かごめかごめ (書籍扱いコミックス)

著者 :
  • 秋田書店
4.14
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本棚登録 : 271
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253100533

作品紹介・あらすじ

語られない想い。満たされることのない心。
彼女たちは何に己を捧げ、仕えるのか?

静謐で美しい光の中に見え隠れする不穏な世界。
『どぶがわ』『繕い裁つ人』の著者が
全篇フルカラーで魅せる、修道女の愛の讃歌。
置き去りにしてきた喪失感とひきかえに、わたしがたどりついた場所。

秋田書店のコミックサイト【Championタップ! 】にて掲載された作品に、
描きおろしエピソードを追加し、全ページカラーで単行本化。

感想・レビュー・書評

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  • 籠の内にある、静謐で生々しく醜い美しさ。
    籠の外にある、猥雑で生々しく醜い美しさ。
    描かれるものに比して、池辺さんの清潔な空気感が素晴らしくもあり、惜しくもある。
    『どぶがわ』と同じく、寓話的な物が内包する世界はあまりに広いがために、
    見えながらも描ききれなかった空気が気になるのであった。
    現代劇である『縫い裁つ人』や『サウダーデ』の完成度とバランスには及ばない。
    其れもこれも、作者の描く空気が、
    惚れ惚れするほどのクオリティーである為でもある。

    勝手な不満を述べながらしかし、
    高野文子さんの『おともだち』を読むかの様な、
    痛い程に結晶化した箱庭を楽しんだ読書だった。

  • まずは絵!
    フルカラーの色彩の美しさなわけだが、すべて光の表現に通じているのだ。
    紙に光は描けないというのに光を感じるとは。
    フェルメールとかレンブラントとか。
    あるいは「モノクロ漫画描き」としての高野文子とか。
    話と絵の静謐さが通じ合っているのも、素敵。
    他の作品も読んでみよう。

  • 無言と静寂が欲望を雄弁に語る美しい作品。祈りと裏切りの狭間で続いていく日常は、危ういバランスで成り立っているのかもしれないけれど、自分の脆さを分かった上でなお、そこに立とうと決めることで続いていくのかもしれない。何を思い、何を祈っていても終わることない「日常」の強靭さは、マルエナの市井の暮らしでも、アミラの修道院での生活でも同じなのだろう。

  • <kagomekagome>
      
    装丁/川名潤(prigraphics)

  • よい!

  • 感情の情報量が半端でない。ひょ、表現力~といった感じ。

  • まだ1度読んだのみだが、これは今後何度も読み返すべき一冊という気がする。光が静かに美しい。

  • 自分で自分を許すしかない。自分で自分を癒すしかない。自分で自分を認めるしかない。

    でも、考えてみれば「ゆるし方」を習ったことはない。だから、作中にその道標として拝読する祈りがあることを、少しうらやましくも感じた。

    ついた傷の深さは結末で明示されない。どちらが籠の内で、どちらが外なのかも。

  • もう一度読まなきゃ

  • この静けさと美しさはなんでしょうね。コミックを読んで、こんな気分になったのは初めてです。静謐、とでもいうのでしょうか。マルエナもアミラも幸せになって欲しいです。ヨーロッパの教会に行ってきたはかりなので、そのときの厳かな雰囲気が蘇り、とても重みを感じました。セリフもとても短いけれど、研ぎ澄まされていて染み入ります。大切にしたい作品です。

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著者プロフィール

2009年漫画家デビュー。2014年、『どぶがわ』(秋田書店)で第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞。2018年、『ねぇ、ママ』(秋田書店)で第22回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。代表作に『繕い裁つ人』(講談社)、『プリンセスメゾン』(小学館)など。

「2022年 『よそんちの子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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