いただきます: A.L.C.DX

著者 :
  • 秋田書店
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253159425

感想・レビュー・書評

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  • 201505/給食を扱うとアレルギー・給食費未払といった題材は他の作品(給食のお兄さんシリーズなど)とかぶってしまうのは仕方ないのかもだけど…

  • 大ジャンルで言えば、食系だが、この『いただきます』は他の作品と、ちょっと違う
    小学校の給食に光を当てているのだ
    しかも、主役、給食を作る職員が、およそ堅気に見えないくらい、厳つい面と体格の男ってのが、これまた面白い。当然、怖いのは外見だけで、心は誰よりも優しく、何より、給食を食べる子供の事を一番に考えて、行動できる、と言う、漫画読みが大好きなギャップまで備えているw 加えて、妻子を失い、心に癒えない傷を刻んでいる、そんな重さを持っている点も、話に厚みと説得力を生んでいる
    それこそ、小学校に毎日、行きたくなる理由は子供によって違う。私は、言うまでもないが、図書室の主になりたかったからだ
    けど、一番は同じじゃなくとも、二番、三番には「美味しい給食を食べられるから」が必ず入るんじゃないだろうか?
    学校給食をテーマにしているだけあって、今現在、議論に決着が出ていない、「食物アレルギー」や「給食費の未払い」もしっかり取り扱われており、その難問にも、主役の十一らしい、この作品らしい答えを導き出している
    私自身、体質的な問題で、牛乳が飲めないので、かれんちゃんの大変さや肩身の狭さは察せる。ただ、それでも、給食で困らなかったのは、やはり、給食の先生の気遣いがあったからこそであり、当時、美味しい昼食を食べられたからこそ、今も食べる事が大好きでいられる。もちろん、食物アレルギーを持っている子供を優先すれば、他の子の給食の用意が大変になるのは承知だが、それでも冷遇はしないであげてほしいもんだ
    給食の未払い、これについては今イチ、判らない。子供は健康でいるべきだ。給食は、子供を健康にするため、重要な役目を担っているハズだ。親として真っ当な責任を果たす気があるなら、まず、給食費をイチャモンをつけて払わない、なんて親失格な発想に行き着いたり、行動に出られない、と思うんだが、多いらしいね。自分の親が給食費を払ってくれなくて、給食の時、教室に居辛かったならまだ言い分にも納得できるが、自分はちゃんとしてもらっていたのに、自分の子に辛い思いをさせるとは一体、どういう了見だ?そんな事してたら、家での食事ん時も笑ってくれなくなるぞ
    この台詞を引用に選んだのは、かつて、自分の中に自分を傷つける毒を溜めてしまい、それを吐き出せる場と、吐き出させてくれる人に恵まれた十一だからこそ、今この時、SOSを出せずに苦しんでいる少年に言ってやれる、優しさと強さの混ざった助言だな、と思ったので。助けて、その一言を言わなきゃ、自分の“不幸”な境遇を変えられないのは当たり前だけど、そう簡単に言えたら苦労しないんだよな。子供がSOSを出しやすい環境を作ってやる、用意してやるのが大人の義務だろ、と最近、真面目に思える歳になってきたのか、私も

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