- Amazon.co.jp ・マンガ (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784253100533
作品紹介・あらすじ
語られない想い。満たされることのない心。
彼女たちは何に己を捧げ、仕えるのか?
静謐で美しい光の中に見え隠れする不穏な世界。
『どぶがわ』『繕い裁つ人』の著者が
全篇フルカラーで魅せる、修道女の愛の讃歌。
置き去りにしてきた喪失感とひきかえに、わたしがたどりついた場所。
秋田書店のコミックサイト【Championタップ! 】にて掲載された作品に、
描きおろしエピソードを追加し、全ページカラーで単行本化。
感想・レビュー・書評
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籠の内にある、静謐で生々しく醜い美しさ。
籠の外にある、猥雑で生々しく醜い美しさ。
描かれるものに比して、池辺さんの清潔な空気感が素晴らしくもあり、惜しくもある。
『どぶがわ』と同じく、寓話的な物が内包する世界はあまりに広いがために、
見えながらも描ききれなかった空気が気になるのであった。
現代劇である『縫い裁つ人』や『サウダーデ』の完成度とバランスには及ばない。
其れもこれも、作者の描く空気が、
惚れ惚れするほどのクオリティーである為でもある。
勝手な不満を述べながらしかし、
高野文子さんの『おともだち』を読むかの様な、
痛い程に結晶化した箱庭を楽しんだ読書だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
無言と静寂が欲望を雄弁に語る美しい作品。祈りと裏切りの狭間で続いていく日常は、危ういバランスで成り立っているのかもしれないけれど、自分の脆さを分かった上でなお、そこに立とうと決めることで続いていくのかもしれない。何を思い、何を祈っていても終わることない「日常」の強靭さは、マルエナの市井の暮らしでも、アミラの修道院での生活でも同じなのだろう。
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<kagomekagome>
装丁/川名潤(prigraphics) -
よい!
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感情の情報量が半端でない。ひょ、表現力~といった感じ。
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まだ1度読んだのみだが、これは今後何度も読み返すべき一冊という気がする。光が静かに美しい。
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自分で自分を許すしかない。自分で自分を癒すしかない。自分で自分を認めるしかない。
でも、考えてみれば「ゆるし方」を習ったことはない。だから、作中にその道標として拝読する祈りがあることを、少しうらやましくも感じた。
ついた傷の深さは結末で明示されない。どちらが籠の内で、どちらが外なのかも。 -
もう一度読まなきゃ
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この静けさと美しさはなんでしょうね。コミックを読んで、こんな気分になったのは初めてです。静謐、とでもいうのでしょうか。マルエナもアミラも幸せになって欲しいです。ヨーロッパの教会に行ってきたはかりなので、そのときの厳かな雰囲気が蘇り、とても重みを感じました。セリフもとても短いけれど、研ぎ澄まされていて染み入ります。大切にしたい作品です。