- Amazon.co.jp ・本 (147ページ)
- / ISBN・EAN: 9784251066541
感想・レビュー・書評
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数学教師という仕事に魅力を感じなくなってきたエルンストは偶然入った喫茶店で、年老いた人形劇師ドローセルマイアーと出会い人生の舵が大きく変わっていく。
レトロ感の溢れる舞台の箱を中心に、まるで1体1体に命があるようにクルクルと動き出す人形たち。ドローセルマイアーが作り出す劇中の様子は決して多く描かれていないものの、読んでいる先から人形たちの軽やかな動きが目の前に浮かぶようだった。
平穏無事。安定。秩序のある生活。裏を返した時に、味気ない、やりがいのない、つまらないと感じるようであれば、著者の言葉を借りれば「運命のノックの音に気付かぬふりをして日常に埋没している」と言える。
運命は思わぬところに転がっている。人生は一度きり、迷うくらいなら飛び込めばいい。この本は、人生に彩りを添えるような出会いへのきっかけを与えてくれるかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短いが、考えさせられる内容でした。人形劇、どこで見れるかな?
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高校の数学教師エルンストはカフェで見かけた老人をおいかける
老人はドローセルマイアー、旅の人形芝居師だった
上演がひとめぐりして町を離れる老人を駅に見送りに行ったエルンストは、思わず列車にとび乗ってしまう
教師をやめ人形芝居を手伝いながら旅するエルンスト
あるとき師匠から大役をまかされる
1997年あかね書房刊の本書は、版元を変えて出版された『アルフレートの時計台』(2011年)、『オイレ夫人の深夜画廊』(2016年)と20年かけて完結した“邂逅の町”イェーデシュタットをめぐる三部作の第一巻に位置づけられる
「あとがき」によると、著者の児童書デビュー作『ルドルフとイッパイアッテナ』よりも先に着想があった話を月刊『モエ』に連載、単行本化したとのこと -
若き高校教師エルンストは、ある日、人形師のドローセルマイアーと出会う。ひとたび彼の人形劇を目にしたエルンストは、その魅力にとりつかれ、不思議な世界に…。
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師匠のすてきなことば『あやつることではなく、あやつっているようにふるまうことだ』あちら側の世界の声にも耳を傾けること。迷ったり失敗するのは自然なこと。無意識、意識の声を聞けたらふみだすことなんだ。時間がないというのはいいわけだ。あとがきや物語の空気が、ぴりっとしていて温かい。おとなでもまようんだそれでもいいんだ、ルドルフにもおまえだとかぴばらにもつながる。大傑作
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こればっかしは全然覚えてない。
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ふとしたことから知り合った老人がおこなう人形劇の魅力にとりつかれ、自らの生き方を変えてしまったエルンスト。運命か偶然か…。夢か現実か…。不思議な世界観を感じられる1冊でした。ドイツの架空の町イェーデシュタットを舞台にした作品の1作目です。
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その老人は、小さな舞台の上からたくみに糸をあやつり、いくつもの人形を動かした。そのうえ、少年の声も女性の声も使い分ける。口はほとんど動かないのに。
(『キラキラ子どもブックトーク』玉川大学出版部より紹介) -
ミースミース、ってかわいい名前!
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作者の師弟関係いーですよね。
迷い込む、の部分名文。