死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々(2)(少年チャンピオン・コミックス・タップ!)

著者 :
  • 秋田書店
4.03
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本棚登録 : 218
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784253130707

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    「なくした僕の心はどこにあるか」
    プから始まる言葉が分からなくて調べてしまった。またいらない知識が増えた。単行本版は連載時より伏せられているんだね。

    「8304」
    ネットの連載だったかでこの話を読んだのが、この漫画を買うきっかけだったと思う。『君はひとつも悪くはない 悪くはない 違うんだ』
    当時色々と悩んでいた自分へ、大きなショックを与えた話でもある。

    一番好きな話は「7759」

  • 言葉もないです・・・

  • なぜこうも胸がざわつくのか。

  • 本巻は心を抉る作品は少なく、ほんわか系と意味不明系、切ない系で構成されている。
    8304と、7759は名作。

    (ネタバレあり)
    ・山田くんと雫の話
    二人とも可愛すぎ。淡々と冷静に突っ込んでアシストする副島もいいね。
    「プ」で始まるゲスい単語が分からない…。

    ・友達なんかじゃない
    正義感あふれてそうな椎名が、実は陰湿で従わない奴には罵倒する人で、口が悪く高島をバカにしていたエリナが、実は一番高島を必要としていて泣きじゃくり甘える人だったという強烈な皮肉。

    ・スーパー加藤さん
    明らかにヤバい奴に絡まれてるのに引きながらもちゃんと応対する福別府さん良い人すぎて笑ったww

    ・鈴木くんのねこの人形
    最初にねこ人形を奪った女子はただ面白い反応が見たかっただけですぐ人形を返したのに、他の女子は面白がってエスカレートして、人形を踏み潰してボロボロにする。
    最初の女子は「ええーちょっとちょっと」と焦り、泣き出した鈴木くんを見て後悔の表情を見せる。
    たった4ページに切なさを詰め込んだ秀逸な作品。ねこの人形のバックグラウンドも不明なのがまた良い味を出してます。

    ・8304
    松田くんとけんちゃんの2人の男子の会話のやり取り。
    松田くんはけんちゃんが大好きだけど、けんちゃんは、名門私立中に行った松田くんに疎外感を感じている。
    けんちゃんと違って、松田くんは町の外にある私立中に通い、運動部に入って、友達に恵まれて(テーマパーク、携帯電話のメールでエロ本云々)、両親にも恵まれた立派な環境にある。
    けんちゃんは、「僕は君のそういうところが嫌いなんだよな」と気持ちを吐露する。
    泣き笑いの表情で「松田といるとつらいだけだ」というシーンは辛い。
    切ないのは、そんなこと言われた松田くんが「ごめん ごめんねぇけんちゃん 僕のこと嫌いにならないでえ」と泣くところ。
    お互いに大好きだからこそけんちゃんは辛いのだよ。。
    このストーリー。注目すべきは、けんちゃんが「また会えるよな 本を返す約束をしよう 夏になったら海の神社の夏祭りにいこう 冬になったら星を見に行こう」と松田くんに提案してるのに、松田くんが「あっ雨やんだよお!」と無邪気に反応し、質問に答えていないシーン。
    けんちゃんの期待を込めた表情のコマと、答えてくれず顔に影がかかってるコマを見れば、二人のすれ違いが如実に現れている。
    ラストの「その日ふたりはどこまでもどこまでもかけていった」は、「その日」だけは二人の楽しい時間だったことを暗示し、
    「この本を読むたびにこれだ 今となればどうでもいいささいな思い出だ」は、けんちゃんは松田くんに借りた本をその後も持ち続けた(返す約束をせず、松田くんと遊ぶこともなくなった)ことを暗示し、
    「子供の頃の幼稚でつまらない思い出だ」は、二人はすれ違いのまま疎遠になり、大人になってしまったけんちゃんが過去を見つめていることを示しているものと分析します。
    切なすぎる…。

    ・7759
    解釈が複数ありうる問題作。
    一読したときよく分からなくてググってしまいました。
    千夏はともかく、最後に橘が死んだ理由も説明できなければならない(橘は倒れこんだだけで死んでない可能性もあるが、ストーリー的に死んだと考えるのが妥当。)
    千夏→橘の毒殺説は、千夏の殺人動機がなく不自然。千夏は人生どうでもいいとか黙ってて美しいもの好きとか言ってるが、間違いなく橘のことが好きだし、倒錯的な性衝動がある描写はなく、生きながら橘と一緒にいたかったはず。
    橘→千夏の毒殺説はあり得るが弱い。
    千夏が死んでるのに全く騒がずににこやかな表情を浮かべるのは、死を予期していない人間の行動ではない。
    しかし、橘は「異常者」を自覚するとおり、動かない人形のような人が好きで、好きな人が、好きな状態で眼前に現れて嬉しがってしまうのは、橘視点では不自然とまではいえまい。
    そして、後半で橘は生きた千夏のことも好きになっており、わざわざ殺すとまでは考えにくい。

