ちいちゃんのかげおくり (あかね創作えほん 11)

  • あかね書房
4.11
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感想 : 81
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  • / ISBN・EAN: 9784251030115

感想・レビュー・書評

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  • なつの夜の くうしゅうで、かぞくと はなれ、
    ひとりぼっちで まちを さまよう ちいちゃん。
    (あらすじより)


    途中で知らないおじさんや、はす向かいのおばさんに助けられたが、家は焼け落ちていて(ここがお兄ちゃんとあたしのへや…)、お母さんやお兄ちゃんに会えることを信じて、防空壕の中で待つ決意をした、ちいちゃん。

    戦争が如何に虚しくて、哀しいものというのは、よく理解しているつもりだが、ひとりぼっちになってしまった女の子のエピソードを見るにつけ、ますます、その思いが強くなった。

    いったい、誰に何の権利があって、ちいちゃんの家族は離れ離れにさせられなければ、いけなかったのだろうか? 

    空が楽しいところではなく、とても怖いところに変わるという、状況って、何なのだろうか?
    子どもたちが、かげおくりをすることもできないくらいの、怖い空って何なの?

    お父さんが、出征する前の日に家族みんなで、かげおくりをしようと言った、その心の内を思うと、涙が込み上げてくる。ただ、これを悔し涙と思いたくはない。だって、みんな楽しそうだから。


    「すごーい。」
    と、おにいちゃんが いいました。
    「すごーい。」
    と、ちいちゃんも いいました。
    「きょうの、きねんしゃしんだなあ。」
    と、おとうさんが いいました。
    「大きな きねんしゃしんだこと。」
    と、おかあさんが いいました。


    上野紀子さんの絵はモノクロが主だが、時おり現れるカラーの絵が、より静かに厳かに、ちいちゃんを見守っているように感じられ、しんしんと哀しみが伝わってくるようです。


    あまんきみこさんのあとがきより。

    『無限宇宙にうかぶ地球星が、たくさんの子どもたちのよろこびで光りますように。
    それを不可能と思うとき、すべては不可能になるのですから』

    日本人だからこそ、この言葉は肝に銘じておこうと思いました。

    私も、空にいる、たくさんのちいちゃんの寂しさを少しでも和らげてあげられるように、晴れた空に、かげおくりをしよう。

    • かなさん
      たださん、おはようございます。
      沢山素敵な作品を紹介してくださってありがとうございます♪
      いつか読んでみようという作品が増えました(^^...
      たださん、おはようございます。
      沢山素敵な作品を紹介してくださってありがとうございます♪
      いつか読んでみようという作品が増えました(^^)

      この「ちーちゃんのかげおくり」は
      私が子供の時からある作品で、当時図書館から借りて
      その後大人になって手元においておきたいと購入して
      手元にあるんです。
      ひとりでちーちゃんがかげおくりする場面が、涙を誘いますよね…。
      改めて、いつか再読したいと思いました。
      平和を願うために最適な作品だと思っています。
      2023/11/04
    • たださん
      かなさん、こんばんは♪
      コメントに加えて、ブックリストに掲載した過去の感想に、たくさんの「いいね!」を下さり、ありがとうございます(^-^)...
      かなさん、こんばんは♪
      コメントに加えて、ブックリストに掲載した過去の感想に、たくさんの「いいね!」を下さり、ありがとうございます(^-^)

      私、最初は図書館で借りて読んだのですが、そこでのちいちゃんの状況を想像したとき、こんな辛いことないと思ったら、悲しさを通り越して怖くなってしまい、それくらい戦争は悲惨な状況を作り出すのだなと痛感させられまして、本当は、あの場面を再度読みたくはなかったのですが(何度読んでも涙が…)、それでも、今後の人生に於いて、肝に銘じておくべき大切な事だと思い、私も購入して本棚にあります。

      そういえば、この作品、教科書にも掲載されているそうで、私は記憶に無かったのですが、それを知って、是非多くの子どもたちに、戦争が何をもたらすのか考えてほしいと思いましたし、子どもの頃に読まれるのと、親になってから読まれるのとでは、また印象が異なりますよね。
      2023/11/04
  • 読んでてつらかった。
    戦争物で子供とか涙しかでないやつ…

    ちいちゃんのまわりに優しい大人がいたけど微妙な違いで命を落としてしまった。
    何かが違えば生きていくことができたのに。

  • 家族で過ごした幸せな生活が、まるで、空に浮かんだかげおくりのように消えてしまう…。絵本で、静かに戦争の現実をみせている、子ども達は必ず読むべき本。

  •  父の出征の前日、家族みんなで「かげおくり」をした空に、米軍の爆撃機が姿を見せるようになった。そして、ある夏の夜の空襲で、ちいちゃんは家族とはぐれてしまう……。


     図書館本。
     国語の教科書にも採用された有名作だが、私は世代の差などで読んだことがなかった。

     戦争の話としてはかなりマイルドな印象。
     幼い少女の行く末が似ている「火垂るの墓」となんとなく比べてしまう。
    「火垂るの墓」よりは表現が相当に抑えられていて、節子の死に際のような悲惨さは感じられない。
     戦争文学にわりとある強烈な死の有り様が無いので、そういうシーンが苦手な人には丁度良いかもしれない。
     だが、戦争の恐ろしさ、悲惨さがこれで伝わるのかは少々疑問。

     それにしても、ちいちゃんはずいぶんしっかりした子だ。親とはぐれても、家のあった場所へ連れて行ってもらったり防空壕で過ごす知恵もあれば、乾飯を自分で食べる生活力もある。
     この辺、節子とはだいぶ違うなあと思う。節子より歳上なのかな?

  • 教科書に載っていて
    子どもが毎日音読の宿題をするのに
    「ちいちゃんのかげおくり」は出来ないと言ってしないので 不思議に思って
    代わりに音読した

    そしたら、途中で泣いて読めなくなった。
    下の妹がちいちゃんなので、お兄ちゃんは重ねて読んでしまい余計に辛かったんだと思う

    子どもに戦争を伝えるには、充分すぎる程伝わると思った。8歳と6歳だけど

  • ちぃちゃんは、まだおさないときに死んでしまう話。

  • ちいちゃんのまわりには助けてくれる大人もいるのに、状況がうまく伝わらずにちいちゃんが窮地に陥ってしまうのが苦しい。
    かげおくり、本当にできることに子供の頃驚いたことを思い出した。

  • 戦争の本。

  • 小学校の教科書で読んだ作品。思い出してブクログの本棚に登録。ちぃちゃんが可哀想過ぎて、永遠に忘れない物語。小学生当時、みんなで瞬きせずに影をじっと見た後、電気を見て影の残像を作っていたことも記憶に残っている。

  • ちいちゃんかじでひとりぼっちになってかなしかった。かげおくりをやってみたいとおもった。

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著者プロフィール

1931年生まれ。児童文学作家。1968年にデビュー作品集『車のいろは空のいろ』が日本児童文学者協会新人賞および野間児童文芸推奨作品賞を受賞。以降、いくつもの文学賞を受け、多くの作品が小学国語の教科書に掲載されている。2001年に紫綬褒章受章。京都在住。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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