光とともに・・・: 自閉症児を抱えて (1)

著者 :
  • 秋田書店
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253104333

感想・レビュー・書評

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  • 日本の医療マンガ50年史 医療マンガレビュー | 光とともに…〜自閉症児を抱えて〜 | 一般社団法人日本グラフィック・メディスン協会
    https://graphicmedicine.jp/manga_review/hikari_to_tomoni/

    光とともに… ~自閉症児を抱えて~|日本テレビ(2004年4月期 水曜ドラマ)
    https://www.ntv.co.jp/hikari/

    光とともに…~自閉症児を抱えて~ | 秋田書店
    https://www.akitashoten.co.jp/series/237

    光とともに…~自閉症児を抱えて~ 第1巻 | 秋田書店
    https://www.akitashoten.co.jp/comics/4253104339

  • 自閉症の子供と母親の物語。

    子どもが生まれ、育てていく過程で、親はいつでも何らかの不安を感じるもの。この親子においては自閉症という障害もプラスアルファとして加わる。

    子どもが生まれ、成長する中で自閉症ということを知ったばかりのころ、主人公(母親)は障害に対し消極的になり、内に閉じこもっていく。家庭までが壊れそうな中、仲間や理解する人たちと出会う事で、現状を肯定し、積極的に社会とかかわり生きていくことができるようになる。その主人公の姿に感動する。

    人と感じ方、考え方が違う、社会の通念から外れることは、相当の生きづらさを感じるもの。
    そのような現状の厳しさをきちんと見つめ、悩み、迷いながら、気づきを得、どこにでも居る弱い人間である主人公が、困難に立ち向かっていくようになる。

    ヒロイックに描かれるわけでもなく、着実に地道にひとつひとつの困難をクリアしていく。

    人生を肯定する力、それはタイトルにもある「光」を見出だすということなのではないだろうか。(「光」は子供の名前でもある。)

    周りに理解してもらうこと、偏見をなくしていくことは、大きな一歩であり、広く自閉症というものを知ってもらうことは重要。この漫画は啓蒙的な面でも大きな働きをする。
    小難しい話でもなく、少女マンガや、昼ドラの王道のような、人間関係のことも書かれていて、物語を身近に感じられるように構成されているところがなかなか技あり。

    広く読まれてほしい本です。

  • 小学生のとき、近所の友だちのおばさんが貸してくれたことが
    この本との出会いだった。
    そのときはまだ、自分がASDだということを知らず
    「こんなひともいるのだな」くらいの感想しか
    抱いていなかったように思う。

    次の出会いは大学の図書館だった。
    中学生編の途中までが置いてあって、暇を見つけては
    繰り返し繰り返し、ときには泣きながら読んでいた。
    わたしの抱えるくるしみと似ている、それなのにどうしてわたしは
    幸子みたいな理解ある親に愛情たっぷり育てられなかったの? と。

    小学生のときから早十数年。ASDの確定診断を受けて数年。
    今でも冷静にこの本を読むことは難しいけれど
    「ASDあるある」を、漫画というかたちでわかりやすく解説し
    そして、幸子たちの目を通して光くんを見ることで
    「障害のあるひとも、その周囲の人も、ひとりの人間だ」
    という当然なことをごく自然に伝えてくれる本書はとても貴重なものだろう。

    「治らない」と知り、障害受容できなかった幸子。
    それでもまっすぐに「光の世界」を理解しようと覚悟を決める幸子。
    これまでの「仕事で成功したい」という価値観から
    「親として生きる」という価値観を得て変わった雅人。
    そして、ふたりと周囲の努力が実を結び、初めて幸子が
    「ママ」と呼ばれた瞬間。
    保育園の卒園式で、きっと戸部先生が書きたかったであろう
    光くんの将来をしっかりと発表した幸子の強さ。

    育児はどんな子であっても戸惑いと混乱の連続だろう。
    障害児だから特別に大変だと、一概に言い切れないほど。
    だからこそ、ユミ先生の
    「光くんにとって安全なことは他の園児にとっても安全」
    という言葉は響いた。
    これを安全から「安心」、「楽しい」、「わかりやすい」
    そういう言葉に置き換えても通用する名言だなぁと。

    この作品は、「大人になった光くん」を描ききるまで
    続くことはなかったが、いろんなひとに
    「どんな子どもも成長する力がある」という希望をもたらす
    作品であることにはまちがいないだろう。

  •  自閉症の子どもを授かった夫婦が,どのように自分づくりをしていくか…というような内容です。社会も変わらないといけないなあと思います。
     第1巻は,生まれてから保育所を退所するまで。
     このマンガは,娘のアパートからが持ってきたものです。もともとは障害児教育にかかわっていた妻が買ったそうですが,「どっかにやるか…」と言うことをいっていたので,あわてて読み始めました。

  • 「自閉症」とは何か。言葉としては知っていてもよく知らない。
    私はそうでした。せっかく漫画を色々読んでいるのだから
    読んで勉強…じゃないけど、知る努力をしようと思いました。
    同じ子供を持つ親として、理解してあげられる部分も
    多くありましたが、実体験として「自閉症」と向き合っていないと
    やはり見えない部分が沢山あります。
    実際に向き合っている方からすれば、
    「分かる分かる」と簡単に言って欲しくもないと思います。

    でも、「いつも元気で」
    力が出る言葉ですね。明日も頑張ろう。

  • 自閉症をテーマにした漫画です。

    自閉症児の光(ひかる)君の成長と、その家族、それに学校や周りの社会も巻き込んで、
    「自閉症」という障害からいろいろなことがみえてきます。

    でもひょっとしたら、本当に描かれているテーマって、障害とか、そうでないのとか関係なく、すべての人間にとって必要な「やさしさ」とか「愛」とかいったことなんではないでしょうか。

    実際に、近くの家庭の不調和の問題であるとか、非行少年についても、描かれていたりします。

  • 存在は前から知っていて、今の学校にあったので読み出したら止まらなくなりました。
    これから子どもが欲しいと思っているところなので、幸子に同調してしまって1巻は涙目になってしまいました。
    もしも自分の子どもが自閉症だったら、障害を持って生まれてきたら……。
    いろいろと考えるきっかけになりました。
    この家族はとても良い人々に囲まれていますが、それでもあれだけの苦労をするんですね。
    それでも笑顔を忘れない幸子さん。見習いたいなぁと思います。

  • 初めてこの本に出会って読んだとき、号泣しました。自分や周囲で子育てしている人の人生を、まるで追体験するようでした。
    自閉症児の子育て漫画ですが、心情だけでなく、具体的な療育や新技術など、その当時の情報が、さりげなく、たくさん盛り込まれており、医師たちともタイアップしているようです。
    自分だったら、どうするか、どう感じるか...一般の方にも広く、知ってほしいシリーズです。

  • 自閉症のことが理屈じゃなくてわかる心にせまるマンガ。多くの人に読んでほしい。

  • 「自閉症」という障害を持った子を授かった親達のバイブルです。
    どんな小難しい専門書より「自閉症」についてわかり易く描かれています。

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