時をつなぐおもちゃの犬

  • あかね書房
3.42
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本棚登録 : 120
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784251073051

作品紹介・あらすじ

イギリスの十二歳の少女チャーリーは、母が木でつくられた古い犬のおもちゃ「リトル・マンフレート」をとても大切にしているのをふしぎに思っていた。チャーリーの疑問は、一九六六年、イギリスへサッカーのワールドカップを見に来たドイツ人と出会ったことで、明らかになる。戦争の悲劇と友情の記憶が、長い時をへて次代の子どもたちに語られる。切ないほどにあたたかな物語。

感想・レビュー・書評

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  • 長い時を経て、次世代の子どもたちに語られる、戦争が生んだ悲劇と堅い友情の記憶・・・『世界で一番の贈りもの』『モーツァルトはおことわり』の<マイケル・モーパ-ゴ>作、<マイケル・フォアマン>絵のコンビによる、実話をベースにした、切なくもあたたかさに包まれた物語。(原題:LITTLE MANFRED)

  • 本当に辛い事は、なかなか人に話す事は難しい。
    酷い戦争において、ドイツ兵捕虜と英国人との友情が生まれたのは良かったと思う。時を経て再会でき、子ども達の世代へ伝えられた事は素晴らしいと思う。

  • 手に取る機会があって、図書館で借りた。
    課題図書、2014年度の小学校高学年向け。

    イギリスの12歳の少女・チャーリーは、ママが木でつくられた古いおもちゃの犬「リトル・マンフレート」をとても大切にしているのをふしぎに思っていた。

    2005年に、イギリスの帝国戦争博物館に寄贈された、犬のおもちゃの実話を下敷きにしたおはなし。
    けっこう期待して読みはじめたので、ふむ、という感じでした。
    戦争もので、額縁小説、そしてその中でもまた回想シーンがあって、高学年向けの構成。
    都合のよい展開がいくつもあり、それほどの説得力を感じられませんでした。
    でも人生なんて偶然の連続だよなぁとも思います。
    敵を殺して歓声はおかしいと戦中に思えた人もいたこと、過去から逃れられない苦しみなどについては、感じるところがありました。
    あんまり残酷な事実はふさわしくないだろうし、こういう感じなのかな、と思いました。

  • マイケル・モーパーゴの本の中で結構好きな本です。

  • 1966年、サッカーのワールドカップがイギリスで行われた。
    盛り上がったワールドカップ。
    それを見にきていたあるドイツ人と出会った、イギリスの少女チャーリー(12歳)は、母が大切にしていた古い木の犬のおもちゃ「リトル・マンフレート」と、そのドイツ人とのつながりを知る事になる。
    第二次世界大戦後、ドイツとイギリスの意外な交流があったことを知る物語り。
    サッカーとひとつのおもちゃが、その時をつなぎます。

  • 日本の戦争ノンフィクションはなんとなく聞いたり読んだことがあるけれど、海外のものは意識しないと読む機会がないように思う。

    この作品はおそらく、実話を元にしたフィクションかと思うのですが、戦争捕虜のドイツ人が、イギリスでどのように過ごしたのか垣間見ることのできるお話だと思う。

  • 奇跡的なことは起きるべくして起こるものだな〜

  • 11歳の姪が勧めてくれた本。
    イギリスの農場が舞台の実話。
    第二次世界大戦中に捕虜になったドイツ人が、捕虜としてイギリスの農場や海辺で働く。家族と仲良くなり、ドイツに帰るときに木で犬を作って娘に渡す。ワールドカップ決勝でイギリス対ドイツが戦った年、その家族と偶然再会する、という話。

    彼女(姪)はこういう本を読むんだ、と感慨深かった。

    当時、ドイツ最強と言われた軍船ビスマルクがイギリスの船を沈めるところや、ビスマルクが沈められるところ、死んでいく船員達の描写が良かった。死ぬ間際に、戦争を理解するところが。

  • とても感動する。

  • 戦争の記憶を繋いだのは、おもちゃと、そしてサッカーだった。

    きっとかけがえのない体験、思い出だったんだろうな。
    そのおもちゃが壊れたとき、泣きわめかなかったお母さんを褒めてあげたいです。


    私が早く読んじゃったからでしょうか。内容の割には軽く読めてしまう気がします。

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著者プロフィール

1943年英国ハートフォードシャー生まれ。ウィットブレッド賞、スマーティーズ賞、チルドレンズ・ブック賞など、数々の賞を受賞。作品に『ゾウと旅した戦争の冬』『シャングリラをあとにして』『ミミとまいごの赤ちゃんドラゴン』『図書館にいたユニコーン』(以上、徳間書店)、『戦火の馬』『走れ、風のように』(ともに評論社)他多数。

「2023年 『西の果ての白馬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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