    ガスヒーターによる中毒死説は盲点。
    しかし予期せずして一酸化炭素がそこまで充満していたなら、帰ってきた橘くんが何らかの異常を感じる描写があるべきだが、それがないという疑問もある。
    ただ、全体的にこの説が説得力がある。
    ボロヒーターを「ドッ」と蹴るシーンあり、そのときまだケーキ完成してないので、そこからずっと不完全燃焼を引き起こして一酸化炭素が充満していた可能性は十分にある。
    たまに出てくる錠剤は頭痛薬やかぜ薬など鎮静・睡眠成分が入っていて千夏が飲んでいたのではないか。
    あるいは、橘が手作りゼリーに睡眠薬を入れていたか。橘は生きた千夏も好きだけど、動かない人形のような人に対する性癖は不変(千夏といてもネットで見ていた)なので、千夏の眠りこむ姿を見たかった可能性も少なからずあり得るかもしれない。
    推測できるストーリーは次のとおり。
    元々体調が良くなかった千夏。寒くてボロヒーターを蹴りつけながら、かぜ薬を飲んだ上で、又は睡眠薬が入った橘お手製のゼリーを食べて(あるいはその両方で)ケーキ作りに励む。
    しかし、そのときの衝撃でボロヒーターが不完全燃焼を起こし、次第に室内には一酸化炭素が充満し始めていた。
    寒い季節で「窓を開けて金木犀の香りを招待したい」という台詞からも窓は閉めきっていたことが分かる。
    千夏は元々の体調不良に加え、一酸化炭素の充満により頭痛もしてきた。
    頭痛、顔の赤らみ、眼球アップで乾燥してるように見えるというのは、いずれも一酸化炭素中毒の症状に合致する。
    千夏は一酸化炭素中毒症と、薬による眠気でそのまま意識消失し、その後中毒死した。
    橘は帰って千夏の死体を目撃する。
    橘は死体など動かない人形のような人が好きだったが、自分を異常者と自覚し、そのことを語れないことに悩みを抱えていた。
    しかし千夏と会って橘は変わっていた。千夏のたのしげな声が、かなしそうな顔が、すねた後ろ姿が、千夏の生きる存在が好きになっていた。
    異常者と自覚する橘は、人に迷惑をかけないことが人間としての唯一の矜持だったが、自分の人生に千夏を巻き込んでしまったことを悔いる。
    千夏の前でだけは人間になれた橘。
    「先輩がいないと意味がない」と言い残し、最後にめいっぱいはちきれそうなくらいに幸せを感じたまま、倒れこむ。
    一酸化炭素が充満している部屋にとどまり続けた橘は、千夏と同じ死因で、寄り添い会って亡くなった。
    二人の幸せそうな生前のイメージを残して。

    数字系のやつ、どちらも切なすぎるのですが…。
    回答はないが、深く考えさせられる作品。作者は天才と言われるのも分かりますね。

  • 今巻は不思議系としっとり系が多くて、前巻や前作にたまにあったような、抉ってくる系のなくてちょっと寂しい。しかし普通の生活を送るのが困難っぽそうな、著者の感性は健在で良かった(偏見)。

  • 空灰のシュールな話をさらに?にした話が多い…。
    カバー下の漫画に救われた。

  • 男子のおっぱいへの本能うふふから始まるの大事故。
    「僕の夢の中〜」
    ファーストフード店全制覇ギャグかと思いきや水面下で続行している多重構造にもはや阿部トモ世界へローリングストーン•••。数字タイトル(日数かな)の2作は獄中リリースレベルの凶悪さがある。
    「8304」
    人物描写からも銀河鉄道なのだろうが、どうもETを思い出す。ジョバンニしかり、エリオットが「子供の頃の幼稚でつまらない思い出だ」なんて回想しやがったら正座させて叱りつけたい。
    「7759」
    なんと•••!純愛ストーリーとかもいけるんだ•••!!!?すげーな!!!なんだ、逆ブルーバレンタイン手法か!しかも、いたずらに死因を隠し翻弄してくるとは恐るべし!サイコパス演出しながらも、その伏線はしっかり回収。が、やはり曖昧である憎さ。しかし2回、3回と読んだら幸せを享受して泣けてきました。

  • 色んな方向に感情がぶっ飛ばされる、凄いハイクオリティの漫画力。詩情の豊かさ、マンガだからできる表現。可笑しい話やハッピーエンドもコメディもあるけど、「8304」の鮮烈さ、「7759」の哀しさ、「友達なんかじゃない」の揺さぶられる感情に特にやられた。

  • 大傑作。8304と7759はすごすぎて形容する言葉が見つからぬ。ただこういうのばっか描いてると気が病まないか心配になるのでほどほどにしてほしい。

  • 阿部共実は天才だ
    という事を分かっちゃいるけど再認識させられました。
    言葉のセンスが半端なさすぎる
    ただただ圧巻するばかりです。

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