夜の空襲で、ちいちゃんは家族とはぐれてしまう……。
図書館本。
国語の教科書にも採用された有名作だが、私は世代の差などで読んだことがなかった。
戦争の話としてはかなりマイルドな印象。
幼い少女の行く末が似ている「火垂るの墓」となんとなく比べてしまう。
「火垂るの墓」よりは表現が相当に抑えられていて、節子の死に際のような悲惨さは感じられない。
戦争文学にわりとある強烈な死の有り様が無いので、そういうシーンが苦手な人には丁度良いかもしれない。
だが、戦争の恐ろしさ、悲惨さがこれで伝わるのかは少々疑問。
それにしても、ちいちゃんはずいぶんしっかりした子だ。親とはぐれても、家のあった場所へ連れて行ってもらったり防空壕で過ごす知恵もあれば、乾飯を自分で食べる生活力もある。
この辺、節子とはだいぶ違うなあと思う。節子より歳上なのかな? -
教科書に載っていて
子どもが毎日音読の宿題をするのに
「ちいちゃんのかげおくり」は出来ないと言ってしないので 不思議に思って
代わりに音読した
そしたら、途中で泣いて読めなくなった。
下の妹がちいちゃんなので、お兄ちゃんは重ねて読んでしまい余計に辛かったんだと思う
子どもに戦争を伝えるには、充分すぎる程伝わると思った。8歳と6歳だけど -
ちぃちゃんは、まだおさないときに死んでしまう話。
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9歳6ヶ月の娘
6歳5ヶ月の息子に読み聞かせ
私が小学生のときに
国語の教科書にあったおはなし。
今でもずっと心に残ってるし
忘れられないなあ。。。
光村図書には今でも載っているみたいだけど
娘の学校は東京書籍なので
載ってない〜〜〜
というわけで
借りてきた。
で、小学生ぶりに読んだんだけど
もう涙があふれてきてしまって。
大人になってから読むと
また全然ちがう。。。
家族4人で初めてかげおくりをするシーン
おとうさんが
記念写真みたいだなあって言って
おかあさんが
大きな記念写真だことって言うシーンが
もう泣けて泣けて。
しょっぱなから読むの大変
よく音読してたな小学生の私。
かずかぞえるのも
だんだん声が重なっていくのとか
最高の演出ではないかい?
改めて、いろいろ感じました。
やっぱりすごいや。この作品。
そして、かげおくり。
子どもたちはやったことなくて。
今度やろうーー!と約束しました。
著者プロフィール
あまんきみこの作品






沢山素敵な作品を紹介してくださってありがとうございます♪
いつか読んでみようという作品が増えました(^^...
沢山素敵な作品を紹介してくださってありがとうございます♪
いつか読んでみようという作品が増えました(^^)
この「ちーちゃんのかげおくり」は
私が子供の時からある作品で、当時図書館から借りて
その後大人になって手元においておきたいと購入して
手元にあるんです。
ひとりでちーちゃんがかげおくりする場面が、涙を誘いますよね…。
改めて、いつか再読したいと思いました。
平和を願うために最適な作品だと思っています。
コメントに加えて、ブックリストに掲載した過去の感想に、たくさんの「いいね!」を下さり、ありがとうございます(^-^)...
コメントに加えて、ブックリストに掲載した過去の感想に、たくさんの「いいね!」を下さり、ありがとうございます(^-^)
私、最初は図書館で借りて読んだのですが、そこでのちいちゃんの状況を想像したとき、こんな辛いことないと思ったら、悲しさを通り越して怖くなってしまい、それくらい戦争は悲惨な状況を作り出すのだなと痛感させられまして、本当は、あの場面を再度読みたくはなかったのですが(何度読んでも涙が…)、それでも、今後の人生に於いて、肝に銘じておくべき大切な事だと思い、私も購入して本棚にあります。
そういえば、この作品、教科書にも掲載されているそうで、私は記憶に無かったのですが、それを知って、是非多くの子どもたちに、戦争が何をもたらすのか考えてほしいと思いましたし、子どもの頃に読まれるのと、親になってから読まれるのとでは、また印象が異なりますよね。